昨日は、札幌市教育文化会館で、新しい能舞台を設え、
北海道に因んだアイヌとの関わりを織り込んだ新作能「沙院」の発表がありました。
北海道とは馴染みの深い観世流シテ方、永島忠侈師の自作自演でした。
その案内をご紹介します。
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この度、能楽観世流シテ方、私こと永島忠侈は、
初めて北海道を題材にした新作能「沙院」(仮題)を書き上げ、
来る11月7日(水)、札幌市教育文化会館で私が会主をつとめる
「能の会」主催でお披露目いたす運びとなりました。
現行曲約200曲の能には、北は青森県までございますが、
北海道を舞台にした能は残念ながらございません。
いつか北海道を舞台にした新作能を作り上げたいと、考えておりました。
新作は江戸時代の北海道の歴史をひもとき、能特有の世界で表現したものです。
また、北海道の地で、初演できますことも喜びでございます。
多くの皆様にお楽しみいただけたら幸いです。
(実際の円空仏)
これは、歴史上、記念すべきことで、ことにアイヌのシャクシャインを
題材に取り入れ、戦いに没した御霊を鎮魂する儀式として、
この上ない供養になったのではないかと感じ入りました。
アイヌと和人の友好友和の証として、今回の会はすこぶる意義あり、
と認識して、参加出来たことを光栄に思ったほどでした。
これが、幾百年の歴史の淘汰によって、
さらに後代に引き継がれますよう祈るばかりです。
同じく観劇にいらした、名寄の松本冬水さんは3年ぶりの再会でしょうか。
懐かしくも、お元気そうで何よりです。
写真は、彼が面打ちした「小面」の花だそうです。
永島師に見せますと、絶賛されたということです。
本当に、そう思います。
実際に拝見して、魂が乗り移ったかのような衝撃的な対面、劇的な感銘でした。
これぞ、芸術品と言われるものの真骨頂であったような気がしました。
北辺の地にかような素晴らしい魂の面打ち師がいたのですね。
我が郷土の誇りにしたいと思います。
来年、再びと「松本冬水師の面と仏像と写真展」を企画したいと思います。
小さな観音、地蔵様もまた良いと聞きます。
また最近凝りだしました写真の自然風景も楽しみです。
彼のことです、とことん突き詰めたところまで追求することでしょう。