まほろばblog

Archive for the ‘訪問者’ Category

名盤「アンサンブル」 TaekoOnuki

火曜日, 8月 21st, 2012

 

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「旋律ではなくハーモニーピッチという考え方。

リズムではなくプルセーションという考え方。

新しいポリフォニーを試みる最初のデッサン」

これは、武満徹の「地平線のドーリア」のライナーノート。

これを聴いて読んだのが17歳のころだった。

秋山邦晴さんの解説には、こう書いてあった。

「つまり、旋律に代わるものとしての音色の動きによる要素。

リズムというよりは鼓動や脈拍と結びついたような展開の構造を試みた訳である。

ノン・ビブラートで奏される各音色の響きと

そこに打ち込まれるピチカートは、笙や鞨鼓を思わせる」

この試みが、武満トーンを決定付けるものだった。

立ち上がる笙の音群、時空を切り刻む鞨鼓。

音の流れ、天に向かう垂直志向は、

メロディは奏でる水平思考の西洋とは全く別世界のものだった。

(まほろば CD扱い)

10年くらい前だろうか、NHKFMのラジオで、

この「地平線のドーリア」を思わせる前奏が流れて、ハッとした。

その次に、これもノンビブラートの発声で唄が流れる。

題名は、「風花」。

無機的な無感情のような声質でありながら、

その底には、日本的ともいえるたゆとう叙情の河が流れていた。

その時、宮中歌会のような歌唱法、いわゆる記紀歌謡の古代の謡ぶりは、

実はこのような淡々としながら、深い情緒を湛えているのではなかろうか、

と、思い返したのだった。

その歌い手こそ、大貫妙子さんだった。

私にとって、全くの無名の新人で、この分野は甚だ不案内だったのだ。

しかも、その前奏曲は坂本龍一さんだった。

その辺りの前衛の書法については熟知し尽くしていることは記すまでもない。

大貫さんが言うには、この編曲を後日聴いて「いいじゃない、誰が書いたの?」

と、彼の中で自作の記憶が全く消えていたという。

私は演歌や民謡に代表されるようなユリとか、コブシの節回しが

いわゆる日本的情緒の主体と感じていたが、

そうでない一面があることに改めて気付かせて戴いた。

それはもう一つの潮流、催馬楽や雅楽の歌に代表される古代歌謡の世界である。

その意味で、大貫さんとの出会いは、私にとって大きな扉を開いてくれたのだ。

私としては、彼女の活動のほとんどを知らない。

 だが、その一片を伺えた12年前のアルバム「アンサンブル」から戸口を開き、

次々と、フランスやスペインの懐かしくも古き良きヨーロッパのかぐわしき香りまで、

届けてくれる、実に心の籠った贅沢な逸品なのだ。

10年間、聞き続けて、飽きるどころか、益々惹き付けて止まない音曲は、

古典音楽好きの私にとっては、奇跡なのである。

そんな深淵を讃えている名曲揃いのアルバムである。

(そう断定するほど、その他は無知であることを、お許し頂きたい)

そして、その系譜が、一昨年発表した芸森で録音した「UTAU」である。

おそらく後代、語り継がれるであろう彼女の音楽シーンは、

古代を現代に甦らせた巫女ではなかろうか、と。

モンゴル塩の故郷、ジランタイから

土曜日, 8月 11th, 2012

 

昨日の10日、モンゴル塩の故郷、内モンゴルの吉蘭泰(ジランタイ)から、

『蘭泰実業』社長はじめ幹部の方々が、木曽路物産のトヤさんの案内で、

北海道見学、まほろば視察にいらっしゃった。

はるか遠くの日本の涯で、自分達の産出した塩が、このように使われているのか、

という感激の面持ちで、店内を見回られた。

食されたソフトクリームやパンにも使用され、一層日本が近しく思われたことでしょう。

創業60年、木曾路さんとは15年のお付き合い。

10万tのほとんどが国内需要で、残りが日本と外モンゴル向けという。

意外にも、世界には行き渡っていなかった貴重なものなのだ。

最後に、2階の講話室をお貸ししている橋本東峰先生主催の「詩吟教室」を見学。

歓迎の合吟で、みなさまをお出迎え。

何というベストチャンス。

漢詩が、異国の日本でこのようにして歌われていたのか、と驚きの面持ち。

終えた後、感激のメッセージ。心は届いた模様。

これからも、文化に物に、交流を深めて、友好を図ってゆきたい。

 

