JWティーのお店にまほろばが・・・
水曜日, 11月 30th, 2011ジョンソン・ウインターズ・ティーの冊子「Herbit !」の
JWT取扱店特集の地元店に、まほろばが紹介されました。
ありがたいことです。
明後日からの師走の大売出しには、つくば市から田頭さんがいらして、
試飲会を開きます、お試しくださいね。
2,4日が本店、3日が厚別店です。
ジョンソン・ウインターズ・ティーの冊子「Herbit !」の
JWT取扱店特集の地元店に、まほろばが紹介されました。
ありがたいことです。
明後日からの師走の大売出しには、つくば市から田頭さんがいらして、
試飲会を開きます、お試しくださいね。
2,4日が本店、3日が厚別店です。
平取町在住のアシリレラ(山道)さんの語り部が
19日、昼夜2部に分かれて開かれた。
帆海さんのクリスタルボールの伴奏がより一層お話に深みが増した。
http://www.youtube.com/watch?v=poZyolTP-D8&feature=player_embedded
これも、大井わこちゃんの企画で、レラさんをおっかさんのように慕う。
彼女は不思議な子で、不定期にまほろばのバイトをしながら、
世界の先住民族の秘境を回り、ヒョイヒョイと現地の人々と仲良くなってしまう、
という得意技というか、先天的に古い魂の持ち主なのだろう。
通訳も見事なもので、スルスルと流れるように言葉がついて出るのも、
すぐ一体化してしまう精神性のためなのだろう。
当日のレラさんなのだが、うわさではすごく有名なアイヌの女傑で
「沙流川を守る会」と「山道アイヌ語学校」「山道職業訓練校」を主催されている。
まほろばに出入りしている人達はみな知っている。
会うや、まさに「おっかさん」と言う感じで、それも「大地のおっかさん」で、
そういえば、昔の田舎のかあさん達の雰囲気が漂って、懐かしい気がした。
ああいう何というか、開けっぴろげの母性の中で、僕達は育ったものだ。
アイヌの儀式をしてもらって、いよいよ語り・・・・日本語なのがありがたい。
何篇かお話ししてもらったが、内容は思い出せない。
http://www.youtube.com/watch?v=H4jjLh6ulCk&feature=player_embedded
だが、心の中に、火球がクルクル回って、炉辺のチロチロした火に炙られながら、
ばあさん、じいさんの昔話を聞いているようで、なんとも心地よかった。
みな、きっとそんな風に聞いていたに違いない。
これは、後代に遺すべく尊いアイヌ文化を、録音して伝承せねばならないだろう。
情にもろく、泪が熱い。
太っ腹かあさん、次の会を楽しみにしていますよ。
ソンノ・オリパク・イヤイ・ラィケレ(ありがとうございます)!
http://www.youtube.com/watch?v=UafCdmwtst4&feature=player_embedded
(感激して、参加した長老の澤井アクさんが唱する『ヤイサマ』。即興歌と言われるヤイサマは語源としては「ヤイ=自分、サマ=側」で、自己紹介や現在の自分の気持ちなどを即興で歌にした。かつては若い男たちは愛の告白として女性に対してヤイサマを歌った。即興で自分のことを歌うところが、ラップにおけるフリースタイルに通ずるものがある。)
稲盛 和夫 (京セラ名誉会長)
『致知』2003年4月号
連載「巻頭の言葉」より
─────────────────
私は、「試練」とは、一般的にいわれる
苦難のことだけを指すのではないと考えています。
人間にとって、成功さえも試練なのです。
例えば、仕事で大成功を収め、
地位や名声、財産を獲得したとします。
人はそれを見て、
「なんと素晴らしい人生だろう」とうらやむことでしょう。
ところが実は、それさえも天が与えた厳しい「試練」なのです。
成功した結果、地位に驕り、名声に酔い、
財に溺れ、努力を怠るようになっていくのか、
それとも成功を糧に、さらに気高い目標を掲げ、
謙虚に努力を重ねていくのか によって、
その後の人生は、天と地ほどに変わってしまうのです。
