まほろばblog

Archive for the ‘文化’ Category

醗酵とは情緒なり・・・・THD講演会

水曜日, 4月 4th, 2012

土日の31,1日、大阪と東京でTHDさん主催の講演会を無事終えました。

当日、寺田当主の都合で、婿さんの優専務さんが代役、見事に責を果たし、

24代も頼もしく、将来も安定ですね。

1時間の講演予定が、倍に急遽変更、ゆっくり唄も交えながら、お話しすることが出来ました。

日本の良さを、若い方々にお伝えしたいと思い、色々な角度から説いてみました。

醗酵王国は、心の醗酵文化でもあったのですね。

何時かまた、この内容をお伝えする機会があればと思います。

この日に用意した「へうげ味噌」や、新発売の「なごみしお麹」も、あっという間に完売。

今、へうげ味噌を5tを仕込んで、年間供給できるようにしました。

「なごみしお麹」もTHDさんでは、7月頃から再販されます。

お楽しみに。

馬酔木あせび

土曜日, 3月 17th, 2012

まほろばは花卉も扱っている。

お花や鉢物など、・・・・春の苗木時には、玄関前が、

パッと花咲いたように輝く。まるで浄土の園にいるような感じだ。

先日、「あせび」の鉢が入荷した。

そのすずらんが連立したような可憐な感じが、何とも良かった。

「馬酔木」と書く「あせび」と謂えば、さだまさしの『まほろば』が思い起こされる。

馬酔木(あせび)の森の馬酔木(まよいぎ)に
   たずねたずねた 帰り道

牛馬がこの花を食べれば、毒性成分で酔ったようになることで、馬酔木の字が当てられたという。

若き男女の恋の迷いと、散策する奈良・春日野の森が響き合っています。

アセビ馬酔木)を調べると 多くの草食ほ乳類は食べるのを避け、食べ残される。

そのため、草食動物の多い地域では、この木が目立って多くなることがある。

たとえば、奈良公園では、鹿が他の木を食べ、この木を食べないため、アセビが相対的に多くなっている。

食物は、自ら動けないので、自分の身を守るために毒ガスなどを出す。

これを自然(漢方)農薬とも謂うが、虫や動物を避けて生き延びるための培われた智慧だ。

 可憐さゆえの、健気な防御本能だ。

この鉢には、「屋久島あせび」とあり、一層いとおしく感じた。

   寝ぐらを捜して鳴く鹿の
   後を追う黒い鳥鐘の声ひとつ
   馬酔の枝に引き結ぶ
   行方知れずの懸想文(けそうぶみ)

工藤さん作陶展

木曜日, 3月 15th, 2012

先日、三越のデパートに寄ったとき、たまたま催し会場で、

「工藤和彦展」が開かれていた。

久し振りの再会で、本店に飾ってある絵の作者・上杉さんの

障害者施設で、お世話や陶芸を教えていたりする好青年だ。

その工藤君が、全国的にもメキメキ頭角を現して、

あの料理研究家の「栗原はるみ大賞」を受賞したり、

裏千家の雑誌「淡交」の裏表紙を飾って宣伝せられたりと、

中央でも評価が上がっている。

使い勝手がよく、軽く、しかもリーズナブルさが好まれる所以でもあろう。

時間がありましたら、覗いてみて下さい。

ごあいさつ

私は北海道の広い大地と豊かな自然の中で、

のびのびと創作に励んでいます。

私の創作には、北海道の地元の粘土を使用しています。

この粘土は、4万年の歳月をかけて日本海を超えて

北海道北部に堆積した「黄砂」からなるものです。

粘土の年代を測定すると、2億年前のものだそうです。

恐竜がいた白亜紀に地表にあったものです。

このダイナミックな地球の息吹を大切にして、

作品に出来ればと、日々精進しております。

末永くご愛用いただければと幸いと存じます。

 工藤 和彦

工藤君のHP、ブログがあります。

 

「工藤和彦作陶展」

3月13日~19日

三越ギャラリー 本館9階

伽耶琴、玄琴への憧れ

水曜日, 3月 14th, 2012

先日、古琴研究家の山寺ご夫妻とお会いした時、
「コムンゴ(玄琴)を習いたい」という話しが俄かに出た。
ご主人の三知先生と私なのだが、共通して韓国の古典楽器「コムンゴ(玄琴)」に想いを寄せていた。
私も、この男性的な力強さと女性的な余韻を兼ね備え、打楽器的な奏法を持ったこの弦楽器は、
「まあ、来世生まれ変わったならやってみようかな」と、思っているほどだ。
たまたま若い女子の奏でる伽耶琴と玄琴、そしてパンソリの古典曲が出ているで、ご紹介する。
韓流ドラマに、はまってしまう由も理解出来るような気がしませんか。

