まほろばblog

小泉先生と蒲島知事

5月 7th, 2017

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先月24日に、佐藤水産で小泉武夫文化塾、「第一回 鮓(すし)と鮨(すし)」の講演会が行われた。

鮓は、乳酸菌で発酵させた魚。1200年前から発達した伝統的本熟(なれ)鮓。酢で〆る飯寿司、桝寿司、箱寿司、棒寿司など、全国的に分布。

鮨は、握り寿司の早寿司で、江戸末期から始まった。

 

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東京湾には、江戸川、多摩川、荒川など大小さまざまな川が流れ注ぎ、稀に見る魚の宝庫で、鱸、鱚、鯛、細魚、平目、鰈、芝海老などの白身が多い。そこに黒い醤油を垂らすと汚くなる。それで「煎酒(いりざけ)」なるものが発明された。日本酒と鰹節、梅干で煮た上に焼塩を加えた煎り酒を白身に垂らすと、色を濁さず得も言われぬ味を引き出す。

先生の著書『百川』にある新鮮魚介が何故確保できたかは、生簀(いけす)に在った。八百八町の至る所にこの生簀があって、直ぐに新鮮な魚の下ろしが出来たのだ。なるほど!今のデリバリーでも叶いっこない、とは驚きである。

 

「熟度と鮮度」。自然と社会は、この拮抗した概念と実際がうまく溶け込んで、時間が流れる。活きの良さ、煉れ具合、世の中よくしたものである。

何事も、老いも若きも要し、伝統も前衛の両車輪が、人を生き生きさせる。

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講演後、有志による談話で、漁獲高の激減による海の危機が叫ばれていることに至った。中国、韓国、台湾などによる近海先回りの包囲網により、日本沿岸の鯖、鰹、イカ、秋刀魚、鰯などの大衆魚が軒並み居なくなった。そして、加工業の第二次産業が瀕死の状態なのだ。これは、お上の水産農産省が、その対策を講じなかった構造的問題であり、そのツケが今回っている。

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同じ北国のフィンランドは、430万人で4兆円の黒字を出し、北海道は560万人居るも、赤字財政である。これは、行政がおかしいと、小泉先生は語る。そこで、熊本県を例にとる。熊本県の蒲島知事とは、農政審議会で席を同じくする仲である。熊本県では、予算の57%を農林水産が占めるという。何と新規就業が3万8千人の内、6千人に上る農業大国である。リーダーが、如何に第一次産業に目を向けるかに、日本の浮沈がかかっている。北海道は土木の公共事業が多すぎるため、根幹で足元をすくわれていると。

 

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この蒲島郁夫知事は、高校から農協職員に、農奴から渡米してネブラスカ大学へ、次いでハーバード大学博士、そして東大教授に昇り詰めた日米ドリームを実現した丈夫であった。

「逆境の中にこそ夢がある」「どんな人生にも必ず5度のビッグチャンスが訪れる!」と公言して憚らない。先生は、まず、リーダー不在!リーダーが農水に力を入れるべき!と力説される。

「くまもん、よかもん、うまかもん」は、伊逹になったのではない。このリーダーのもとであってこそ、全国にブレークしたのだ。

農水産業を、頭に据えない行政は、必ず破綻を来す、と。

我々、日本国民みな、肝に銘じたい訓話であった。

 

鳥取慕情Ⅱ

5月 5th, 2017

鳥取慕情 2

 

とある日、鳥取の郷土史研究家の中嶋二三男さんという方から、メールを頂いた。

何でも「北海道開拓に出た旧鳥取藩士の遺した落書き」という遺構を取り上げたもので、

そこに何年か前に書いた祖母の「鳥取慕情」を一部掲載させてほしい、というものだった。

それが鳥取と釧路の友好関係に繋がるよう、と祈りつつ快諾させてもらった。

その定本が先日送られて来たこの「郷土史の資料を読む会」が編集された

野口英世から出雲に関わる七稿に亘る力作であった。

 

鳥取慕情 3

 

