まほろばblog

Archive for the ‘農業’ Category

#2有機農業フェスタ

月曜日, 10月 3rd, 2011

「第二回北海道有機農業フェスタ」が9月3,4日に開かれました。

あいにく大雨にたたられましたが、みな元気一杯。

まほろば自然農園も出店、若いパワーで2日間とも早々に完売!!

道内の中も多く、一層絆を深める良き機会でした。

(まほろば自然農園:西岡ご夫婦、二郷君と長男が参加。)

(共働学舎:加藤さん、遠藤さんの面々)

(ワタミファーム:瀬棚の面々です)

(センター本部:手前が瀬川さん、奥が本田さん、横が家内)

(薮田ファーム:薮田代表に助っ人の近藤さん)

(農業活性:産業用大麻普及に命を燃やす菊池治巳さん)

(興農ファーム:清水さん他、若い面々)

剣淵・生命を育てる大地の会

月曜日, 10月 3rd, 2011

お世話になっている剣淵の「生命を育てる大地の会」の案内パンフレットが届いています。

池田さんはじめ、皆様にはお世話になっています。ありがとうございます。

生きること、死ぬことについて

水曜日, 9月 21st, 2011

川口 由一

(赤目自然農塾 主宰)

生きるのは大変だ。

生きている間は生きなければならないゆえに、本当に大変だ。

生まれてきたすべてのいのち達、生きている間は生きる営み自ずからにして、死にたくないのが基本である。

この基本の営みが、老い、やがて死への営みでもある。

生きること、死ぬことは、自ずから然らしむることであるが、

当人にとっては人生における最大の困難時である。
生まれることなく滅することのない絶対の存在である宇宙に、地球が生まれて47億年。

今日も生き続けている。太陽が誕生して50億年前後だろうか。

今日も生きて営み続けており、その営み自ずからにして、やはりもれることなき死滅への営みである。

不生不滅にして有り続ける宇宙に、人類が誕生して数十万年、数百万年生き続け、

親から子へと巡ること自ずからにして、やはり死滅への営みである。

一人ひとりの百年前後の生きる営みしかり、すべて生まれてきたもの自ずからにして、

生きる営みが成長、成熟、老、死への営みである。
この絶対の定めのなかで、それぞれの生の期間が過不足なく絶妙に定まっており、

それぞれが我がいのちを生きている間は生きている。
人類も与えられた生の期問を生きて全うすること自ずからであるはずだ。
一人ひとりの百年前後もまたしかりであるが、この百年前後の時空間を生きることは本当に難しい。
滅びることなくよくここまで人類は生き続けてきたものだ。

たくさんのたくさんの人が生まれて、生きて死に、生まれて生きて今日に続いている。
人が、地球上の生物が…、地球が、月が、太陽が、星々が、すべての物質が、

生まれ死に、生じ減するこの営みの舞台である宇宙は、

広大無辺の空間であり、無始無終の時代であり、姿形はない。

空間における時間の流れは、すなわちいのちの営みであり、

この営みに目的はない。

地球の、太陽の、星々の、人の、鳥の、、蝶の、花の…、

生滅、生死、いずれも無目的の営みからのものである。

この無目的の宇宙で生き、この混沌混乱の人間社会で生きてゆくことは本当に大変であり難しい。

ゆえに「死にたくない」を生きる営みの根源に抱きながらも、

「生きることから逃避する」「死を好む」「正しいものを好まず誤れるものに心惹かれる」

「生きているいのちを損ね傷つけることを喜ぶ」「生きる舞台である環境を破壊することに積極的になる」

「生きることを放棄して怠惰に親しむ」「死に至る退廃に魂を喜んであずける」…等々の性をも抱く私達人間であり、

数十万年、数百万年の歴史を混沌のなかで生きてきた人類であるが、現代に至るほどに生きることを放棄し、

死臭の発す退廃にとりつかれること顕著となり、死に向かって急いでいる。

今日のこのいのち本来の墓本から外れた生き方にほ、もちろん人類の寿命の全うはなく、

一人ひとりの心身健全にして厳かなる人生の全うもない。

真の幸福も平和もあり得ない。

人としての心豊かな情緒美しい行為行動からの日々の喜びもない。

生きることの意味も意義も悟り知ることなく、他を愛し他の存在を尊び感謝の思いの湧き出ずることもない。

生きることがさらにつらく困難となり、暗闇から抜け出すことができなくなる。
何があっても生きている間は生きなければならない。

生きるに正しい道を得てである。道を得ずして生きることはできない。

人間以外のすべてのいのち達は道からはずれない。

私達人間もいのちある生物として、いのち達の舞台、この宇宙自然界生命界を、損ねることなく、破壊することなく、

また他を侵すことなく、慈悲深い情緒豊かな人間として、心平和に、魂の根源から静かに智恵深く、

足るを知って生きなければならない。

正しいいのちの道、人の道、我が道を得たならば、生きて全うすることが本当に楽しく、生きることの困難はしりぞく。

人類白ら不幸に陥ってはいけない。

いのちを観ることのできない今日の科学文明、自然から大きく遊離した都市文明、

いのちを大切にしない物質文明、生きることの真の意味と意義を見失い消費を盛んとする経済優先の人間社会は、

精神を退廃に蝕ませ生命力を衰退させ、死に向かって突っ走り、死臭を放ちつつ、

なおあらぬものに執着するものだ。
川口 由 (かわぐち よしかず)
昭和14年、奈良県桜井市の専業農家に生まれる。慣行農業に23年問従事した後、自然の営みに添った真の生き方を求め、自然農と漢方医学に取り組んで33年となる。現在は自然農と漢方医学を求める人達に応え指導する。赤目自然農塾主宰。主な著書「妙なる畑に立ちて」(野草社)、「自然農から農を超えて」一カタツムリ社一、「自然農という生き方」一共著・大月書店)、「自然農」(共著・晩成書房一、「自然農への道」一編共著・創森社一他。ビデオ「妙なる巡リのなかで」一ナチュラルファーミングプロジエク上他。記録映画「自然農川口由一の世界」一フィオーナ・グループ現代一