つまり、天は成功という「試練」を人に与えることによって、
その人を試しているのです。
いわば人生は、大小様々な苦難や成功の連続であり、
そのいずれもが「試練」なのです。
そして、私たちの人生は、その人生で織りなす「試練」を、
どのように受け止めるかによって大きく変貌していくのです。
私たちは、苦難あるいは僥倖、そのいずれの「試練」に遭遇しても、
決して自らを見失わないようにしなければなりません。
つまり、苦難に対しては真正面から立ち向かい、
さらに精進を積む。
また成功に対しては謙虚にして驕らず、
さらに真摯に努力を重ねる。
そのように日々たゆまぬ研鑽に励むことによってのみ、
人間は大きく成長していくことができるのです。
私は、現代の混迷した社会を思うとき、
私たち一人ひとりが、どのような環境に置かれようとも、
自らを磨き、人格を高めようとひたむきに努力し続けることが、
一見迂遠に思えても、結局は社会を
よりよいものにしていくと信じています。
……………………………………………………………………………………
■稲盛和夫氏から『致知』へのメッセージ
……………………………………………………………………………………
昨今、日本企業の行動が世界に及ぼす影響というものが、
従来とちがって格段に大きくなってきました。
日本の経営者の責任が、今日では
地球大に大きくなっているのです。
このような環境のなかで正しい判断をしていくには、
経営者自身の心を磨き、精神を高めるよう
努力する以外に道はありません。
人生の成功不成功のみならず、
経営の成功不成功を決めるものも人の心です。
私は、京セラ創業直後から人の心が経営を決める ことに気づき、
それ以来、心をベースとした経営を実行してきました。
経営者の日々の判断が企業の性格を決定していきますし、
経営者の判断が社員の心の動きを方向づけ、
社員の心の集合が会社の雰囲気、社風を決めていきます。
このように過去の経営判断が積み重なって、
現在の会社の状態ができあがっていくのです。
そして、経営判断の最後のより所になるのは
経営者自身の心である ことは、
経営者なら皆痛切に感じていることです。
我が国に有力な経営誌は数々ありますが、
その中でも、人の心に焦点をあてた
編集方針を貫いておられる『致知』は際だっています。
日本経済の発展、時代の変化と共に、
『致知』の存在はますます重要になるでしょう。
23日(水)から3日間、秋田県湯沢の「石孫本店」さんに、取材で伺った。
まほろばオリジナル醤油『へうげ醤油』(仮称)の
仕込み初めを見届けたいためであった。
さまざまな試みをして、おそらく世界初のひょうげた物になるだろう。
詳しくは、別稿に譲りたい。
湯沢町の隣りが、増田町で、へうげ味噌の「羽場こうじ店」、
和魂(にぎみたま)の「新日の丸醸造」さんが連なって不思議なご縁だ。
石孫さんでは、3・11で蔵が倒壊して、醤油の仕込みが半年以上遅れ、
秋仕込みになったが、これにも奇跡的なことがあっての福運だった。
朝からの小麦の焙煎、挽き割り、豆の蒸し、麹菌を入れてのモロミ作り、
室入れの醗酵、そして杉樽へ投入して塩水を注入。
すべてみな手作り手仕込み、感動の連続だった。
周りは、機械化に走る中、独り古式伝統を守る石孫さんには感動しかない。
そして、ここまで守って下さった事に感謝するしかない。
それは、どうしてか・・・・・、後日その秘話について述べてみたい。
そして、その完成は再来年の春になるでしょう・・・・・。
ジェイソンティーのハーバルラインの別冊誌に、
まほろばが掲載されました。
16人の愛飲者をインタビューしたものを一冊に纏めたものです。
助産師の岡野さん、奈良裕之さん、うさぶろうさん、山川さん等々
おなじみの方々も載っております。
久々の・・・感動CDに出会いました。
数あるヒーリング系CDの中でも、これは秀でるCDです。
11月4日、道内コンサートの帰りにまほろばにお立寄りくださったピアニスト:ウォ ン・ウィンツァンさんご夫妻と同伴してみえた
小柄な「もの静かな男性」・・・??
