まほろばblog

Archive for the ‘文化’ Category

「明朝体と宋朝体」自然医学10月号

火曜日, 9月 18th, 2012

「森下自然医学」10月号が、発刊されました。

会長の巻頭随想は、『徐福伝説 其の三』、「いざさらば、連雲港よ」。

徐福が、渡航軍団を率いて、故郷連雲港を離れる際の様子がありありと活写されている。

いわば、この2200年前の事項により、呉越人が日本に大挙押し寄せた。

だが、それは略奪領有することなしに、日本に同化し、一体化して今日の基を作った。

この2,3日、尖閣諸島が、喧しい。

さて、どうなるものか固唾を呑んで見守る。

現政権の、即断即決の英知無きが悔やまれる。

今月号は、『倭詩』発刊に伴い、5pも割いて取り上げられた。

森下自然医学とのご縁があってこそ上梓出来たのであって、

ありがたく、深くここに感謝したい。

森下会長からの推薦文が掲載されている。

彫琢を加えた文藻が、長く読み耐えられるように。

今月号の「倭詩」は、『明朝体と宋朝体』と題して。

今回本文に使った書体が「宋朝体」という、一般に使用されている明朝体とは異なる。

私が少年期から、慣れ親しんで来たせいもあり、これを出版社に依頼した。

ところが、近代出版史上、かつて無かったという事実を知り、

驚いたのは、当の私自身であった。

そこから、この物語が始まる。

この本は、内容もさることながら、書体自体、革命的なことであると出版代表者が語られた。

ついぞ、誰もが気が付かなかった書体に焦点を当ててみた。

これは、単なる個人の思い付きではなく、長い歴史的な見地でもある。

それは遡ること、明の600年、宋代1000年に亙ることにもなる。

これから火種がついて、この試みが広く拡がらんことを望みたい。

 「盛衰の原理」

日曜日, 9月 16th, 2012

             『致知』2011年1月号
                 特集総リードより
───────────────────────

今年(平成23年)、日本は皇紀2671年である。

海に囲まれた小さな島国が、さまざまな試練を経ながら
高い民度と文化を備え、今日まで発展してきたのはなぜだろうか。
そこに盛衰の原理のヒントがあるように思われる。

例えば、伊勢神宮では、正殿をはじめ社殿のすべてを
新たに造り替える式年遷宮が、20年に1回行われてきた。
2年後に迎える式年遷宮は62回目になる。

今回の総工費は550億円。
うち220億円は民間からの志によると聞く。

第1回の式年遷宮が行われたのは持統天皇4(690)年。
戦国時代に中断されたことはあったが、
以来1300年、この行事は連綿と続けられている。

伊勢神宮だけではない。全国でその地にある神社が
地域の人々によって大事に護持されている。
これは世界の驚異と言っていい。

渡部昇一氏に伺った話である。

氏は若い頃、ギリシャのスニオン半島を2週間ほど旅し、
ポセイドン神殿はじめ多くの遺跡を見た。

帰国後、石巻に行った印象が忘れられないという。

石巻には港を見下ろす丘に大きな神社がある。
その祭りを町を挙げて祝っていた。

海を見晴らす丘に海神を祀るのはギリシャも日本も同じだが、
ギリシャの神ははげ山の中の遺跡と化している。
しかし、日本の神は豊かな鎮守の森に包まれて社に鎮座し、
住民がこぞって祝っている。

「古代ギリシャ文化はもはや死んでしまったが、
  古代日本文化はいまもまさに生きているのです」

この事実は何を物語るのか。

ギリシャ神話は有名だが、神々の系譜は神話の中だけで
完結、断絶し、いまに繋がっていない。

これに対して日本は、天照大神の系譜に繋がる
万世一系の天皇という具体的な存在を軸に、
我われの先祖は目に見えないもの、
人知を超えたものを畏敬し、尊崇する心を、
2000年以上にわたって持ち続けてきた、ということである。

そしてこの民族の魂は今日もなお生き続けている、
ということである。

目に見えないものへの畏敬、尊崇の念は、自らを律し、
慎む心を育んでいく。

「心だに誠の道にかなひなば祈らずとても神や守らむ」

という心的態度はこの国に住む人たちに
共通した価値観となって定着した。

言い換えれば、私たちの先祖は
「自反尽己(じはんじんこ)」に生きたのだ。

自反とは指を相手に向けるのではなく、
自分に向ける。すべてを自分の責任と捉え、
自分の全力を尽くすことである。

そういう精神風土を保ち続けたところに、
この国の繁栄の因がある。

同時に忘れてならないのが、我々の先祖が
絶えず後から来る者のことを考え、
遠き慮の心を持ち続けたことだろう。

詩人の坂村真民さんはそういう先人の祈りを
象徴するような詩を残している。

《あとから来る者のために

 田畑を耕し 種を用意しておくのだ

 山を 川を 海を きれいにしておくのだ

 ああ あとから来る者のために

 苦労をし 我慢をし みなそれぞれの力を傾けるのだ

 あとからあとから続いてくる あの可愛い者たちのために

 みなそれぞれ自分にできる なにかをしてゆくのだ》

TIMEDOMAIN 由井社長による試聴会

木曜日, 9月 13th, 2012
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 先日、TIMEDOMAINの由井啓之社長がまほろばに来店。