『TPPが日本を壊す』

火曜日, 9月 20th, 2011

       『TPPが日本を壊す』

        廣宮孝信・著 青木文鷹・監修 扶桑社

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  こんにちは、土井英司です。

  毎日新聞が、こんな記事を発表していました。

 <農業などあらゆる分野の関税撤廃を原則とする環太平洋パートナ
 ーシップ協定(TPP)の交渉に、日本が参加するかどうかの判断
 を、日本政府が迫られている。米国が参加する貿易自由化協定であ
 るため、政府与党内には「成長戦略に欠かせない」との主張がある
 一方、農業などへの影響を懸念する声は強い。TPP交渉参加9カ
 国が大筋合意を目指す11月末は目前だが、野田政権は難しい判断
 を迫られそうだ。【野原大輔、和田憲二】>

本日の一冊は、現在政治の焦点となっているTPPについてわかり
やすくそのメリット/デメリットをまとめた一冊。

日本政府はこのTPPを進める考えのようですが、加盟すると、日
本の産業に大きな影響が予想され、業界によって明暗がはっきりと
分かれそうです。

たとえば、商社にとっては商圏が拡大する上、業務上の手続きが簡
素化するため、メリットだらけ。小売も日本に居住する外国人が増
えることによってお客が増えますが、地方自治体にとっては、政府
調達開放に必要な新規コスト(資料の翻訳=税金から賄われる)が
発生します。

この辺は、業界によって言うことが違ってきそうなので、情報発信
者の利害関係に十分注意を払う必要がありそうです。

本書によると、TPPは農業だけの問題ではなく、公共事業や地方
の中小企業に、甚大な影響を及ぼす可能性があります。

しかも、大きなリスクをはらんでいる割に、マーケットが広がるか
どうかわからないということで、本書では、「もし日本にとって農
業を守りつつ市場を広げたいのであれば、ペルー、コロンビアの2
か国とFTA/EPAを結べばこと足りる」との見解を示しています。

もちろん、悲観派の書いた本であり、ここで示された見方がすべて
とは言えませんが、巻末には実際の条文の和訳も付いており、TP
Pが何か、おおまかに把握するには、手頃な一冊だと思います。

ぜひ読んでみてください。

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帝国データバンクによる全国1万社を対象としたアンケートでは
「TPP参加が日本にとって必要」とする国内企業は65%にものぼる

反対側の旗印は何といっても「農業保護」でしょう。高い関税で守
られている農産物の関税がゼロになってしまえば、農家にとっては
まさに死活問題

TPPがFTA/EPAと決定的に違うのは、FTAはお互いの国
情に合わせて譲れない分野を例外とし、残りの分野で関税撤廃など
の連携を広げるのに対し、TPPはその例外を一切認めない

経済産業省はTPPに参加しなければ、2020年の時点でGDPが10
兆5000億円減少するとし、内閣府も参加によってGDPが2兆~3
兆円のプラスになるというデータを発表しています

農業・漁業者とその関連団体が反対するのは、コメの778%をはじめ
牛肉は38.5%など輸入農水産物には関税がかかられ、もしその関税
が撤廃されてしまえば、安い外国の農水産物が国内市場を席巻し一
次産業が大きな痛手を負うからです。北海道の試算によると、地域
経済の損失は2兆1254億円に及び、道内全体で17万3000人の雇用が
失われるとしています

農林水産省もTPP参加で約4兆5000億円の生産減となり、食料自
給率は40%から13%に低下し、関連産業も合わせた影響額はGDP
が8兆4000億円減少、350万人の雇用が失われるという試算を出して
います

TPP参加によって日本的なローカルルールが規定に抵触するとい
うことは、終身雇用や社会保障が否定されるということと同義

入札価格の基準ラインが下げられることで、市区町村レベルの公共
事業でも大型案件はすべて国際競争入札の対象になる

基本的にはTPPによって貿易障壁のない「商圏」が広がります。
それだけでなく、商社にとっては手続きの平準化、特に「原産地表
示」と「貿易手続き」の面でその負担が軽減されるでしょう

日本経済においては景気変動における労働需要の変化に対し、建築
業が事実上の安全弁として機能してきた歴史があります。またデフ
レが続いている現在でも、この「雇用維持機能」や「景気浮揚機能」
としての公共事業は地方ではより重要な役目を果たしています。し
かしTPP加盟後は海外企業が落札してしまい、今まで景気対策や
雇用対策として機能していた公共事業がその機能を失ってしまうか
もしれません

アメリカは自動車や工業分野などお互いの得意分野が重複している
ため、日本とは「利害対立国」です。これらの利害対立国を除くと
日本がFTA/EPAを結んでいない国は事実上ペルー、コロンビ
アのたった2か国だけになってしまうのです。もし日本にとって農
業を守りつつ市場を広げたいのであれば、ペルー、コロンビアの2
か国とFTA/EPAを結べばこと足りる。