まほろばblog

Archive for the ‘歴史’ Category

北海能と能面

金曜日, 11月 9th, 2012

昨日は、札幌市教育文化会館で、新しい能舞台を設え、

北海道に因んだアイヌとの関わりを織り込んだ新作能「沙院」の発表がありました。

北海道とは馴染みの深い観世流シテ方、永島忠侈師の自作自演でした。

その案内をご紹介します。

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この度、能楽観世流シテ方、私こと永島忠侈は、

初めて北海道を題材にした新作能「沙院」(仮題)を書き上げ、

来る11月7日(水)、札幌市教育文化会館で私が会主をつとめる

「能の会」主催でお披露目いたす運びとなりました。

現行曲約200曲の能には、北は青森県までございますが、

北海道を舞台にした能は残念ながらございません。

いつか北海道を舞台にした新作能を作り上げたいと、考えておりました。

新作は江戸時代の北海道の歴史をひもとき、能特有の世界で表現したものです。

また、北海道の地で、初演できますことも喜びでございます。

多くの皆様にお楽しみいただけたら幸いです。

(実際の円空仏)

これは、歴史上、記念すべきことで、ことにアイヌのシャクシャインを

題材に取り入れ、戦いに没した御霊を鎮魂する儀式として、

この上ない供養になったのではないかと感じ入りました。

アイヌと和人の友好友和の証として、今回の会はすこぶる意義あり、

と認識して、参加出来たことを光栄に思ったほどでした。

これが、幾百年の歴史の淘汰によって、

さらに後代に引き継がれますよう祈るばかりです。

同じく観劇にいらした、名寄の松本冬水さんは3年ぶりの再会でしょうか。

懐かしくも、お元気そうで何よりです。

写真は、彼が面打ちした「小面」の花だそうです。

永島師に見せますと、絶賛されたということです。

本当に、そう思います。

実際に拝見して、魂が乗り移ったかのような衝撃的な対面、劇的な感銘でした。

これぞ、芸術品と言われるものの真骨頂であったような気がしました。

北辺の地にかような素晴らしい魂の面打ち師がいたのですね。

我が郷土の誇りにしたいと思います。

来年、再びと「松本冬水師の面と仏像と写真展」を企画したいと思います。

小さな観音、地蔵様もまた良いと聞きます。

また最近凝りだしました写真の自然風景も楽しみです。

彼のことです、とことん突き詰めたところまで追求することでしょう。

飛鳥さんのおはなし

水曜日, 10月 31st, 2012

音更町の田中医院の田中事務局長から、突然のお知らせ。

面識がないものの、「森下自然医学」の愛読者で、

椎茸の村岡さんと知人とかで、お手紙を受け取りました。

その中に、上の講演案内のチラシがあり、案内して欲しいとの由。

そこには、飛鳥さんという方のお話で、徐福や神武天皇に関した著作もあり、

少し興味が注がれるもの。

まだ確かめていないものの、もしご関心のある方は、内容吟味の上、ご参加ください。

「江差追分とグレイトジャニー」自然医学11月号

日曜日, 10月 21st, 2012

「森下自然医学 11月号」が入荷しました。

会長の「巻頭随想」は『徐福伝説』その四

そこには、船艙から乗組員558名という克明な数まで記載。

日本に向ける出立前夜の事々が細密に描写されている。

どうして解ったのだろうか・・・・、甚だ興味深い。

会長の推論も含めて、今後のスリリングな展開が一層待たれる。

文中初頭、「氣を測定する0-リングテスト」~氣を老化メカニズムの解明に活用する~

の一論文が4pにわたって掲載されている。

その後半、大村先生は「長寿と若返りの鍵を握るテロメア」の関係を発表されていますが、

会長は、その論に異を唱えて、「酵素とビタミン」こそが、その鍵を握ると展開されています。

その詳細は、甚だ興味深く、是非お読みになられて欲しいと思います。

今月から、マクロビオテックの重鎮・田中愛子先生の「食養を極める~一筋の道70年~」の連載が始まります。

2度にわたって、まほろばにお越し頂いた先生は、『倭詩』の愛読者でもあり、激励を戴き恐縮しました。

ところが、その田中先生、とんでもない凄い先生で、連載を読み始めてビックリ仰天しました。

森下会長の血液研究の初期のスタッフとして奔走し、また桜沢先生の直弟子として、

ヨーロッパでの大活躍は目の覚める思い、患者さんも驚くべき著名な方々で、映画を観るようでした。

皆様も是非、お読みください、若き日の先生のイキイキした生き方が活写されています。