お帰りの際に置いて行かれたCDを、何気なく店内用にとかけたら、びっくり!
あまりに美しく、やさしいのに力強い、そして、なになにっ?このいきなグ~ンと持って行かれる「深いイメージ」は?
事務所内の女性陣から「うわ~~っ、うまぁ~~い!、美し~い!」の絶賛の声。
崇高という言葉・・・きっとこれは、ヨーロッパの歴史ある古い教会に行くと(まだ行ったことはありません)、そういう気持ちになると思います。
例えば日本のアニメ「フランダースの犬」に出てくるアントワープのノートルダム大聖堂、
そこであの「ルーベンスの絵」を見たら、きっとそう思うと思います。
このCDは、何回聞いても雲の中から光が差し込みその向こうは天上界の調べのよう・・・そういうイメージが浮かびます。
この感想は、私だけでなくうちのスタッッフの感想でもあるのです。
まさに崇高。
その澄んだ、とても人の声とは思えない美しい歌声は、まるで天から注ぐ淡い光によう、そして力強い癒し感があります。
この素晴らしいハイトーン・ヴォイスも持ち主が「ウォン・ウィンツァンさんご夫妻と同伴して見えたもの静かな男性」でした。
世界的に活躍するピアニスト、ウォン・ウィンツァンさんが見いだしたと言われる吉野大地さんは
北海道に在住のミュージシャンでシンガーソング・ライターです。
あの「地球交響曲・第七番』のエンディングテーマ「光をあびて」も歌っています。
<その歌声は天から降りてきた…>のキャッチフレーズとか。
北海道にこんな素晴しいミュージシャンがいるんですね。
今、こういう時代だからこそ、現れた人!そう思えます。
日本は今年、散々でしたからね。人の心を癒してくれる歌声、ぜひお聴きください。
「Sacred Space~聖なる空間」:アメージンググレース、アメージンググレース、アヴェマリア、シュリクリシュナ、即興など、珠玉の全10曲収録。、
吉野大地 (Yoshino Daichi) プロフィール
1971年函館市生まれ。1995年にインドの賛美歌(バジャン)に出会い、自らの音楽、精神面などに深い影響を受ける。後にインドの古典音楽の歌を中心に、タブラやハルモニウム等を学びオリジナリティーを築き、自主レーベルにてアルバムをリリースするなど精力的な活動を行う。ピアニスト、ウォ ン・ウィンツァンとの出会いで天性のハイトーン・ヴォイスを生かしたオリジナル音楽へと開花する。
《 まほろば扱い ¥2.950(税込み)》
塙 昭彦
(セブン&アイ・フードシステムズ社長・
前イトーヨーカ堂中国総代表)
『致知』2009年7月号
特集「道をひらく」より
※肩書きは掲載当時
─────────────────────────────────
私どもの会社はセブン&アイホールディングスの
フード事業会社として一昨年(2007年)設立されました。
デニーズジャパン、ファミール、ヨーク物産の三つを吸収合併し、
レストラン、ファストフード、それに社員食堂などの
コントラクトフード事業の店舗展開
(2009年2月末現在、計959店舗)を図っています。
いま、「生活で何を節約しますか」と聞かれて
約七割の方が「外食」と答えるような時代です。
このように外食産業が大きな曲がり角にある厳しい時だけに、
やはり事業を集約して仕入れ先などを統合し、
食という一つのテーマを追求していくべきではないかと。
ただ、業績は大変厳しくて、初年度は赤字でした。
何とかこれを黒字にしたいと思いまして
目下奮闘している最中なんです。
もう一つ、私にはイトーヨーカ堂取締役中国総代表という
仕事があります(取材当時)。
月に約一週間は店舗がある中国の北京や成都に行って
現地のイトーヨーカ堂の責任者たちと会議をして、
今後の事業展開などを話し合うんです。
売り上げは一千億円弱といったところでしょうか。
おかげさまでこちらのほうは大変順調に利益が伸び続けております。
セブン&アイ・フードシステムズが設立された後、
中国から呼び戻され、二つの重責を担うようになりました。
中国室長の辞令をいただいたのは十三年前の平成八年、
