奇跡のピアニスト
金曜日, 10月 11th, 2013
ピアニストの大橋亜樹子さんの記事が、大きく道新に掲載された。
丁度その2日前に、彼女の伴奏をあるホールで聴く機会を得て、感心した所だった。
あるテノール歌手のリサイタルで、5日前に楽譜を渡されて、
難なく弾かれたその力量に、彼女の並々ならぬ才覚と努力を思った。
まほろばでも、何回か演奏会を開いて戴いて、
生来の難病を克服してのピアニストとしての自立に思いを馳せた。
想像を絶する苦しみと哀しみを乗り越えての今日に言葉もなかった。
そして、新聞記事を拝見して、それ以上に壮絶だった病歴に、
さらに、言葉を失った。
動かぬ手、短くなる指、誰がピアニストの肉体を思うだろうか。
これは、奇跡ではなかろうかと思った。
まるで、彼女の舞台は、夢のようであった。
これは、我らに示し賜う神の恩寵でなくて何であろうか。
ただただ、彼女がピアノに向かうことで、
人間の果てしなき可能性の扉を開いていたのだ。
(2009年、11月11日「アンソニイ・ブラウン、寺山心一翁、大橋亜樹子コンサートin豊平館)
(まほろばでのブラウンさんのコンサートhttp://www.anthonybrownbaritone.net/)