唐 王之渙
    「  登 鸛 雀 樓 」


白日依山盡,
黄河入海流。
欲窮千里目,
更上一層樓。

******

鸛雀樓に 登る

                       
白日  山に依りて 盡き,
黄河  海に入りて 流る。
千里の目を  窮めんと 欲して,
更に上
(のぼ)る  一層の樓。

キッズ・シェフ報告

火曜日, 8月 7th, 2012
先日、8/1西区の「キッズシェフ」での
小別沢まほろば農園のご報告、
西区の地域振興課の西岡係長が
番組で報告しておりますので、
Ustreamでぜひ、ご視聴ください。

http://www.ustream.tv/recorded/24391753

キッズシェフ、来園!

木曜日, 8月 2nd, 2012

 

昨日、雨の中、「キッズシェフ」の一行がまほろば農場に早朝から来園。

札幌市職員やSTV取材班の方々も同行。

20組ほどの親子連れで、外で収穫のはずが雨のため、

ハウスのミニトマト、きゅうり、岡海苔、ささげなど採り放題で、みんな夢中!!!

色々な質問が飛び交い、洋子農場長も楽しく対応。

詳しくは、明日発行の「農園たより」をご覧下さい。

この後、井出ラッキョウさんが待つ、スープカレー作りに行きました。

去年に引き続いての企画。

市民のお役に立てて嬉しく思います。

夕方、STVの「どさんこワイド」でも紹介されました。

ボランティアの皆様、ありがとうございます!!!

日曜日, 7月 15th, 2012

                                  (仏画の国井さん)

まほろば自然農園の繁忙さは、夏の暑さに向かい、

いよいよ本格化、福田チーフに言わせると、「熊の手」も借りたいほどです。

ご存知のように、連続赤字農園を継続するには昨年で限界に達していました。

これ以上人件費を経営的に投入することが出来ず、今年から極少体制でやっています。

その困難さを聞きつけてか、ありがたいことにボランティアの方々が少なからず、

名乗りを上げて、お手伝いに来て頂いております。

ありがたいことです。

土日祭日には、例年の佐々木さん、桶谷さんが遠くより

早朝から助っ人にいらしてくださっています。

また店の常連さんの斉藤さんは、子供さんを学校に送りに行った後、

東京から転居された榊原さんも毎朝のように、手伝って戴いております。

また、エッセイーを書かれている土井さんや、仏画作家の国井さんも、

ご都合に合わせて、遠路はるばる初めての農作業に精をだして戴いています。

その様子が、今月の「まほろば農園便り」に書かれていますのでご覧になって下さい。

http://www.mahoroba-jp.net/farm/tayori/nouendayori201207.html(まほろば農園たより7月号)

