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「エジソンの思考術」
水曜日, 9月 28th, 2011
斎藤 茂太 (精神科医)
『致知』2002年2月号
特集「尽己」より
※肩書きは掲載当時です。
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(坂村真民氏との対談記事より)
これは私自身が八十三年の人生を
生きてきて得た結論ですが、人間は、
一つは気力、
二つは人とうまくやること、
三つは百%達成しなくても悲観しない。
もちろん、望むんですが、百%達成できる人は
ほとんどいないんですから、七十%ぐらいで満足する。
この三つが大事だと思います。
坂村真民先生のおっしゃる一本の道というのは、
ぼくの言葉でいえば、根気ですよ。
いまの若い連中、根気のないのが、本当に多い。
もう一日で会社をやめるのがいっぱい、います。
しかし、人生で何かを成す上で、根気というのは不可欠です。
私の好きな話に、エジソンが電気のフィラメントになる素材を
発見するに至ったエピソードがあります。
彼は、電気のプラスとマイナスに
何をつなげば光を発するかを求めて、
その辺にあるものを片っ端から実験していった。
人間の髪の毛、こより、自分が食べ残したチーズ、
あらゆるものを実験し、その数は三千種類にも及んだが、
いい結果が得られなかった。
友人がみかねて
「もう三千回も実験したから気がすんだろう。
そろそろ諦めたらどうだ」
といった時に、エジソンは、
「バカなことをいうな。
世の中に物質は五千五百種類あると聞いている。
私はそのうちの三千の物質をすでに実験した。
残りは二千五百。
成功はもう目の前まできている」
といった。このエジソンの根気のおかげで、
我々は電気という恩恵に浴している。
(略)
精神の病気の最悪の状態は、根気をなくすことですね。