ダラスに東洋治療師として長年滞在されている、
昨年ご一家で来札された高松文三さんから
シリーズ『東洋医学の観方』が、送られてきた。
そこには異国の地にありながら、憂国の士、愛国の民としての
日本を想う心情と真情を吐露されていた。
米中のはざまの中で、未だに自立できない祖国日本。
歯がゆい思いで、今の日本が映るのであろう。
今こそ、真の日本の歴史を知り、それを伝えるべき時である。
「主権回復記念日に思う」
高松 文三
今回はあまり医療とは関係のないこと。
だが最近気になっていることを書く。
もうすぐ十六歳になる長女はテキサス生まれの
テキサス育ちだが、やはり日本人としての自覚が強いようで、
現地校でこんなことがあった。
歴史の授業で担当の先生が、日中戦争において
日本軍が南京で虐殺や強姦を万単位でやらかしたというのである。
娘は先生に「それは事実に反する」と抗議したそうである。
昭和十二年(一九一二七年)十二月、
日本軍が中華民国(当時)の首都南京を攻略した際、
虐殺、強姦、強奪の限りを尽くし、
その犠牲者は三十万人(中国側の主張)にものぼるというのが、
いわゆる「南京事件」である。
これは、中国共産党の作り話で事実無根、
歴史上最大の冤罪の一つと言っていい。
結局、問題がいつまでたっても収まらないのは、
日本の指導者層の歴史認識不足と、事なかれ主義、
本当に国を守りたいという気概の欠如のせいである。
国のために死んで行った二百万の英霊の名誉を傷つけても
何とも思わない無神経さも付け加えていいだろう。
いわゆる「南京事件」というのは、
東京裁判で取り上げられるまで誰も聞いたことがなかった。
当然である、そんな事件はなかったのだから。
ところが中国側にとっては反日意識を煽っておけば、
人民の不満の矛先を日本に向けることが出来るし、
好都合なことに日本国内にも力強い協力者がいるので
(朝日新聞、NHKなど)、非常に利用価値の高い外交カードなのである。
アメリカは日本に対して人類史未曾有の殺人兵器を
人体実験したという負い目があるので、
この点では米中の利害が見事に一致する。
日本は戦時中、こんなひどいことをしたのだということになれば、
それだけ原爆投下が正当化出来る訳だ。
共同でドイツのホロコーストに匹敵するような事件をでっち上げた。
そして、勝者が敗者を、しかも事後法で裁くという、
凡そ裁判などとは呼べない代物で、日本を不当に糾弾した。
誰が考えてもおかしなことだが、
七年に及ぶGHQの日本骨抜き作戦(公職追放、徹底した言語統制、
マスメディアを使っての洗脳教膏等)で、
日本人は見事にアメリカや中国の思惑通りの、
骨なし人間にされてしまった。
骨なしならまだしも、GHQの指令の下につくられた日教組による
反日教育によりまるで愛国心のない国民がそれ以後、量産されたのである。
奇しくもこの四月二十八日は、サンフランシスコ平和条約が発効して六十年、
日本がGHQの占領から解放されてやっと主権を回復した記念日である。
ところが日本は未だに主権国と言えるのかはなはだ疑問だ。
占領下に占領国によって作られた憲法を未だに押し頂いている。
自分の国を自分で守れないどころか、自国民が拉致されても、
それに対して何も出来ない。
一国の首相が戦争で亡くなった人たちの霊を弔うという当たり前の行為に
なぜか他国から干渉を受ける。
自国の教科書さえ他国(中国、韓国)の顔色を窺いながら作成するという有様だ。
中学の歴史教科書を見たが、そのひどさに呆れてしまった。
こんな教科書を使って、子供達が日本という国に誇りが持てるわけがない。
日本は戦時中周辺諸国に対して負の遺産しか残してこなかったような
ことばかり書いてある。
そうじゃないだろう。
日本に感謝している人たちはたくさんいる。
だいたい日本があそこで立ち上がらなかったら、
アジア諸国は未だに白人の植民地になっている可能性が十分にある。
ここが一番肝心な所だ。
ここを外したら、歴史を学ぶ価値がないとさえ思う。
少なくとも自分の子供達にはこのことはしっかりと伝えていきたい。
米中韓の子女のために書かれた教科書が目立つ中、
今年に入って朗報があった。
マッカーサーが、日本が対米戦争に踏み切った理由を
「自衛のためであった」と、東京裁判を否定する証言を一九五一年に
米上院軍事外交合同委員会で述べた事実は余り知られていない。
それが今年、東京都立高校独自の地理歴史教材
「江戸から東京へ」で掲載されることになった。
一部のまともな日本人の努カの成果を見た気がする。
韓国の反日活動も激しさを増していて、
韓国にある日本大使館の前に「従軍慰安婦の像」を
建てて嫌がらせをしていることは周知の事実だが、
アメリカ国内でも二十カ所にその碑を建てる予定だという。
このダラスの地にも来る可能性がある。
実は、ニュージャージー州パリセイズ・パーク市の
公共図書館敷地内には既に建立されていて、
近隣の日本人やその子弟は嫌な思いをし、
それがもとで、いじめの対象にさえなっているという。
いわゆる「従軍慰安婦」の強制連行そのものが虚構である上に、
昭和四十年(一九六五年)に締結された日韓基本条約で
こういった件はすべて解決済みであるはずなのに、
未だにこういう問題が起こるのは日本が
主権国家として毅然とした態度を見せず、
適当に謝ったり、ごねられる度に金をばらまいてきたからだ。
早い話が日本は未だに主権国家とは呼べないのである。
娘は、現地校の歴史の授業で先生がスライドを使って
南京事件を解説するのを聞いていて、
「日本人の名誉を傷つけられて、メッチャ腹が立った」そうである。
これは、日本人としてごくごく当たり前の祖国愛の発露ではないか。
スポーツ競技場でしか芽生えない祖国愛というのは余りにも情けない。
娘に対して先生は
「それはホロコーストは無かった、といってるようなものだよ」
と返したそうだ。
娘もそれ以上何も言わなかったらしいが、
言うべきこと言っただけでもたいしたものだ。
先生に抗議した娘の勇気を大いに褒めてあげたい。
祖国日本には、子供達が胸を張って誇れるような主権国家としての
体裁を一日も早く整えて欲しいと一国民として切に願う。