イタリアの魚醤『コラトゥーラ』

水曜日, 3月 14th, 2012

先日、ホテルであるイタリア物産商のシチリア料理の講習会が開かれた。

40歳になるP・ダゴスティーノ氏は欧州各地の8件の5星レストランを回って修行。

今、シチリア島でレストランをオープンして現在に至っている。

当日、道内の若手シェフ達が、本場の技と味を習得しようと熱心に集まった。

講習の席上、これはと唸ったのは、イタリアの魚醤「コラトゥーラ」だ。

日本のしょつるや東南アジアのナンプラー等々、魚の醤油である。

大豆などの穀類の醤油に比して、発祥が早いはずだ。

魚の粗なんかを塩水のまま放っていたら、芳香と共に旨味発見!!で定着。

クサヤなんかは、その最たるものだろう。

そんなイタリアも海に囲まれて海産物が豊富、当然同じ食物の知恵が生れた。

サバ、マグロ、カツオなどのが「ガルム」で、いわしが「コラトゥーラ」だ。

あのアンチョビの副産物が、コラトゥーラでもある。

そのコク、その旨味と言ったら、滅法スゴイ!!

感動しました。

「パリストレーリ  コラトゥーラ・ディ・アリーチ」100ml瓶 ¥1.836

■コラトゥーラの製造方法
琉珀色のコラトゥーラはアンチョビの塩漬けの製造過程から得られるもので、バリストレーリ・
ジローラモ杜の製造方法も古くから漁師の家に代々受け継がれてきたものです。水揚げしたカ
タクチイワシをその日のうちに手作業で頭と内臓を取って塩漬けにし、何層にもなるように丁
寧に並べます。イワシに最もよく味がのっている5月に仕込みを始めます。
木製のふたをして、海の重石を置き熟成させますが、最初の48時間は重石を一番重たくし、時
間が経つにつれ重石を軽くしていきます。
重石をのせられ熟成させたカタクチイワシからは徐々にエキスが出てきます。この液体の上澄
みだけを集めたものがコラトゥーラとなります。

「ケッパー塩漬け」70g ¥333

イタリア料理には欠かせない食材、ケッパーの塩漬けです。

塩抜きにしてサラダに合わせたり、パスタのアクセントとしてお使い下さい。

トマトのソースと合わせるのがおすすめです。

この「コラトゥーラ」と「ケッパー」、

そして後に紹介する「ドライトマトのオリーブ漬け」と「ジュノベーゼ・ペースト」を使って、

実際に、パスタに味付けしたら、

忽ちに家庭料理が三星くらいになっちゃうというスゴ物!!

何故か、イタリアレストランの秘密が分かっちゃたという困り者でもあります。

突如、家庭に名シェフ登場!!である。

是非、これを友に、腕を振るって下さい。

「モルシ・ディ・ルーチェ」500ml ¥2664

アフリカとシチリアの中心に位置するパンテッレリーア島で栽培された

ズィビッボを、フローリオ社で醸造、瓶詰めしたデザートワイン。

あのマスカット・アレキサンドリアをワインにした贅沢さ。その甘美は尋常ではない。

スウィーツ作りにも最高の一助となろう。

108歳の女流ピアニスト

日曜日, 3月 4th, 2012

 

ある方(白いグランドピアノさん)のブログのシェアです。
108歳になる奇跡の女流ピアニストのお話です。

今年108歳になるアリス・ソマーさんは、今でも生存している元ユダヤ人強制収容所の囚人の中で
最長齢であり、しかもピアニストとしても最長齢だそうです。

長生きの秘訣は?との問いに、「楽観的な性格」だと述べています。

プラハに住んでいたアリスの一家は、ユダヤ人の強制収容が始まってから、
当初2年間はプラハのゲットーで過ごし、
その後チェコに作られたテレージエンシュタットという収容所に送られたそうです。
この収容所は、ナチスが諸外国に対して
「収容所は快適であり、中にいるユダヤ人は幸せに暮らしている」と見せるための、
いわゆる「やらせ収容所」的な場所だったそうで、
文化・教養があり、社会的に高い地位にあったユダヤ人が多く送られたといいます。