そして今朝は、大貫妙子さんが早朝から、ホーレンソウや大根の雑草抜きをして下さいました。

毎年、秋田の水田で除草作業をしているので、その手際の見事さには、ビックリしました。

また、ニューヨークで極真空手(誠道塾)を習っていたので、腰がビッシと決まって

安定してブレがないんですね。

ご自分でも、田圃の草取りに比べて、楽々とおっしゃっていました。

作曲や演奏活動に響かないですか、と問うと、今は充電期間なんだそうです。

そのお言葉に甘えまして、時間のある時は、お願いしたいと思っています。

とにかく、草取りの間、いろんなお話が聞けて、最高に楽しい時間でした。

音楽のこと、人生のこと、もろもろ・・・・・・・・・・

どうして、浮き沈みの激しい音楽業界の中で、生き残ったかは、

やはり、売ること売れることではなく、真実を求めたい、真実を表現したい、

との一心だったからではないでしょうか。

あっつ、そうそう、こんなことバラしていいのかな、でも公言しているということで・・・・・

坂本龍一さんに、この世の中で一番怖い人は?と聞くと、すかさず、

「大貫さん!!」と答えられるそうです。

世界の教授から、怖がられている方だったんですね。

それは、妥協を許さず、道を厳しく求められているその姿に、

誰もが襟を正されるからだと思います。

大貫妙子さん、まほろばへ

土曜日, 7月 14th, 2012

あの大貫妙子さんが、昨日まほろばにいらっしゃいました。

http://onukitaeko.jp/

これで、じつは二回目なのですが、不思議なご縁で繋がったんですね。

(詳しい経緯は、これからぼちぼちお話しします)

彼女は、秋田でお米を作っているほど、農業が大好き。

何か土に触れている時が、一番平安で幸せで、何物にも代え難いそうです。

そんな大貫さんですから、前からまほろば農園を訪ねたくて、

昨日、とうとうお越しになられました。

私も、以前から彼女の隠れファンで(これも、後ほどお話しますね)、感激でした。

彼女も、札幌が大のお気に入りで、特にここの山間部を気に入って下さったみたいです。

ここは都会の中の桃源郷で、丁度彼女の歌のように、

洒落たパリの街角の洗練されたセンスと田舎の古朴な味わいが、

絶妙にマッチしたステキな時空が、札幌の街には流れているんですね。

ちょと農園の野菜を差し上げたら、それこそ大喜びで、少女のようにはしゃいで、

朝のお味噌汁(「へうげ味噌、美味しい!」って言って下さいましたよ)に入れたり、

サラダにして食べたりで、本当の一汁一菜が何よりの好物なんですね。

共感するところが沢山あって、とても一回では語り尽くせないですね。

農園にも、援農ボランティアで来て下さるということで、嬉しくなりました。

人手不足で、とてもありがたいナァーと、感謝です。

まほろば農園で、ミニコンサートが開けたら、どんなにかいいでしょう。

でも、これは夢の中にしまっておきましょう。

大貫さん、またおこし下さいね。


(ライブ +坂本龍一さん 『色彩都市』)

連日訪問の賑わい

土曜日, 6月 30th, 2012

昨日は、講演会のために來札されている五日市剛さんを、

設計士の遠山女史が案内し来店されました。

短い時間でしたが、つもるお話しをして楽しい一時をすごしました。

新刊「感謝するとうまくいくのか」にも書いてありましたが、

運勢でいう天中殺は、極力慎しんで過ごすべきことを語られていた。

新しいことをせず、修養することの大切さが大難を小難に変えるコツなのでしょう。

12年に一度、2年間訪れるということ、それぞれに調べられて試してみましょう。

今朝は、内モンゴルから「博源集団」の若い幹部一行が来店されました。

木曽路物産のモンゴルのトヤさんが案内。

塩やかん水などを扱っている年商何千億という大企業で、スケールが違います。

モンゴルと日本は遺伝子学的にも、極めて近い関係にあり、真の友好が結べるでしょう。

これからも、末永く手を繋いで行きたいと思います。

マクロの生ける証人、田中愛子先生!

