「運命は自分の言葉と行動で決まる」
金曜日, 12月 23rd, 2011渡部 昇一著
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立派な書斎と池のある庭。
著者である渡部昇一氏は、
この二つを手にしたいという夢を実現しました。
そこには図らずも、
哲人・中村天風氏の教えの実践があったと振り返ります。
著者は本書の中で、天風氏の理論と、
自身が日本に紹介しベストセラーとなった、
マーフィーの成功法則が類似していることに着目。
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たとえば・・・・・・
マーフィーは、意識が比較的働かなくなったときに、
いい夢を抱くことを勧めています。
すなわち寝入りばなということです。
眠りに入るときに、自分の願望などを思い浮かべ、
目の前に描くようにするのです。
(中略)
すると、知らず知らずのうちに、思い描いた願望が
実現する方向に潜在意識が働くとマーフィーはいっています。
彼は無数の実例を挙げて、これが本当であることを証明しようとしています。
(中略)
天風さんはこういいます。
「寝つくまでのあいだ、たとえ昼間どんな場合があろうとも、
それは寝床の中に持ち込まないこと。
寝床の中はあとうかぎり積極的な心を堅持しなければ駄目ですよ。
理想からいったらば、寝がけは何も考えないほうがいいんです」
などの潜在意識のコントロールによって、
豊かな人生を築く術が説かれます。
また、前向きな言葉の習慣化によって夢を叶える方法も紹介されますが、
著者の実践に裏打ちされたものだけに説得力があります。
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各章の終わりには、天風氏の言葉が紹介されるため、
天風哲学の要点を知ることができ、
これまで天風氏になじみのなかった方にも易しい一冊です。
「あなた方の心のなかの考え方や思い方が、あなたたちを
現在あるがごときあなた方にしてるんだ」
「少しでも自分の心のなかに消極的なものを感じたならば、
断然それを心のなかから追い出してしまわなければいけない。
己の心のなかにあるものは、己の心を明るく、朗らかにするもののみ、
という心がけが必要なんです」
「自分の理想を現実化しようと思ったら、不平不満を抜きにして、
すべてをありがたい方面から考えるようにしなさい、
すべてをありがたい方面から」
「生まれつき弱い人でも、
積極的に訓練化という習慣をつけると
強くなる。強く生まれた子でも、
訓練で積極化しないとだめになっちまう」
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本書で語られる天風氏の思想の要訣は
「人生は心一つの置きどころ」
であり、心の持ち方一つで人生が変わることです。
渡部昇一氏による中村天風論から、
人生を成功へと導く最上のエッセンスを掴んでください!
本書の帯にはあの日本電産社長・永守重信氏の
このような言葉が掲載されています。
「『運命は自分の言葉と行動で決まる』
これが天風哲学に学んだ私の人生訓です」