改めて、移住開拓当時の様子を読み直したが、そこには辛苦というには、

凄まじい毎日があったことが想像してもし尽くされないものがあった。

先日、小泉武夫先生の会のあと、釧路の魚谷さんが語っておられたが、

当時の開拓者が、余りの辛さに多くの家族が鳥取に帰る者も多かったと聞く。

そこで、辛抱に辛抱を重ねたものが、今の釧路を作ったと語っておられたが、

北海道の各地各人が、同じような辛い日々を送られたに違いない。

 

鳥取慕情 1

 

 

殊に、道北から道東にかけての厳冬と戦った人々には、敬意を表するものだ。

吾がまほろばの大橋店長は士別出身で富山から、

島田編集長は利尻島出身で石川から出向いて来たと言う。

あの厳北や孤島で不自由極まりない土地で、どのような日々を過ごされたか、

皆一言半言では語り尽くせないものがある。

かかるご先祖の労苦あって、今日の我々がある事を忘れてはならない。

 

http://www.mahoroba-jp.net/blog/2009/03/post_459.html

「新しき扉、古き回廊」

http://www.mahoroba-jp.net/about_mahoroba/tayori/oriorino/oriorino200903tottori.htm

「鳥取慕情」

現代の「花咲か爺さん」!!

5月 4th, 2017

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私の幼馴染のお寺の大古木が、ある人を介して見事再生されたとのことで、

東京白金台、大久保彦左衛門屋敷跡の八芳園に案内された。

そこの生き生きと蘇った庭園は目にまばゆく、鯉は悠々と泳いでいる。

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「現代の花咲か爺さん」と呼ばれた福楽(ふくら)善康氏。

名からしてめでたし、めでたし。

何と、今日まで6000本の枯木を蘇らせたというから尋常ではない。

 

全国の名立たる大庭園、古城から神社仏閣に至るまで、その神技は並大抵ではない。

800年もの国指定の天然記念物の石戸の蒲櫻や世界遺産の天竜寺の櫻、仁和寺の松、

金閣・銀閣、平等院、大徳寺の木々、兼六園のケヤキ、

もう枚挙に暇のないほど銘木・古木を再生して来られた。

 

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そして、あの小説家佐藤愛子さんの櫻も、ヒコバエから見事に再生。

いつか彼女もこの奇跡を、『九十歳。何がめでたい』に続いて筆を起こすかもしれない。

世界盆栽オリンピック大会とも関わりの深い樹医の中の樹医である。

 

福楽先生

 

元より、生家は味噌・醤油・麹屋さんの老舗。

その神秘の一端をお聞きして、何かに繋がる思いでいる今である。

りんごの定植

5月 4th, 2017

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この春5月に、札幌山の手の「斎藤リンゴ園」の『マッカム』のリンゴ苗を

仁木の農園に植える予定でした。

昨年から、斎藤さんが接ぎ木して下さっておりました。

しかし、状態を見て、秋に植え替えをすることになりました。

全国にないマッカムは、昨年一個も入荷がありませんでした。

 

継承者のいらっしゃらない斎藤果樹園を、

近所の授産施設が少しずつ引き受けて今日まで来ました。

しかし、80年猶予も経つリンゴの巨木を育てて来られた斎藤さんの

熟練の技、観察眼、昼夜を分かたない愛情と手間暇は、

一朝にして育つものではありません。

多くの木が腐乱病に傷付いているのは、忍びないものがあります。

何本かは、切り倒しておりました。

新芽が、仁木の地で育つことを、夢見て。

 

以下、リンゴと斎藤さんの悲しみを知って・・・・。

http://www.mahoroba-jp.net/about_mahoroba/tayori/oriorino/oriorino2.htm

「精の宿り木」

http://www.mahoroba-jp.net/blog/2007/03/post_13.html

「リンゴ園の跡継ぎ募集」

http://www.mahoroba-jp.net/blog/2008/10/post_367.html

「旨し珍し味道中6、マッカムリンゴ」

小泉先生 まほろば 4 マッカム

 

 

(口にマッカムを頬張る小泉先生)

 

 

 

 

 

 

 

「サンヨネ」さんの三浦社長

5月 4th, 2017

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愛知県豊橋市の㈱サンヨネさんの三浦社長が、仁木の農園にわざわざ視察にお越し頂きました。創業が明治25年、何と125年も続く老舗スーパーです。

