まほろばblog

熱心に集中して、賭けていますと

10月 31st, 2013 at 12:08

「熱心に集中して、賭けていますと、
     運というか、幸運というか、
   そういうものがプラスアルファが引き出せる」

      川上 哲治(元巨人軍監督)

※『致知』1982年12月号
特集「力の源泉はなんだろう」より

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――川上さんは後姿をみて部下がついてくる
ようでなければだめだと、おっしゃってますね。
後姿で、指導するようになる、
それがリーダーの最高の姿だ、と。

これは私の禅の師匠である梶浦逸外老師が、
私が監督になったときにはなむけの言葉としてくださったんです。

「あんたは、正力さんに信頼されて
巨人軍の監督を命ぜられたのだから、
一生懸命やらなければいかん。

それがためには、
後姿で率いるような監督になんなさいよ
面と向かって率いるというだけでは
絶対、大きな働きはできませんよ」と。

――後姿で率いるというのは、
何もいわなくても部下はリーダーの気持ちを
知ってついてくるということでしょうかね。

そうですね。ただ、何もいわんというわけにはいきません。
こうやれ、こうすべきだということは教えていくし、
また辛いときに辛いことを要求しながら
やらせていくこともリーダーとしては大切です。

しかし、それだけではうまくいかないと思うんです。
やはり、お手本を示すといいますか、
監督、リーダーが自分の仕事を通じて
自分の要求していることを
自然にわからせるように持っていくことが大事です。

指導する立場にいるものは、
他人を指導できるだけの人間になるべく、
自分自身を鍛えていかないとね。

――やはり陣頭指揮といいますかね、
自分が立派にならなければ人はついてこないですね。
能力の点、体力の点、あらゆる点でね。

まったくです。部下の率い方には、教え、しつける面と、
自分が手本を示していく面とがあり、
これを併用して率いてこそ、
いい組織、勝ち抜くことのできる組織づくりが
できるんだと思います。

で、そのいずれの場合にも、
一番大事なのは誠意といいますか、
真心といいますか、
これを土台にしながらやっていくということでしょうね。
これは集団では大切なことですよ。

――結局、野球も力の強いやつが勝つのだと思いますが、
ああいう野球の集団の力の強さというのは、
どうですか。王とか長島みたいなのが
一人か二人いるのがいいのか、
集団が全員やる気になって一致団結するほうが強いのか……

これはもう一人二人の選手がおったってだめで、
そういう人たちの力を当てにしているようでは
決して大きな成績はでないと思いますね。

やっぱり、集団の力というのは、
みんながやろうとする目標達成のために、
本当に一心になってやるときにでます。

それで、これが一心になってやっているというと、
もう一つの力もひき出せると思います。
例えば、幸運という運を呼び込む、プラスアルファということです。
神仏の加護といってもいいと思いますけどね(笑)。

熱心に集中して、賭けていますと、
なにかしらん、そういう運というか、
幸運というか、神仏の加護というか、
そういうものがプラスアルファとして引き出せるという気がします。

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