実際、yoshii9などを使ってのデモをしてくださった。

スマホからSmart(賢い)Audioの試聴。

iPhone、iPad、Macから、直接youtubeの音源を、ミニに接続。

いまや、往古考えられない簡便さで、その場をコンサート会場と化す。

持ち寄った普段聴いているCD、レコード、DVD等も、見違える。

 一階のエリクサー前ではyoshii9からガラスの割れる音が、

あたかも目の前のワインが落ちて砕けるような錯覚に陥った。 

http://www.timedomain.co.jp/

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CDプレーヤ、TV、DVD、アナログプレーヤー(イコライザー内蔵)、 パソコンなどの音源につなぐだけで、簡単に素晴らしい音が楽しめます。小型ですのでどこへでも持ち運びできます。
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  http://www.youtube.com/watch?v=a491XWZw4WU

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田中愛子先生から・・・・

水曜日, 9月 12th, 2012

先日、野幌の原田ちほさんが、再びあの田中愛子先生をお連れして、

まほろばにわざわざいらして下さいました。

既に90歳を過ぎていらっしゃるのに、背筋がピーンと伸びた

矍鑠たるお姿は、活けるマクロで、お美しくあられます。

古風でありながら、何か洗練されたモダニズムを感じさせるのは、

長いパリ生活で、身に付かれたせいでしょうか。

桜澤先生とご一緒のヨーロッパ伝道で、エッセンシャルな生き方を学ばれたのだと思います。

当日お昼は、北海道でも珍しい鯉料理の「うちや満」さんで、

手打ちのおそばと、マクロではお馴染みでありながら中々口に出来ない「鯉こく」を戴きました。

これは、もう東京でも食べる処がないそうです。

ご一緒して、ここまで長命であるのは、その柔軟心にあることを気付かされます。

ドグマで硬直化されない、しなやかな思考と行動力。

素晴らしいなー!と感嘆するばかりです。

学ばさせて頂きます。

田中先生からこの度の「倭詩」への書評を戴きました。

近々upする感想特集をご覧下さいませ。

「ゆらぎ」の佐治先生のお話

火曜日, 9月 11th, 2012

理論物理学者の佐治治夫先生の講演会が、

「秋分の日」に、山の手の「浄国寺」で開かれます。

先生の「ゆらぎ理論」は有名ですし、宇宙創成のお話しも興味が尽きません。

松岡正剛さんとの対談本も、エキサイティングで面白いですね。

それと、西洋音楽に大変造詣が深く、そこから紡ぎ出される

宇宙理論、人生論は眼の覚める思いがしますね。

またとないチャンスですので、是非ともご参加くださいませ。

まほろば「大和なでしこ吟詠隊」、初吟にビックリ!!

木曜日, 8月 30th, 2012
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もう、ビックリしました!!!

みんな、ほぼ初体験の詩吟。

2週間前に、ケーキの大和八千代さん(声楽やっていたのです)と

小野由紀子さんとみずきちゃん親子が詩吟教室に参加。

そこに、昨日、当別の土井茂子さんが加わり、

更に、仕事中の斉藤秀子さんと城越ゆかりちゃんも急遽参加。

みなさん、初めても初めて、訳の分からない中を、突然、合吟を始めました。

それが、何とかなっているのに、ビックリ!!!!!

みなさん、上手だと思いませんか!

こちら、聞いていて大感激でした。

東峰先生は、大喜びで、大はしゃぎ!!!