アリスはその収容所内に作られた楽団に入ったそうです。
そこでは暗譜でショパンのエチュード24曲を演奏したこともあったといいます。

楽団がある、と聞くとなんだか優遇されているように思うかもしれませんが、
実際には他の収容所と同様に生活は過酷で、毎日が飢えとの戦いでした。

彼女はこう語っています。
「食事はほとんど与えられませんでした。体重はすっかり落ちました。
周りで餓死する人が絶えない中、捨てられたジャガイモの皮を拾って飢えをしのぎました。
そんな状態でどうやって音楽なんか演奏できたの?と聞かれます。とにかく体力が弱っていましたから。でも音楽は特別で、魔法をかける力があったのです。私にとって音楽は食べ物でした。」

彼女の他にもこの収容所のオーケストラには優秀なチェリスト、バイオリニスト、
指揮者、作曲家などがいたといいますが、彼らにとっても音楽は食べ物だったのかもしれません。

アリスには6歳になる息子がいましたが、赤十字が視察にきたときに、
視察団の前で歌を歌わされたといいます。
視察の直前に、建物の外壁を塗り直したり、公園を作ったりと、
ナチスは収容所の悪環境がバレないようにいろいろと工作したようで、
子供の歌もその一環だった模様です。
ただ、実際にはこの収容所に来た1万5千人の子供のうち、
生き残ったのはたったの130人しかいなかったほどの過酷な環境だったのですが・・・・

アリスの夫は有名なバイオリニストでしたが、アウシュビッツへ送られ、
その後別の収容所で死亡しています。母親もやはり収容所で死亡しています。

ひどい目にあって母や夫まで殺された彼女ですが、ナチスを憎むことは一切ない、と言います。
憎しみの感情は、憎まれる対象ではなく、憎しみを抱く方の魂を蝕むからだと。

長生きの秘訣は、このあたりにあるのかもしれません。
・・・・・・・・

三友さんのチーズ

土曜日, 2月 25th, 2012

以前から、小泉先生に、中標津の三友さんのチーズの素晴らしさを聞かされていた。

縁というものは、なかなかつかないもので、先日来店の際、

再びおっしゃったので、ようやく取り寄せてみた。

→毎日新聞・味覚人飛行物体「美味巡礼の旅」より抜粋

『・・・アルプスの山岳チーズをモデルにした 硬質タイプの「山のチーズ」は、本場の香味をも 凌ぐものとして今や伝説的なチーズになっている。
この硬質チーズの色は神秘的で、白みがかった 琥珀色の中に薄く鶯色を帯びてそれを切って 口の中に入れて噛むと、チーズからとても濃厚な うま味がトロリと溶け出してきて、上品なコク味とマイルド感があり、絶妙なのである・・・』

一片、口に運ぶと、珠玉の味わいが拡がり、事務所のみんなで唸った。

山のチーズは中々のもので、18ヶ月は絶品。

ことにダブルクリームチーズには参った。

夏の青草のみを食べた乳を使うので、製造は夏のみで、あるとか。

そして一人奥様の手による、純一な透明感に、清冽な志を感じる。

大きくせず、一人身の丈を全うするその気概に打たれた。

だから、卸は出来ない、と断られた言に、気持ちよく肯いた。

是非、皆さんも、お一人でお取り寄せ下さい。

期待を裏切る事はないでしょう。

http://www.goto-chi.com/seisansya/mitomo.htm

http://mitomo-cheese.com/

清新な書

木曜日, 2月 23rd, 2012

「平清盛」が始まった頃、誰がこの題字を書いたのだろうか。

女流で聞いたことがないなー、と思っていた所、今朝の道新であの方かと感心した。

以前、ドキュメントで翔子さんを拝見した事があり、お母さんの泰子さんが、

江戸時代から四代続く書家、謹厳な楷書を専門とされる故柳田泰雲師のお弟子さんであった。

そのお子様・翔子さんにも、みっちりと基本の基本を叩き込んだのだろうと思う。

平の縦に屹立して浮かび上がり、横にひっさく一線が印象的だ。

清も同じように、横一文字が平と重なって抜くところが、少し気になるところだ。

盛は、まるで王羲之の「蘭亭之序」の生き写しのようで、

若い女の子にして、既に風格あって、よく練られているな、と感心。

ご病気を克服というより、生来持っていらした才能の華が

固い土壌の伸び難きを押して芽が出て来たという感じで、

その生き生きした逞しさは、常人の及ぶところではない。

まだ20代、これから益々精進され、誰もが到達し得なかった

境地の書を書かれることを望むや、切なり。

「東の光」続々と

火曜日, 2月 14th, 2012

農園を手伝っていて下さった竹縄さんが

畢生の句集「東の光」を編んでから11年の歳月が流れた。

その後、毎年溢れる珠玉の俳句は付録Ⅰ、Ⅱ、Ⅲと増刷され、

さらに昨年紡がれた句付きの帯が巻かれ、

今年、友の画をカードとして新作が綴られている。

汲めど尽きせぬ詩情は、生涯涸れる事がないのでしょう。

 

