まほろばblog

Archive for 10月 23rd, 2013

「和食」無形文化遺産に

水曜日, 10月 23rd, 2013

和食

「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録される見通しとなった。

富士山の世界遺産に引き続き、伝統文化の和食が世界の歴史に刻まれる。

実に記念すべきことで、ヘルシー日本食の普及がさらに加速される。

この登録の件は、かねてから小泉先生から聞かされていて、

再来年、イタリアで、この大イベントが行われ、

発酵食文化日本としてのお披露目をするということらしい。

先日、発足された「発酵文化推進機構」が軸となって、

発酵革命が、世界に席捲する日も近い。

 

酒饅頭 小泉

それにしても、小泉先生の食の背景の豊かさは、子どもの頃の家庭環境にあった。

酒の蔵元の日常は、酒はもちろんのこと、粕や麹で溢れ、

その加工品で、食卓がまかなわれ、人間関係も築かれていった。

その粕一つから、さまざまな食べ物が躍り出る。

そんな変化の豊かさのなかで、武夫少年は育っていった。

そして、今日がある。

酒饅頭。

これから美味しい季節になる。

ソフテリアでも、出ることでしょう。

「人生とは織物のようなもの」

水曜日, 10月 23rd, 2013

志村 ふくみ(人間国宝・染織作家)

『致知』2013年11月号
特集「道を深める」より

0321s[1]

 

自分の色というものは、
たった一つしかないのかもしれません。
それを求めてもらいたいと思いますね。

一つしかない色だけど、喜びや悲しみなど様々な感情、
刺激によって輝いていく。
その色に出逢うための人生じゃないですか。

それと同じように、
人の人生も織物のようなものだと思うんです。
経(たて)糸はもうすでに敷かれていて
変えることはできません。

人間で言えば先天性のもので、
生まれた所も生きる定めも、
全部自分ではどうすることもできない。

ただ、その経糸の中に陰陽があるんです。

何事でもそうですが、織にも、
浮かぶものと沈むものがあるわけです。

要するに綾ですが、これがなかったら織物はできない。
上がってくるのと下がってくるのが
一本おきになっているのが織物の組織です。

そこへ緯(よこ)糸がシュッと入ると、
経糸の一本一本を潜り抜けて、トン、と織れる。

私たちの人生もこのとおりだと思うんです。

いろんな人と接する、事件が起きる、何かを感じる。
でも最後は必ず、トン、とやって一日が終わり、朝が来る。

そしてまた夜が来て、トン、とやって次の日が来る。

これをいいかげんにトン、トン、と織っていたら、
当然いいかげんな織物ができる。
だから一つひとつ真心を込めて織らなくちゃいけない。

きょうの一織り一織りは
次の色にかかっているんです。