みんな才能があるんですね。

やはり日本人の血が流れているんですね。

そして、まだ10歳前後のみずきちゃんが、すごく面白い!と言って、

今、吟にはまっています。もうビックリですね。

小さい頃から、鍛えたら、どんなに実りある人生になるでしょう。

それにしても、女性だけの吟はきれいで、いいですね。

先生はまほろばで50名ほどの「大和なでしこ吟詠隊」を結成したいと張り切っています。

応募されたい方、どんどんお越し下さいな。

いろいろなことが学べて、とっても楽しいですよ。

毎週水曜日 夜7:00~9:00

まほろば2階

ちなみに、昨日は有名な朱熹作「偶成」を勉強しました。 

偶成

少年易老学難成 

一寸光陰不可軽 

未覚池塘春草夢 

階前五葉巳秋声 

 

朱喜
 
少年老い易く 学成り難し 
一寸の光陰 軽んずべからず 
池塘の春草の夢 未だ覚めやらずして 
階前の五葉 すでに秋声 
  
幼少より学問を志しながら、そろそろ老いを迎える年齢になっても、
未だ大きな成果を果たせずにいる。
もはや残り少ない人生だからこそ、ほんの瞬きする刹那ですら、
時をおろそかにしてはならないのだ。
春の池の堤に萌えはじめた若草のごとき瑞々しい、
大志への夢は今も変わらず覚めていないのに、

ふと気がつけば、石段の脇に繁る五葉の葉が秋の訪れで

いつしか色づいているように、

自分自身が人生の秋ともいうべき初老の時期にさしかかってしまった。

あの葉がやがてはかなく散ってゆくのと同様、

自分もこのまま志を遂げることなく、

いずれはこの世を去るばかりなのだろうか。

止めるすべもなく、無情にも時間だけが移ろい、

ただ過ぎ去ってゆく・・・・。 

 

人の縁 2、二つの「一人芝居」

日曜日, 8月 26th, 2012

その平島邦生さんから、お知らせがあった。

それが「一人芝居」の公演で、二つながら縁のあるものだった。

平島さんの紹介文を掲載してみます。

本日は二つの芝居公演のお知らせです。

芝居はいずれも「一人芝居」で

8月30日(木) 「神々の謠」。

31日(金) 「風の丘を越えて」です。

「神々の謠」は「アイヌ神謠集」を土台にして、知里幸恵の生涯を物語るものです。

舞香という若い女性が、自ら作・演出をし、役者としても、

二時間を超える舞台を一人でこなしています。

わたしは三年前から始まった道内公演をすべて見ているのですが、

毎回感動を新たにしています。

今年は、「ヤイユーカラの森」の創立20周年記念として

札幌公演が実現することになりました。

ちなみに、「ヤイユーカラの森」は山本多助さんの「アイヌ民族学会」が前身です。

風の丘を越えて」は、日本では韓国映画ブームの火付け役となった作品で

パンソリ」の修業をしながら各地を放浪した父姉弟

(血の繋がりはない)の物語です。

今回は一人芝居なので、」主演の趙博(チョウ・バク)が三人を演じますが、

シンガーソングライターでもある、彼のパンソリを聞けるのも楽しみです。

以上二つの芝居公演は、エルプラザホール(北3条西4)で行われます。

当日清算券がまほろば店内にあります。

『倭詩/やまとごころ』の「終わりの滴、始まりの滴」の中で、登場する知里幸恵さん。

その語りと、また私に韓国音楽の認識を深めさせた映画「西便制(風の丘を越えて」の

一人芝居が両日にわたってあります。

当時、このビデオを購入したほど、韓国民族音楽のパンソリの凄味と、

大道芸人の厳しさに感銘したのでした。

是非、ご覧になって下さい。感動されると思います。

人の縁 1、

日曜日, 8月 26th, 2012

今回発刊になった拙書「倭詩/やまとうた」。

その編集作業の中で、困難なことの一つに写真の許諾手続きがあった。

問い合わせが全国50件以上もあり、その一つひとつがケースバイケースで異なり、

兎に角、途方も無く手間がかかった。

地場は、迅速に手早く出来るだろうと高を括っていた。

ところが、近間の許可に意外と手間取ったのだった。

それが、「銀の滴・・・・・・」の中に入れたいアイヌ言語研究家の故山本多助さんだった。

色々なアイヌの方々の伝を頼ったのだが、一向に埒が明かない。

無論、ご子息にも連絡を取ったのだが、・・・・・。

半ば、諦めかけていた時、詩吟の会が開かれた。

その中の一人に、新人の老紳士が出演されていた。

当日プログラムの表紙、松前城を写した写真家ということであった。

後日、多助翁の本「イタク カシカムイ(言葉の霊)」を、何気なく取り出して、

後の頁を見ると、写真が「平島邦生」とあった。

その時、ハッとしてあの新人さんも同姓同名だったことに気付いた。

もしかして、と、先生に確かめたのだった。

「何ということか!」との思いで、平島さんに電話すると、正にご本人であった。

アイヌ文化に関する写真をライフワークとして、

ことに山本多助翁の写真の多くは、平島氏の手によるものだった。

それにより、翁の写真掲載は漸く人を介して、かように許可になったのだ。

その不思議さに、私はこの本に特別な思い入れを一層抱くようになった。

名盤「アンサンブル」 TaekoOnuki

火曜日, 8月 21st, 2012

 

