「超能力微生物」はスゴイ!!!
金曜日, 4月 14th, 2017先日、発酵学者・小泉武夫先生と仲間で会食した際、
「16日に『超能力微生物』の新書が出るんですよ。
それは、こうこう、これは、それそれ・・・・・・」
とお話しくださり、これは面白い、是非読まなきゃ!となる内容。
先生自らお書きになった要約を以下に・・・・・・。
くさいが美味い! 小さいがしぶとい!
酵母、細菌、カビの神パワーに発酵仮面が迫る!!
古来から日本人は、麹(酒)、味噌、醤油など、微生物のはたらきを利用した食品を大切にしてきた。
発酵によってアミノ酸など「うまみ成分」が増し、保存期間も長くなる。
また、健康維持に「腸内細菌」が大きな役割を果たしていることも近年わかってきた。
まさに人類は、微生物に支えられて生きてきたのである。
それだけではない。
この地球上には人類が考えもつかないような“超能力”をもった微生物が、
まだまだ無数に存在していることが明らかになってきた。
たとえば、100℃以上の熱湯中に生きる微生物、
超高濃度の塩水(死海)に生息する微生物、
硫酸なみの強酸や強力放射能を浴びても死滅しない微生物……。
しかも、人類に天の恵みをもたらしてくれる微生物も続々発見されている。
動物性脂肪を植物性油脂に変換する微生物、
天然希少香料を醸す微生物、
汚染物質や有毒化学物質を分解してしまう微生物、
天然資源(レアメタル)のありかを探し出す微生物……。
もちろん、新たな抗生物質、特効薬を作り出すのも微生物だし、
食糧難を解決してくれる可能性さえ秘めている。
分子生物学の進歩によって、「ゲノム編集」「遺伝子組み換え」がブームだ。
しかし、人為的にDNAを組み換えてわけのわからない生物をつくるより、
自然界にまだまだ人知れず存在する“超能力微生物”を見つけ出してきて利用するほうが、
はるかにエコロジカルかつ合理的ではないか。
驚愕の「微生物グルメ」のエピソードも満載!
味覚を刺激されつつサイエンスのミステリーにせまる「発酵仮面」の真骨頂ここにあり!
お話の中で、とても大切なことを示された。
東京農大の教授になったのが、37歳の若さ。
それ以後、論文を書く必要がなかった。
それで、現場主義の実学者となれたのである。
つまり、現代は遺伝子解析など論文のため、
みな上記の分子生物学に走り、足で事実を検証する実学がなくなった。
そして、それがなければ、認められなくなった学会。
架空の人工物に走らざるを得なくなったとさえ言える。
その隙間を、先生は独り我が道を行き、
実際、存在する微生物を探し研究し利用することで、
現実世界にフィールドバックするを常とされた。
それが、今の世の中が、これほど発酵ブームに関わらず、
発酵学者が小泉先生お独りになったという経緯なのだ。
そして、カバンから一本の細いサインペンを差し出された。
これで、毎日4時半に起きて身を清めて執筆されるという。
140何冊の著作、皆自筆で書き直し無し(まるで、モーツアルト!)。
筆を握る指と手に、言霊が宿る。
マウスやキーボードでは、心が伝わらない、と。
そんなアナログ精神こそ、
アナログな生身の微生物と心を通わすことが出来るのだ!!!
最先端の技術と情報を追い求める余り、
私達は、大切な何かを失っているのではなかろうか。
自然は、自分の足元にこそ、答があると説いてくれる。。