           (句集「東の光」 ¥1.500 まほろば取り扱い)

 

   「東 雲」    竹縄 律子

戻らざるチェルノブイリや十月耒

眼鏡拭き言葉失ふ秋の道

福島の次世代如何に秋曇る(2011.10.15)

 

終の地を離るものかは秋の風

時すでに世界の俳句秋の空

日溜まりに裏返す服ほどく秋

はなむしとせせこましきやあきのそら

薪ためて嫌ひて戻らぬ女道

さばさばとしてぱぱもよき冬仕度

芸術の秋や終活すすむ足

秋深く世界の変はる時を待つ

阿波の三代目同志の帯の夏

一巻は第二芸術ならず 夏

故郷の夏「交差点」出す友のゐて

ばば虎が天女と言えず喉仏

もう本に使えぬ暮らし大根買ふ

日を背に縄の目締めて懸大根

猿のごと素足で枝切る秋日中

疲れただ動いてとる秋ワインのむ

松手入れして緑濃く秋日受く

まことのほか俳諧なし筆納め(2011.10.31)

背骨なきTPP論毛糸編む

食の変代謝を乱す震災忌

編むしごと待つあそびして根雪前

日は少し長くなりつつ十二月

俳諧に四道を通す雪の街

ローカルの礎揺るがぬ雪の街

年の内世界に価値を問ふかぎり(2011.12.6)

 

呼吸浅き師走の饒舌みな流す

通過地に戻ることなき雪の道

極月の天女の服で平和待つ

団欒のノート新たに年の内

熊楠の棟の花に逢ひにけり

ブータンの空青く澄み換気閉づ

会寧に送る一心春を待つ

姑よりの雪の結晶ペンダント

明け際の夫の笑顔や冬至耒る

花は夫実は人類に大掃除(2011.12.24)

手作りの道をすすめる初句会

みな病めば涸れたる泪豪雪期

想像のたよりなき山一月尽

生かし合ふ二月の陽差し待つ校正

廻し読む顔と手と足日脚伸ぶ(2012.131)

 

初句会のうしの正夢師を離る

名のままに自立の叶ふ神の旅

「まほろば」の油の進化麻になる

護摩焚きの寺いっぱいの節分会

産直の荷に積む一書震災忌

眠る山豆乳パーティみそ作り(2012.2.5)

韓国からお客様

月曜日, 2月 13th, 2012

㈱木曽路物産の鹿野社長が、韓国から旧友をお連れしてのまほろば訪問。

昨夜は、雪祭りの最終日。

「冬のソナタ」を思わずにはいられない、ロマンチックな札幌ビール園での雪景色。

底冷えする厳しい寒さが、一層美しい景色を演出する。

北海道人としても、なかなか見れない光景であった。

鹿野社長とは25年来の韓国のお友達で、慶尚北道柔道会の李相胎副会長は、

大学の先生でもあり、サプリメントでは第一人者で、漢方に造詣が深い。

生薬会社の金善益代表は、チベット・モンゴル・韓国に亙る漢方・健康食品の原料から

製品まで熟知して、知らない事はない。

鹿野社長とは、松茸の交易で、長い交友関係が続いている。

今後、このご縁で、また世界が広がるのであろう。

日韓の歴史の事、文化のこと、映画、音楽、食の事など・・・・

共通し共感する所が多く、一遍に心が開かれ、打ち解けあう。

反日反韓でわだかまる中、真の友達でいることの幸い。

これから、両国の架け橋としてお手伝い出来ればと思っている。

朝から、経理部長の斉藤秀子さんによる韓国語講座を開いて、にわか仕込み。

アンニョンハセヨ(こんにちは)、アンニョンヒカセヨ(さようなら)、そして、

トマンナヨ(また会いましょう)をみんなで頭に入れる。

しかし、泊まるなよ(?)がまた会いましょう、とは面白い。

顔を会わせるなり、言葉が飛んでしまっている。

でも、一言の言葉が、両国の心を開いて、親しくさせる。

どんなにか、笑顔に笑顔が増えた事だろうか。

今日の主役は斉藤さん、日頃の韓国語勉強(今はフランス語だけど)役に立ったね。

「積極歓迎」の垂れ幕も、直前にみんなして調べて書いて垂れ下げた俄か作り。

でも、そんなみんなの心が、通じたのか、とても楽しい友好が出来た。

ありがとうございます、このご縁、そしてみんなの協力。

3月、韓国行きがあるかもしれません。