ヴィオラ・ダ・ガンバとサバール
9月 25th, 2013 at 17:08先日11日、キタラコンサートホールでヴィオラ・ダ・ガンバの
「ジョルジ・サバール」の演奏会が開かれた。
ガンバ奏者で作曲家のサント・コロンボ とマリン・マレーの師弟を描いた
『巡り合う朝』で一世を風靡させた立役者でもある。
私も相当入れ込んで聴き、サバールのレコードを蒐集した時期があった。
西洋の楽器で何か一つやろうとすれば、躊躇無くこれを撰ぶだろう。
だが、それは来世に持ち越すだろう。
札幌での初の演奏会。
2度とないかもしれない、まさに聴きの逃がせられなかった。
演奏内容が多彩にわたって、現代的な奏法が、既に17世紀に使われたことが面白い。
調律も、何か聖なる儀式のようで、そのものが音楽であった。
この静謐で繊細で人間の声を奏でるガンバは、心にしみじみと染み入る。
もう少し、コロンボの古曲を何曲か聴きたかったが・・・残念。
しかし、最後に手にしたフランシシコ・ザビエルをテーマにアルバムが作られていて
これを求め、サインを戴いた。
後に、これを聞いて感嘆したのだ。
これは稀に見る傑作で、その秀逸な構成と編集と演奏には心底驚いた。
当時のスペインの古楽から教会音楽・合唱、そして日本における当時の古曲、
篠笛、琵琶、尺八などが織り込まれ、さらに渡日前に寄った印度音楽、
そして離日後の中国音楽など、多彩にわたり、しかも一級の演奏なのが素晴らしい。
ひとつの学術書のような体裁で、何か国かに訳されている。
お勧めしたいCD本である。
今、古楽回帰は、世界に拡がっている。