まほろばblog

Archive for 2月 4th, 2013

生誕100年 功績しのぶ

月曜日, 2月 4th, 2013

 

「自然農法」提唱の福岡さん、生誕100年 功績しのぶ

~ 愛媛新聞より ~

2013年02月03日(日) 

 農薬や肥料を使わない「自然農法」を伊予市から提唱した福岡正信さん(1913~2008年)の生誕100年を祝う会が2日、愛媛県松山市堀之内の県美術館講堂であり、約160人が、福岡さんの関係者による話やメッセージを通じ、人柄や世界に息づく功績をしのんだ。
 福岡さんは粘土質の泥に植物の種を練り込んだ「粘土団子」を使い、アジアやアフリカなどの砂漠緑化にも尽力。1988年にはアジアのノーベル賞といわれるマグサイサイ賞を受賞した。祝う会は福岡さんと縁の深かった知人らでつくる実行委員会が主催した。
 シンポジウムでは、技術や哲学の指導を直接受けたり、晩年に身の回りを支えたりした人たちが、福岡さんのエピソードや自身の人生への影響を語った。
 
 
 
【写真】福岡正信さん生誕100年を祝う会で、
著作を基にした創作オペラを披露する関係者
=2日午後、県美術館講堂
 

福岡正信さん

 深いひげを蓄えた仙人のような風貌。自然農園での最初の出会いに、魂を揺さぶられた。雑草だらけの畑を示し「どう思うかね」。不耕起、無肥料、無農薬、無除草。自然農法実践の場を前に、言葉が出ない▲
 試されている―。福岡正信さんに。小柄な体から立ち上る竜神のような気配。その圧倒的な存在感は、生命体の域を超えている。絶句、金縛り状態。そんな自分を見て氏はニヤリと笑った。ようやく「人間」を感じた瞬間▲
 農園通いの始まり。「人知や人為は一切無用」。氏の自然観は頭では理解不能。その具現である自然農法を体で会得するしかない。技のはざまに織り込まれた哲学をかいま見たのは、四半世紀も前だ▲
 自然農法は伊予市の農園を核として世界に及んだ。農園に集った「信者」を介して。地球の未来への懸念は昇華し、農を起点に「粘土団子」にも結実。砂漠を緑化し続けた。5年前に95歳で逝くまで▲
 明日で、生誕100年。氏がまいた多くの種の中で、最高の品種は「信者」。今もその遺志を実践するかれらが松山市に集う。氏の残した魂の遺産をあらためて共有、後世に引き継ぐことを誓いつつ▲
 いま思う。氏の著書「わら一本の革命」のわらの真意を。ヨハネ伝「地に落ちて死んだ一粒の麦」だと。氏は亡くなってなお、多くの実が結ばれている。彼岸への報告を胸に、明日を迎えよう。

 

http://i-yo.jp/index.html