金曜日, 6月 29th, 2012

野幌の彫刻家・原田ミドーさんの奥様ちほさん【手づくり工房ラタ】が主催されている

マクロの料理教室が15年も続き、その記念に田中愛子先生をお招きされました。

今年88歳になられる愛子先生は、もう70年もマクロ一筋に歩んで来られました。

十代の頃、桜沢先生のお宅で内弟子として学ばれたということで、まさに生き証人ですね。

見るからに、しなやかでエレガントでいらっしゃる先生の立ち振る舞いに感銘を受けるものです。

マクロビオテックというこだわりを感じさせない柔く自由な感性と応対にみなさん惹きつけられるのでしょう。

桜沢先生ご存命の頃の生徒さんは、もう数えるしか日本には、いらっしゃらないのでしょう。

一筋に生きる人間の美しさを身近に見る思いで、大変貴重な出会いのひと時を頂きました。

ありがとうございました。

家内は昔からお会いしていたようですが、

私が先生と初めてお会いしたのは、4年ほど前、森下自然医学主催の東京の講演会の控え室でした。

その頃より、ますますお若くなって、ビックリしましたが、理由を聞くと、

「北海道の爽やかな気と、若いみなさんからのエネルギーを受けたからですよ」

と謙虚に、語られるその温かくも明るい表情に、こちらが嬉しくなって来ます。

何でも、自然医学誌の「北の空から(倭詩)」を愛読されて、その著者が札幌にいるので、

是非会いたいと原田さんとお越しになったそうです。

でも、私を見て、「こんなにヒゲの長い白髪のおじいさんかと思っていたが、若いのでビックリ」

と驚かれていました。

でも還暦を過ぎていますから、やはりお年寄りに入っていますよ。

そんなこんなで、短い時間でしたが、スタッフのみんなにもお声をかけて頂き、

ここは、いのちのメッカですよ、と言っていただき、皆一同感激に咽びました。

また、来年もまた是非お越し頂き、ご指導頂けますようお願い申し上げます。

また、三笠書房から出ております田中先生の自著、

『免疫力を上げる』がまほろばに届きましたので、

ご興味のお有りの方は、手にとってご覧下さいませ。


『免疫力を上げる』一生モノの「食べ物・食べ方」

田中愛子著 ¥1300+税

草場・中野さん来店

日曜日, 5月 13th, 2012

午後、Lプラザでレラさんの会が終了後、イデアワークスの酒井さんが、

陶彩画家の草場一壽さんと京都ホリステック研究所の中野真澄代表をお連れした。

草場さんは、佐賀在住で、古代日本の韓国との繋がりに詳しく、意気投合。

かつて北九州や山口・島根地方は、向かいの伽耶や百済と同じ地域で、

風俗習慣言語が共通し、互いに往来していた。

そこは、古代日韓の謎を解く鍵が詰まっている。

草場さんのような方が、そのロマンとミステリーを解く重要人物ではなかろうか。

中野女史は、アーユルベェーダーやチベット中医学、ホリステック医学の

指導やサロンを主宰し、内面からの美を追求されておられる。

お二人とも、度々来札されるとのこと、きっと皆さんとの

良き関わりが出来ることと思います。

http://manai.co.jp/ (今心工房)

http://apaiser-ads.com/main.html (Apaiser)

むそう商事ご一家、来訪

日曜日, 5月 6th, 2012

ムソーさんの貿易部門「むそう商事」の岡田会長ご一家が、

泰典取締役と共に、4日(金)、北海道旅行のついで、

ひょっこりお越しになられた。

ムソーさんのオーガニック商品は、商事さんに負うところが多く、

売り出しの際には、何時も多くのご賛助を頂き、

この場を借りて厚く御礼申し上げます。

商事さんの御蔭で、国内のオーガニックの普及率、認知度が、

格段に上がったことは周知のところ、感謝し尽くされません。

例えば、毎日ご好評を頂いているまほろばのパンの主力小麦粉は、

カナダのオーガニック粉で、この安全性、弾力性、旨みは他にないものです。

つまり、むそう商事さんの存在なくして、まほろばのパンは存在しないのです。

ありがたいことだと思います。

そして、大阪在住の岡田雄公会長は、まほろば専務と同い年で、

故岡田周三会長宅で開かれる故・櫻澤如一先生の講義に参加していた

家内共々まだ高校生で、互いに十代の多感な時をマクロで過ごしたんですね。

そんな岡田家との浅からぬご縁は、もう50年以上も続いている訳です。

これからも、末永くご指導賜りたいと存じます。