良き師に、良き弟子あり
月曜日, 9月 18th, 2017
朋友の三輪さんから、今日も読売新聞朝刊に、
小泉先生の記事が載っていたと送って下さった。
新聞を取ってない者として、誠にありがたい友情に感謝。
恩師・鈴木明治東京農大教授の愛弟子・小泉先生に遺した12冊の翻訳ノート。
そこには、中国酒の大全が丁寧に楷書で分かり易く綴ってあった。
ご自分の研究功績も、弟子に譲って、名前を控えられたとか。
何という子弟思いの美徳であろうか。
今は、学生に研究させて、その精華を自分の名で留める論文が多い中で、まさに美談である。
あの「満殿香酒」の幻の銘酒も、鈴木先生のお導きなのかもしれない。(「倭詩」鼎談348p参照)
その恩徳に報いるがため、逆にご自分は極力表に打って出て、その裏の功績を世に結実させようと東奔西走。
小泉先生は、決して昂らず、奢らず、控えめで、謙遜であられる。
必ず返礼の書信と品を届ける律義さ、誠実さは、まことに別格である。
高名にして、無名を等閑にせず、有識にして、無識を軽んぜず。
故に、研究執筆の長く続き、ご活躍の場の広く、親しき人の何と多いことか。
師弟愛は、篤実という人徳をも、玉の如く切磋琢磨したのであろう。
今の世に無くなった、誠に羨むべきも美しい関係であった。