今月号の『倭詩』は「江差追分とグレイトジャニー」と題しての一文。

ことしから習い始めた「江差追分」と、それに纏わるあれこれを綴ってみました。

最近、ことに思うのですが、何かに引かれているというか、今回でも江差の大会に、

何故行かねばならないのだろうか、と思いながら、行かざるを得ない状況が出来上がってくるのです。

そして、行ってみると、思ってもみなかった出会いや気付きが、必ず待ち受けています。

まさに、用意されているのです。

この間の京都でも、様々なことがおこりました。

そんな出来事を織り交ぜながら、身近な所から掘り起こし、

大きなスパンで、物事の本質に迫ります。

何事も、その因と果はある法則の中に、取り込まれているように思われます。

先日の講演会でも唄を披瀝しましたが、文意をお楽しみに。

『教育勅語の真実』

金曜日, 10月 19th, 2012

 世界から称賛される日本人の美質を育んだ
 『教育勅語の真実』

    伊藤 哲夫
    
     ⇒ http://shop.chichi.co.jp/item_detail.command?item_cd=939

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◆ 日本人を日本人たらしめた「教育勅語」
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 今年7月30日で明治天皇が崩御されてから100年が経ちました。
 その即位から始まり、
 明治期は日本にとって、
 まさに激動の時代だったといえます。

 維新後、
 開国とともに日本に流れ込んできた
 西洋文明や自由民権思想によって
 皇室や日本的な精神文化を軽視する向きが強くなりました。

 知識人の間では鹿鳴館(ろくめいかん)で踊ることが
 西洋的・近代的であるとされ、
 中には日本語廃止論を唱える者まで現れたのです。
 

 この価値観の混乱を憂えたのが明治天皇であり、
 本書ではそのご下命を受けた
 井上毅(こわし)がいかにして「教育勅語」を起草したのか、
 彼の人生を通してそこに込めた思いが描かれています。
 

 国を一つにまとめるには、
 まず「日本の国のかたち」は何かを突き止めなければなりません。
 『古事記』や『日本書紀』など
 国学を中心とした古典研究に
 猛烈に取り組んだ井上は、一つの気づきを得ました。

 それは、「しらす」という
 天皇の徳に基づく治世こそ日本の国体であり、
 これを守ることが国民教育の土台であると考えたのです。

 そこから草案を作成、
 「天皇の師」といわれた元田永孚(もとだ・ながさね)に教えを請い、
 約1か月に及んで何度も修正に次ぐ修正を重ねた結果、
 明治23年10月23日、明治天皇の御名で「教育勅語」は発布されました。

 それから長く国民教育の指針であったにもかかわらず、
 昭和20年の敗戦を契機に日本社会から葬り去られた「教育勅語」。

 現代日本の様ざまな事件や問題を鑑みると、
 明治初期と同等かそれ以上の価値観の混乱は否めません。

 そこに楔(くさび)を打つべく、
 いま再び精神的支柱として「教育勅語」の復活を望む声もあります。
 「教育勅語」起草の真実を知ることが、
 日本の精神復興の第一歩に繋がるかもしれません。

西暦3000年・・・・・

水曜日, 10月 17th, 2012

昨日、神戸から鳥本ご夫妻がお越しになった。

毎年恒例のまほろば参りと称していらっしゃいます。

毎朝、奥様のFAX激励メッセージで、店が開ける。

そこには、いつもmahoパワーと書いて、勇気を下さっている。

本当に毎日、毎年欠かさず頂く、その信念、その継続に頭の下がる思いだ。

「宮下さん、覚えていらっしゃいます?!このお言葉!!!」と、

忘れていた2000年初頭に掲げた挨拶と

2001年年賀状の詞を持参して下さったのだ。

既に12年経っている今年、ますます混迷の度を深める日本、アジア、世界・・・・・。

平和元年が、いつ到来するのだろう。

2000年の決意を今、改めて噛み締めてみたい。

ありがとうございました。

道新にも『倭詩』が

金曜日, 9月 21st, 2012

この19日(水)にも、北海道新聞の一面左下に『倭詩』の広告が。

北海道発となっておりますが、歴史のない北の涯から、

歴史ある日本の国を語っても良いのではないかと思うのです。

客観的に眺望し、そして主観的に一体となり、

新たなる眼差しで、日本の越し方行く末を綴って行きます。

その果に、和の国が再び甦らんことを・・・・。

キリストに妻?!

