では、なぜ耕すのでしょうか?
農業というのは、出来たものを全部収穫してしまうので、堆肥や肥料の形で収奪したものを返してあげる必要があります。堆肥や肥料をまくと、そのままでは種を蒔けないので耕すわけです。耕せば水やりの必要が出て来るわけです。これは有機農法ですが、自然農法というのもいろいろありますが、福岡正信先生の自然農法は、循環する自然の摂理を最大限取り入れたもので、不耕起、無除草、無農薬、無肥料です。その代わり、自然の循環を壊さない程度に収穫し、次の世代の肥料になったり、種になったりする部分を残さなければなりません。栽培と言うものをしなかった古代の人々や、現代でもイヌイットやアイヌの人々、インデアンや、アボリジニの人々もそのようにして、肥料をあげたり、管理しない代わりに全部とりつくさないわけです。
でもそれは、現代のような大勢の人口を養う事は出来ません。一ヶ所に定着して、神様のまねをして栽培したり、家畜を養うようになって、人口は爆発的に増え、知恵も文化も科学も発達し、人類はあらゆる生き物の頂点に立つようになりました。
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