「脳を10歳、若返らせる方法」
火曜日, 10月 15th, 2013藤木 相元(嘉祥流観相学会導主)
『致知』2013年10月号
連載「生涯現役」より
今度、『若々しい人がいつも心がけている21の「脳内習慣」』
という本を書いたんですが、私はそこで、
十歳若返る脳の使い方を説きました。
その原稿を書くのが本当に大変だったけれど、
誰も手伝ってもらえる人がいないものだから、
いまでもほとんどを自分一人で書き上げる。
そしてそれがいまの私の楽しみであるし、
生き様であるし、それができなくなった時には
こっちから先に井戸へ飛び込んでやろうと思っています。
ただ死を待つ、というのが嫌なんですよ。
もしあの世へ行くなら、すべてに未練がないようにと、
死に方の研究もいろいろしています。
【記者:「脳を十歳若返らせる方法」というのを
少しお聴かせいただけませんか】
これはいかに「ホラ」を吹くかですね。
人間がホラを吹かなかったら夢がない。
ホラとは、つまりドリームですよね。
少しでもそのホラが吹ける間は、
人間は若々しくいられるんです。
例えば「藤木さん、いくつになりました?」
「いま八十だよ」。これもホラでしょう(笑)。
やっぱりホラが人を楽しくもし、
自分自身をドリームの世界へと引っ張っていく。
だからいま皆さんに呼び掛けているのは、
嘘をつくんじゃなく、ホラを吹きなさいと。
嘘は人を騙すことですが、
ホラは人を楽しませることができるから。
人を幸福に導くものの一つはホラじゃないですか。
だって現実に目をやると、生老病死で、
生まれたら病気になり、年をとって皆必ず死んでいく。
これは宿命ですからね。
それをまともに認知したら、ホラなしでは生きられない。
逆に言えば、ホラの力を借りて生きることが、
人を一番幸せにする。
だから自分自身にもホラを吹けばいいんです。
例えばマジシャンも、ある面では
自分自身をときめかせていないと
お客様にも驚きが伝わりません。
それと同様、自分にホラを吹いたことが伝播していって、
皆なんとなく幸せな気分になるわけだ。
現実という恐ろしい世界は、常に一本道を歩いていく。
だから片一方ではホラを吹いて、
現実を嘲弄しながら人生を歩いていくことが
大切なんじゃないですか。
特に年寄りは大いにホラを吹くべきだと思うんです。
私にはいま日本全国に千人ほどの弟子がいて、
半分は直伝、半分は通信教育ですが、
とにかく皆さんに楽しく生きてもらおうと、
何よりもまず笑うことを勧めています。
この事務所にも「笑運」という額が掲げてありますが、
笑わないと運は来ませんよ。