メンバーは私一人でした。
それまで営業本部長だった私には
二万五千人の部下がいたんです。
それが突然ゼロ、しかも中国は初めての土地です。
周囲からは左遷と見られ、
これから一体どうなるのかという思いでしたね。
しかし、一緒に行きたいと名乗り出る仲間が現れて、
彼らが必死にやってくれたおかげで
今日があると思っています。
中国という大地に播いた種は、
花を咲かせて、実を結ぶようになりました。
やはり大事なのは、どのような厳しい環境でも、
そこに踏みとどまって頑張ることだと思いますね。
逆境や不遇の時、「いやだ、いやだ」と逃げ回ったり
自己逃避したり、じっとしてるだけでは
何の解決にもなりませんから。
そんな時は、自分の心を強くして、闘い、
克つ以外にないんです。
人事異動でも何でも世間の誰もが
「外れくじ」と思う出来事ってありますね。
でも、世間や周囲の人がどうあれ、自分だけは
「このくじは当たりだ」
と思うことが大事なんです。
そのように考えたら、何事があろうと
「人生すべて当たりくじ」
じゃないですか。
私は子供の頃から、随分と劣悪な環境の中で生きてきましたが、
その時、常に自分に言い聞かせてきたのが、
この「人生、すべて当たりくじ」という言葉でした。
『致知』2003年9月号
致知随想より
─────────────────────────────
数年前、新しい小学校へ異動したばかりの頃のことです。
朝、車椅子を押した女性が昇降口を目掛けて走ってきました。
「おはよう!!」
「きょうもしんちゃんのことよろしくね!!」
その女性は校庭で遊ぶ生徒たちに明るく声を掛けながら、
ギュンギュンとものすごい速さで車椅子を押しています。
今度赴任する学校の六年生に「筋ジストロフィー」に冒された
「しんちゃん」という男の子がいることは聞いていました。
あの車椅子はしんちゃん親子だ。すぐに察しがつきました。
しんちゃんのお母さんはとにかく明るい人でした。
彼は二十四時間の看護を必要とします。
授業中はもちろん、自分の力で寝返りを打てない
しんちゃんのために熟睡せずに側にいるのです。
しかし、彼女はいつも元気で笑顔。
一度も疲れた顔や暗い顔を見せたことがないのです。
これまでの教師生活の中でも、
障害児とそのご家族と接する機会がありましたが、
しんちゃんのお母さんは少し違いました。
明るいというより、むしろ突き抜けている。
ありのままの息子を心から愛し、いまを楽しんでいるのです。
素敵だな。そう思いました。
そして、私は彼女に
「あなたの写真を撮らせてもらえない?」と申し出たのです。
しんちゃんと出会う少し前、私はいまで言う
「自分探し」をしていました。
四十代半ばにさしかかり、教師生活も折り返し地点を
過ぎてしまった。
わが子も手が離れ、これから自分が
一生取り組んでいけるものは何だろう――。
様々なことにチャレンジしながら、
最後に私の心を射止めたのは雑誌で見つけたこの言葉でした。
「写真もあなたの言葉です」
以来、写真を自分の表現手段と決め、昼間は教師をしながら、
夜間と土日に専門学校へ通って勉強を続けていました。
「旬の女」。
そんなテーマを設け、授業の空きがあれば
しんちゃんのお母さんを撮り続けました。
学校だけでは飽き足らず、家やしんちゃんの
かかりつけの病院にもついていきました。
しかし、お母さんを写すにも、隣にはいつもしんちゃんがいます。
自然と二人の写真が増えていきました。
ある日、二人の写真を専門学校の先生に見せると、
「お母さんも素敵だけど、しんちゃんの表情は
なんとも言えない味があるね」
と言われました。
しんちゃんは、確かに味のある顔をしています。
生まれながら難病・筋ジストロフィーに冒され、
一度も立ったことがありません。
お医者さんには「恐らく長く持っても十五歳が限度」と言われ、
いつも死は隣り合わせです。
それでもしんちゃんはどんな時も
優しい微笑を浮かべています。
気がついたら、私のカメラはいつの間にか
しんちゃんへと向かっていました。
撮影を通して、私は筋ジストロフィーという
