テルミン奏者「やの雪」さん来店
火曜日, 5月 1st, 2012世界初の電子楽器「テルミン」の日本での第一人者「やの雪」さんを、大前君が連れていらした。
10年ほど前、ソフテに勤めていた小百合ちゃんの引き合わせで、
逢えるチャンスがあったのだが、何故かその時は、ご縁がなかった。
10年目にして漸く、叶った訳だが、尽きせぬ話にお別れしたのは、0時を過ぎていた。
写真で、テルミンを奏でる彼女は、いかにも清楚な神秘的雰囲気を醸していて、
なかなか近寄りがたいものがあった。
ところが、会ってみると意外に剽軽で、ユーモアがあり楽しい方だった。
テルミンとの出会いや、ご自身の出自、音楽の経歴などなど・・・・興味が尽きず、
半日では語り尽くせぬものがあった。
音楽を通して、宇宙の根源に至りたいという強烈な願望があるという。
何か、ひどく共感出来るものがあって、古い出会いのような気がした。
ご自身を「テルばあさん」、相手の「テルじいさん」というのが、
何と創始者のレフ・セルゲーヴィチ・テルミンが80年前に自ら作った、
真空管を使ったRCAテルミンのアンテーク、超お宝である。
最新式のテルミンでは、到底叶わない次元境地のそれという。
電子音といっても、これは異次空間に超絶する。
これほど、IT時代になっても、アナログの心の音は奏でられない。
私も、50年前のスピーカー、真空管のアンプでレコードを聴いているが、
その消息は、充分理解できるのだ。
雪さんは、めったにこの重鎮を外に持ち出す気にならなかったという。
しかし、その夜、地下洞「無限心庵」を観て、話を聞いて、ここで演奏したいと言われた。
「テルじい」がここに来たいと言っているらしい。
そんなイベントが、開かれるかもしれない何時か。
皆様を、夢の空間にお誘いしたいと思います。