社是が、「ステキな会社をつくりましょう」。長い歴史の中で、遺った何気ないこの言葉に、重みと深い意味合いを感じます。

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日々、全国各地を視察に回り、直接生産者を訪ね、仕入れをされて、安全安心なより確かな物を、より安く買い易いお手頃価格で提供されて、努力を惜しまない独自路線を歩まれる三浦社長率いるサンヨネさんは、我々の理想の姿、夢の会社だと思います。

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昨朝も、早々から仕入れ先の寿都・かねき難波商店さんの小女子の加工現場を視察されてすぐ、農園にお越しになられました。まだ何もない農園ですが、丁度野生の浅葱の収穫を見て行かれました。全国各地で行われている各農法と、その情報を懇切に紹介してくださいます。大変勉強になりました。今後とも、ご指導を仰ぎたいと思います。

三浦社長

その後、農園の近所、私も初めての蕎麦処「こぶし」さんを訪ねました。砥の川の奥、踏み分けて入った山の中にあったのには、正直驚きました。周りの鬱蒼とした木々と山菜の宝庫、元はまほろばの西野で店をやられていたというから、この奇縁にも驚きました。

こぶし

ビーガン・ラーメン

5月 2nd, 2017

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先日、徐福会の講演前に、東京駅で、阿部一理先生と松浦さん、

㈱アウラの岩月社長(元THD社長)と久しぶりに再会、

TQ-UNISSの泉社長とは初対面で、色々なお話を伺った。

この泉社長、中矢伸一さんの「日月神示」を読まれて、

次の日から、一切の動物性を食べられなくなったそうである。

そして、そのビーガンライフを、22年もの間続けられているという。

これは、なかなか出来ることではなく、宿縁と言う他ない。

私の若き頃を、思い出していた。

 

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そこで、昼ご飯の時間となった処で、この東京駅構内で、

ビーガンの為のラーメン屋「T‘Sタンタン」に行こうと案内された。

一歩踏み入れて、まず驚くことは、外人さんの多い事、ムスリムの方々も。

ガイドブックでも掲載されているのだろうか。

上手に箸を使い、美味しそうに食べ、話しも弾んでいた。

味もなかなかのもので、精進とは思えない現代的で若者向きである。

 

世の中、激変したなー、と感じざるを得なかった。

このように、ビーガンも自然栽培も、その賛否正否の議論は別に置いて、

急速な広がりを持つ現代は、明らかに前時代を脱皮していた。

https://matcha-jp.com/jp/1982

http://www.nre.co.jp/Portals/0/shop/tantan/#page5

 

木彫り「土に帰る」

5月 2nd, 2017

会社に帰ると、

「土に帰る」の木彫のプレゼントが置かれてあった。

あの彫刻家の今村亨氏である。

彼の匠の彫で、多くの方々の表札が幾枚出来上がったことだろうか。

その彼から、本のお礼に素敵な木彫を頂いた。

何でも、このオンコ(イチイ)の木は使いでが無く、今まで取って置いたものらしい。

その虫食いと腐蝕で巧まずして出来た線と穴。

何気ない板の無為自然に、活かされる時を迎えたのだろうか。

横の筋は大地と山並み、上の穴は太陽、そして燦々と放射する陽光が、

またイキイキと想像をたくましくする。

そして、今村さんが

「また、木も土に帰ります」

と、静かに語られた。

活かされる時も、死する時も、待ちの心得が要る。

 

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「超能力微生物」はスゴイ!!!

4月 14th, 2017

先日、発酵学者・小泉武夫先生と仲間で会食した際、

「16日に『超能力微生物』の新書が出るんですよ。

それは、こうこう、これは、それそれ・・・・・・」

とお話しくださり、これは面白い、是非読まなきゃ!となる内容。

先生自らお書きになった要約を以下に・・・・・・。

 

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くさいが美味い!  小さいがしぶとい!
酵母、細菌、カビの神パワーに発酵仮面が迫る!!

