土の力
火曜日, 10月 27th, 2020また、突然に、「発酵仮面」はやって来られた。
発酵学博士の小泉武夫先生です。
東京にまで持ち帰って食べられたあのトマトが余りにも美味しかったので、また来てみた、とおっしゃられる。
興奮気味に、
「本当に美味しかった。ミネラルの力。スゴイ!!」と。
そこで、出荷してない援農の方のために一列だけ作った中玉トマトのハウスにご案内した。
「どうぞ、赤いのすべて取ってください」
「ウふぉー、恍惚、恍惚……!!」
と、子供のようにはしゃぎ、嬉しさを隠しきれずに無我夢中に、トマトをお取りになる姿を垣間見て、
無邪気な無心が先生の原動力なんだなー、と逆に感銘して、こちらが嬉しくなった。
「今日は、収穫祭だね。
これは土の力。醤油粕などの、有機ミネラルの働きで、これほど力のある美味しいものが出来る。
カルシウムやマグネシウムなど、投与しても吸収されないんだ。
そこには有機酸が必要で有機ミネラルでなければ吸収できない。
微生物により、有機物が有機酸に変化し、初めて無機のミネラルが結合して有機ミネラルになり、植物がこれで初めて吸収出来るんだ。
あの水俣病も、単なる水銀だけだったら飲んでも体外に排出されるが、
それが有機物と結合されて吸収されたから、あのような事故になった。
醤油粕のように、大豆や麦のタンパク質が、塩のミネラルと結合して、人間に吸収され易くなる。
それを肥料に使っているから美味しくなるんだヨ。」
(なるほど、合点!!)
丁度、採り立ての白菜、大根などもあって、お持ちいただきました。
先生の満面の笑顔を見て、こちらも幸せになりました。
ところが、夜になって、先生から電話がかかってきました。
「白菜をゆがいて、ポン酢で食べたら、その旨いこと、うまいこと……。
仁木には、季節にサクランボやブドウやリンゴ狩りに、観光バスで沢山来られる。どこでもやっている。
まほろば農園にも、みんなで美味しい野菜を食べに来られるように、報せなきゃならないヨ。
いやーこれは、これまで全国のものを食べて来て、日本一美味しい野菜だよ、ほんとに…。
土の力、味が凄い。これを報せなきゃ」
と、本当に我がことのように、農園や私たちのことを思って下さる先生の熱き想いとお心に、
家内と共に感激して、ありがたくその意を頂戴しました。
長年の努力が、こう評価して頂き、報われたように思いました。
みなさまが、お気軽に来られますよう工夫し、これを糧に、また野菜作りに頑張ろうと思いました。
ありがとうございました。