病気の恐ろしさを知りました。
次第に筋力が衰えていくこの病気は、
手足だけでなく、胃や肺、心臓などの内臓の筋肉までも
衰えていくのです。
食べることもままならず、ちょっと唾液が肺に入れば、
自分で吐き出す力もなく、それが原因で死ぬことだってありうる。
さらに、患者は何万人に一人と少数のため、
がんやエイズに比べて、真剣に治療法を
研究しようという人が非常に少ないといいます。
知れば知るほど、これほどまでに過酷な状況において、
なぜこの家族はこれほどまでに明るく、
ゆったりと構えていられるのか不思議でした。
私も子を持つ親です。
もしも自分が不治の病の子どもを持ったらどうだろうか……。
しかしある時気がつきました。
彼らは「明日がある」とは考えていません。
いつもいまを精いっぱい生きているのです。
しんちゃんが外に行きたいと言えば、
何をさておいても連れて行きます。
お寿司が食べたいと言えば、万難を排して連れて行き、
明日しんちゃんがいなくなっても
後悔しないようにしているのです。
彼が願うことをご両親は精いっぱい叶えてあげる。
それがこの家族の喜びなのです。
もしかすると五体満足の子を持った親は、
遠い将来を見すぎなのかもしれません。
大学に行くために小学生のうちから勉強させる。
スポーツをさせる。ひどい場合には
「隣の○○ちゃんが行っているから、あんたも塾に行きなさい」など、
勝手に親が焦り、子どもが望んでいないことをやらせる。
そこに子どもの意志はないのです。
私はしんちゃんが小学校を卒業するまでの一年間を
写真に収めました。
その間で多くの気づきと反省があり、そして転機がありました。
しんちゃんの写真が認められ、個展を開催するとともに、
写真集『しんちゃん』を出すことになったのです。
私は教職を辞して、写真家の道を歩む決意をしました。
やはり二足の草鞋では、どちらにも百%の力は注げません。
食べるだけならなんとかなる。
いまを精いっぱい生きたいという思いから写真に賭けてみたのです。
「後悔しないで生きる」。
口で言うのは簡単ですが、実践するのは
並大抵のことではありません。
しかし、しんちゃんとご両親の姿を見て、
自分も二度とない人生を懸命に生きたいと思っています。
今年の秋、しんちゃんは十六歳になります。
迫りくる死に臆することなく、
自分の命を燃やし続けるしんちゃん。
私も負けずに写真への情熱を燃やし続けたいと思います。
『致知』1994年3月号
特集「高め深める」より
※肩書きは掲載当時
─────────────────────────────────
勝つことで強くなるのか、
強くなることで勝つのか。
これは同じことだと思うかもしれないが、
決して同じではありません。
まず最初に定石(※昔から研究されてきて最善とされる、
きまった石の打ち方)が打たれる。
定石はその定石から発展して布石を形成し、
布石は中盤を、中盤は終局へと発展する。
しかし、この展開は常に問題をはらんでいます。
一つの問題を解決することによって、
さらに次の問題が提起されてくる。
常に解決は進歩を、進歩は問題をはらんでいる。
このように変化と人間の頭脳は
無限に発展していくのです。
この無限の変化発展に対応する定石を
究め尽くすことは、いかなる達人といえども難しい。
難しいことではあるが、それでもなお究め尽くし、
揺るぎのない石の姿を形成していこうとする。
それが芸ということです。
私は何よりもそれを大切にして碁を打つ。
これがしっかりできれば、勝ちは結果として
出てくるということです。
このことは、厚みと実利というふうに
いい換えることもできると思います。
厚みとは弱点のない、しっかりした石の姿です。
実利は対局者いずれかの領分(地)のことだと
思ってください。
厚みを重んずればどうしても実利を失うし、
実利を重視すると、厚みを失うことになる。
厚みは信用で実利は現金のようなものです。
いま現金を取るよりも信用を取ったほうが、
いまは損なうようでも将来は何倍もの利になる、
ということですね。