古来から日本人は、麹(酒)、味噌、醤油など、微生物のはたらきを利用した食品を大切にしてきた。

発酵によってアミノ酸など「うまみ成分」が増し、保存期間も長くなる。

また、健康維持に「腸内細菌」が大きな役割を果たしていることも近年わかってきた。

まさに人類は、微生物に支えられて生きてきたのである。
それだけではない。

この地球上には人類が考えもつかないような“超能力”をもった微生物が、

まだまだ無数に存在していることが明らかになってきた。
たとえば、100℃以上の熱湯中に生きる微生物、

超高濃度の塩水(死海)に生息する微生物、

硫酸なみの強酸や強力放射能を浴びても死滅しない微生物……。
しかも、人類に天の恵みをもたらしてくれる微生物も続々発見されている。
動物性脂肪を植物性油脂に変換する微生物、

天然希少香料を醸す微生物、

汚染物質や有毒化学物質を分解してしまう微生物、

天然資源(レアメタル)のありかを探し出す微生物……。

もちろん、新たな抗生物質、特効薬を作り出すのも微生物だし、

食糧難を解決してくれる可能性さえ秘めている。

分子生物学の進歩によって、「ゲノム編集」「遺伝子組み換え」がブームだ。

しかし、人為的にDNAを組み換えてわけのわからない生物をつくるより、

自然界にまだまだ人知れず存在する“超能力微生物”を見つけ出してきて利用するほうが、

はるかにエコロジカルかつ合理的ではないか。

驚愕の「微生物グルメ」のエピソードも満載!
味覚を刺激されつつサイエンスのミステリーにせまる「発酵仮面」の真骨頂ここにあり!

 

小泉語録

 

お話の中で、とても大切なことを示された。

東京農大の教授になったのが、37歳の若さ。

それ以後、論文を書く必要がなかった。

それで、現場主義の実学者となれたのである。

つまり、現代は遺伝子解析など論文のため、

みな上記の分子生物学に走り、足で事実を検証する実学がなくなった。

そして、それがなければ、認められなくなった学会。

架空の人工物に走らざるを得なくなったとさえ言える。

その隙間を、先生は独り我が道を行き、

実際、存在する微生物を探し研究し利用することで、

現実世界にフィールドバックするを常とされた。

それが、今の世の中が、これほど発酵ブームに関わらず、

発酵学者が小泉先生お独りになったという経緯なのだ。

 

そして、カバンから一本の細いサインペンを差し出された。

これで、毎日4時半に起きて身を清めて執筆されるという。

140何冊の著作、皆自筆で書き直し無し(まるで、モーツアルト!)。

筆を握る指と手に、言霊が宿る。

マウスやキーボードでは、心が伝わらない、と。

 

そんなアナログ精神こそ、

アナログな生身の微生物と心を通わすことが出来るのだ!!!

最先端の技術と情報を追い求める余り、

私達は、大切な何かを失っているのではなかろうか。

自然は、自分の足元にこそ、答があると説いてくれる。。

 

麻墨「玄牝」が画龍点睛に!

4月 13th, 2017

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今朝から、小別沢の農園に雪が降り続く。

ハウスでローザビアンカ茄子の苗の種おろしをしていると、

突然、札幌プロパテイの佐藤武彦社長より電話があった。

「今、法輪閣で、村井紘一さんという若き画家が、

京都のお寺の依頼で、天井の龍を描いている。

最後の画龍点睛に、あの麻墨『玄牝』を使うので、

是非見に来てもらいたい」との由。

2週間以上も、店にも出れない状況の中、

不思議とその時間だけ、ポカッと空いた。

早速、季節外れの雪の中、豊平橋まで急ぐ。

 

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ワンフローア開けっ広げにされた中の大画面に、

大龍が四方の青龍、朱雀、白虎、玄武の四神霊獣を従えて、

麻紙に滲む漆黒の雲の中から現れ出でる。

最後の墨付けを見られなかったが、完成を見届けたい。

札幌発の奈良古梅園の麻墨と札幌出身の水墨画家が京古寺への献納。

新しき大地から古き歴史へ、古き文化から新しき次代を開く。

若きアーティストよ、世界にハバタケ!!!

 

入学市?4月の感謝デー開催中!!

4月 8th, 2017

ただいま、4月感謝デー、大盛況開催中!!明日9日までですよ~~!!

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