大失敗のチラシ
火曜日, 10月 20th, 2020
月2回、まほろば2Fで「まほろばビューティー」としてヘアカットをしていただいている伊勢祥延(いせよしのぶ)さん。
今年春先に著書『仏陀バンクの挑戦』を出版されたものの、コロナが直撃。予定していた出版記念イベントが悉く叶いませんでした。
少し落ち着いた5月末よりボチボチとイベントを再開され、札幌市内でこの秋までに3度開催。コロナの様子を見つつ、このたび満を持してまほろば2Fでも開催の運びとなりました。
伊勢さんは、いつも見る美容師の顔とは別に、写真家、そしてブッダバンクのプロジェクトリーダーも務める多彩な方。また、ここ数年はミュージシャンとして目覚め、いつもカットの仕事が終わった後に、事務所仕事のBGMとして素敵な歌声を聞かせてくれています。
今回のイベントは、これまで撮りためた写真をスライドショーに構成して、そのBGMにご本人の歌声とギター演奏を聞かせてくれる運びとなっているとのこと。ちょうど2Fでヘアカットされているお客様に、さっそくまほろばでの開催決定をお知らせするため、なんとなくのイメージでサクッと作ったチラシを用意させていただきました。(本文最初に掲載のチラシです)
まほろばだよりにもそのままそのチラシを使わせていただいたのですが、配布後ふたを開けると予約がさっぱり‼
伊勢さんにお詫びしつつ、あらためてイベントへの想いをじっくり聞かせていただきました。
伊勢さんがお伝えしたいことは色々あるようすが、まずは、「どうしてブッダバンクに関わっているのか」を皆さんにお話しされているということでした。その思いの核心にあるのは、3.11の震災ボランティアで東北へ行った時の経験。それは「無条件の愛」といえるような体験だったと伊勢さんはおっしゃいます。
実は、震災以前からブッダバンクに関わっていたものの、心のどこかに「自分は良いことをしているんだ」というエゴのようなものが正直あったと言います。ところが震災の現場では、被災された方がヘアカットに行列を作り、皆さん口々に「ありがとう」と感謝の言葉を伝えてくれたのだそうです。
その時伊勢さんは「自分は倒れても良いからこの方々に奉仕しよう」という気持ちに包まれ、実際に朝から夜遅くまで、倒れるまでカットし続けます。この経験を、はじめて「無償の愛」を感じた瞬間だったと一言。
「今自分がこうして仏陀バンクに関わっているのは、その時の経験をもう一度味わいたいからだ、そしてそこに関わることが、あの経験に一番近い思いを抱けるからだ」、とおっしゃいます。
今回のイベントも、実はそんなことを皆さんにお伝えしながら、ブッダバンクに関わる中での苦労話を、皆さんに楽しく面白く、映像と音楽とトークのコラボレーションでお伝えしたいんだ、ということでした。
実際に、9月に開催された南区のイベントでは、そんな伊勢さんの想いが見ている方々に伝わった様子で、皆さん感動を共有していただいたそうです。
私が最初に作ったチラシには、そこのところがすっぽり抜けていました。伊勢さん、ごめんなさい…。
ということで、反省の弁を長々とお伝えしながら、来週末10月31日(土曜日)の伊勢さんのイベントへのお誘いを申し上げます。
コロナ禍でふたたび感染者が増えつつある中ではございますが、皆様感染対策・予防にご留意の上、ぜひ足をお運びいただければと思います。
心が温まるひと時をいっしょに過ごせたら幸いです。
(まほろば編集部 島田 浩)