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「旋律ではなくハーモニーピッチという考え方。

リズムではなくプルセーションという考え方。

新しいポリフォニーを試みる最初のデッサン」

これは、武満徹の「地平線のドーリア」のライナーノート。

これを聴いて読んだのが17歳のころだった。

秋山邦晴さんの解説には、こう書いてあった。

「つまり、旋律に代わるものとしての音色の動きによる要素。

リズムというよりは鼓動や脈拍と結びついたような展開の構造を試みた訳である。

ノン・ビブラートで奏される各音色の響きと

そこに打ち込まれるピチカートは、笙や鞨鼓を思わせる」

この試みが、武満トーンを決定付けるものだった。

立ち上がる笙の音群、時空を切り刻む鞨鼓。

音の流れ、天に向かう垂直志向は、

メロディは奏でる水平思考の西洋とは全く別世界のものだった。

(まほろば CD扱い)

10年くらい前だろうか、NHKFMのラジオで、

この「地平線のドーリア」を思わせる前奏が流れて、ハッとした。

その次に、これもノンビブラートの発声で唄が流れる。

題名は、「風花」。

無機的な無感情のような声質でありながら、

その底には、日本的ともいえるたゆとう叙情の河が流れていた。

その時、宮中歌会のような歌唱法、いわゆる記紀歌謡の古代の謡ぶりは、

実はこのような淡々としながら、深い情緒を湛えているのではなかろうか、

と、思い返したのだった。

その歌い手こそ、大貫妙子さんだった。

私にとって、全くの無名の新人で、この分野は甚だ不案内だったのだ。

しかも、その前奏曲は坂本龍一さんだった。

その辺りの前衛の書法については熟知し尽くしていることは記すまでもない。

大貫さんが言うには、この編曲を後日聴いて「いいじゃない、誰が書いたの?」

と、彼の中で自作の記憶が全く消えていたという。

私は演歌や民謡に代表されるようなユリとか、コブシの節回しが

いわゆる日本的情緒の主体と感じていたが、

そうでない一面があることに改めて気付かせて戴いた。

それはもう一つの潮流、催馬楽や雅楽の歌に代表される古代歌謡の世界である。

その意味で、大貫さんとの出会いは、私にとって大きな扉を開いてくれたのだ。

私としては、彼女の活動のほとんどを知らない。

 だが、その一片を伺えた12年前のアルバム「アンサンブル」から戸口を開き、

次々と、フランスやスペインの懐かしくも古き良きヨーロッパのかぐわしき香りまで、

届けてくれる、実に心の籠った贅沢な逸品なのだ。

10年間、聞き続けて、飽きるどころか、益々惹き付けて止まない音曲は、

古典音楽好きの私にとっては、奇跡なのである。

そんな深淵を讃えている名曲揃いのアルバムである。

(そう断定するほど、その他は無知であることを、お許し頂きたい)

そして、その系譜が、一昨年発表した芸森で録音した「UTAU」である。

おそらく後代、語り継がれるであろう彼女の音楽シーンは、

古代を現代に甦らせた巫女ではなかろうか、と。

お盆もそろそろ、「クロモンティーヌ」?

木曜日, 8月 16th, 2012

   ・・・・・・・お盆閑話・・・・・・・・・・・

 先日ご紹介しましたお客様が、フランスのクロモンティーヌのファンで、

大貫妙子さんの唄に、それを感じて(私も)、

若い頃から大貫さんのファンでもあったとか。

モバイルサイトも立ち上がったので、ご覧になって下さい。

http://www.possion-h.com/cle/(パリ日記)

また、youtubeで、下の数点が見られます。(先の方の推薦です)

http://www.youtube.com/watch?v=DRqgWc10WBo&feature=related

http://www.youtube.com/watch?v=u3B3bK5uTY4&feature=relmfu

https://mail.google.com/mail/?source=navclient-ff#inbox/138fbe1871d7aa4c

http://www.youtube.com/watch?v=sS43wOEAoto&feature=related

http://www.youtube.com/watch?v=p8-7ck1odZQ

http://www.youtube.com/watch?v=sS43wOEAoto&feature=related

また、他に次のものもご紹介して下さいました。

なかなかステキですね。

●  É Preciso Perdoar

é preciso perdoar – nossa alma canta
http://www.youtube.com/watch?v=FJMCkIZWfyA

João Gilberto – É Preciso Perdoar
http://www.youtube.com/watch?v=ao1mfwciJMA