木曜日, 9月 20th, 2012

今さらの感もあるが、「イエスに妻が」居たことが話題になっている。

あの「ダ・ヴィンチ・コード」で物議を醸し、映画は世界的にセンセーションを起した。

これに関する文献は枚挙に暇がないほど、溢れている。

実際、若き日に読んだ「聖書外典」には散見できていた。

客観的歴史性から紐解いても、決して故なきことではない。

これらのこと、「エリクサーから無限心へ」の小冊子に詳しい。

それにしても、パピルスとコプト語・・・・というと、

遠い古代に、ロマンの夢が馳せてゆく。

江差追分から

木曜日, 9月 20th, 2012

明日から江差町では、「江差追分」第50回全国大会が開催される。

記念すべき大会で、全国で、これほど大掛かりな民謡大会はないという。

私も少し関係しているので、土曜から見学したいと心待ちにしている。

何時も、江差追分の大家・青坂師匠がおっしゃるのは、上記の新聞記事のように、

コンクールで審査基準が設定されると、それに合わせて練習して、

本来の持ち味の情緒性が失われてゆくという懸念である。

これは、どんな分野でもいえることだが、一つのものを統合することで、

様々な多様性、多義性、多面性が失われてしまうということだ。

江戸・明治期、幾多の古調追分が散在していたのを、一つにまとめ正調追分を標準化した。

当初、それで試行錯誤して一つの方向性で進んだが、

それが安定期になって、それぞれの技法が先鋭化されると、

技術的には極めて高度になってゆくのだが、逆に最も大切な情緒性が損なわれて来た。

追分は、元々地場のもので、漁師や浜で暮らす人々の哀歓が底に流れている。

唄が広がり、生活臭がなくなった都会人が洗練させてゆくのはいいのだが、

逆に、本来の味や本質から遠ざかる。

果たして、競争という原理で、何が残り、何が失われてゆくか。

甚だ、憂うるものがある。

情緒を忘れず、技術を磨くことが、最上の道なのだろう。

これは、現代社会の警告でもあり、示唆でもある。

「明朝体と宋朝体」自然医学10月号

火曜日, 9月 18th, 2012

「森下自然医学」10月号が、発刊されました。

会長の巻頭随想は、『徐福伝説 其の三』、「いざさらば、連雲港よ」。

徐福が、渡航軍団を率いて、故郷連雲港を離れる際の様子がありありと活写されている。

いわば、この2200年前の事項により、呉越人が日本に大挙押し寄せた。

だが、それは略奪領有することなしに、日本に同化し、一体化して今日の基を作った。

この2,3日、尖閣諸島が、喧しい。

さて、どうなるものか固唾を呑んで見守る。

現政権の、即断即決の英知無きが悔やまれる。

今月号は、『倭詩』発刊に伴い、5pも割いて取り上げられた。

森下自然医学とのご縁があってこそ上梓出来たのであって、

ありがたく、深くここに感謝したい。

森下会長からの推薦文が掲載されている。

彫琢を加えた文藻が、長く読み耐えられるように。

今月号の「倭詩」は、『明朝体と宋朝体』と題して。

今回本文に使った書体が「宋朝体」という、一般に使用されている明朝体とは異なる。

私が少年期から、慣れ親しんで来たせいもあり、これを出版社に依頼した。

ところが、近代出版史上、かつて無かったという事実を知り、

驚いたのは、当の私自身であった。

そこから、この物語が始まる。

この本は、内容もさることながら、書体自体、革命的なことであると出版代表者が語られた。

ついぞ、誰もが気が付かなかった書体に焦点を当ててみた。

これは、単なる個人の思い付きではなく、長い歴史的な見地でもある。

それは遡ること、明の600年、宋代1000年に亙ることにもなる。

これから火種がついて、この試みが広く拡がらんことを望みたい。

人の縁 2、二つの「一人芝居」

日曜日, 8月 26th, 2012

その平島邦生さんから、お知らせがあった。

それが「一人芝居」の公演で、二つながら縁のあるものだった。

平島さんの紹介文を掲載してみます。

本日は二つの芝居公演のお知らせです。

芝居はいずれも「一人芝居」で

8月30日(木) 「神々の謠」。

31日(金) 「風の丘を越えて」です。

「神々の謠」は「アイヌ神謠集」を土台にして、知里幸恵の生涯を物語るものです。

舞香という若い女性が、自ら作・演出をし、役者としても、

二時間を超える舞台を一人でこなしています。

わたしは三年前から始まった道内公演をすべて見ているのですが、

毎回感動を新たにしています。

今年は、「ヤイユーカラの森」の創立20周年記念として

札幌公演が実現することになりました。

ちなみに、「ヤイユーカラの森」は山本多助さんの「アイヌ民族学会」が前身です。

風の丘を越えて」は、日本では韓国映画ブームの火付け役となった作品で

パンソリ」の修業をしながら各地を放浪した父姉弟

(血の繋がりはない)の物語です。

今回は一人芝居なので、」主演の趙博(チョウ・バク)が三人を演じますが、

シンガーソングライターでもある、彼のパンソリを聞けるのも楽しみです。

以上二つの芝居公演は、エルプラザホール(北3条西4)で行われます。

当日清算券がまほろば店内にあります。

『倭詩/やまとごころ』の「終わりの滴、始まりの滴」の中で、登場する知里幸恵さん。

その語りと、また私に韓国音楽の認識を深めさせた映画「西便制(風の丘を越えて」の

一人芝居が両日にわたってあります。

当時、このビデオを購入したほど、韓国民族音楽のパンソリの凄味と、

大道芸人の厳しさに感銘したのでした。

是非、ご覧になって下さい。感動されると思います。