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まほろば自然農園
 
     


 2月1日に、男性社員(4人)とアルバイト(1人)の人の計5人で、ハウスにビニールを張りました。
去年は本店店長(大橋)に手伝ってもらったけれど、今年は自立してやれたので進歩です。(後で不具合が出て来ない事を祈ります。皆さん寒いのにご苦労様でした。)  

 その後、ハウスの中の雪を外に出して温床作りの準備をしたり、外側の雪を雪の降る度に排雪してハウスを雪から守ったりする為に、主としてチーフの福田君が、毎日のように行って作業してくれました。

 

 寒い北海道では、果菜類(トマト、ナス、ピーマン、キューリ、シシトウ、ナンバン、スイカ、ズッキーニ、カボチャ、オクラ等・・・)の苗作りは、毎年、ハウスを作るところから始まります。

 雪が融けてから露地に種をまいても、キューリ、ズッキーニ、カボチャ以外は、実がなり始める頃にはもう寒さが来て、霜害を受けてしまいます。

 最初はハウスというと、不自然な感じがしていましたが、13年間も作物を見ていると、暖かいのが好きな南国生まれの果菜類は、特に発芽や幼苗の頃は、暖かくしてあげるのが自然なのだと思うようになりました。

 

 どうせハウスで作らなければならないのなら、0−1テストで選んだ良い土や肥料や自家採取の種を使って少しでも安全で生命力の強い苗を作りたいと思って、4年位前から少しずつ苗づくりをするようになりました。  

  種や土が良くても、なかなか温度管理と水管理が難しくて、上手に作れませんが、今年こそは今年こそはと思って、いろいろ工夫に工夫を重ねています。  

  家庭菜園をされる方は、家庭菜園用の苗も作っていますので、心配しながら、5年目の出来ばえを楽しみにしていてくださいね。

 

@ 草木灰                 
A モンゴル塩のニガリ           
B かつおの液肥              
C ブラドミン(ボカシ発酵肥料)
D 天然硫酸カリウム(ソルトレークの湖底から)
E 陸王(主成分はMgで、天然鉱石から取ったもの)
F 不知火燐酸(1300℃以上で焼いた、狂牛病の心配のない燐酸肥料) G バーミキュライト(蛭石を高温で焼成したもの・土壌改良剤)
H パーライト(真珠岩を高温で焼成したもの・土壌改良剤)
I カナディアン・ピート
(ミズゴケなどが数千年以上の年月をかけて腐食堆積したの・カナダ北部の最高級品・土壌改良剤)
Jまほろば農園の土
K浄活水器エリクサーの水
Lまほろばフォロパシー「とほかみ」

● @〜Iまでは有機JAS対応肥料です。
これで良い苗が作れなかったら恥ずかしい!!
後は技術と愛情の問題です!!  

  そうそう愛情の問題ですが・・・・・冬場、農作業のない時は、本店の2階で時々、学習会をやるのですが、その時の話です。

 

 上記のように既製品を使わないオリジナルの育苗用土作りはなかなか大変です。
(有機JAS対応の育苗用土もあるのですが、まほろばは、もっとこだわりたいので)  
 まず、基本であるJの土に対して、0−1テストで、作物別に必要な資材を選び、それの量と配合割合を決めます。

それが決まったら、まず、土をふるいにかけて、きめ細かくして、それに土改剤やミネラルをまぜて、最後にJ、Lを入れて、最後に全部を満遍なく混ぜ合わせるのですが、これが一番大変なのです。

 私が行ってみると、全部手で混ぜていました。
愛情込めて、苗がすくすく育ってくれるようにという願を込めて・・・なのだそうです。  

 ミーテイングでは、そこまでやる必要があるかということが話題になりました。育苗用土づくりが男性群の大変な負担になっていて、それが春先の農作業の遅れと、人件費の膨張に繋がっていること、本当に大切なことなら止められないけれど、そこら辺はどうだろうかと・・・・・・。

 

 

 去年は初めて種まきをまかされた穂積君。最初の頃は、「うまく発芽してくれよ!、 すくすく育ってくれよ!」と、愛情込めて必死で声かけしながらやったけれど、あまり、うまく行かなかった。

ところが、だんだん慣れてきて、雨が降る前に急いでまかなければいけない時に、とにかく急いで何も考えずに無心で蒔いたら、その時が一番良く出来た。
「なんでやろ?」(彼は生粋の難波っ子です)と考え込んでしまった。

 去年は、店売り用のミニトマトの育苗用土の設計を間違えてしまい、少しも大きくならず、出荷できませんでした(後で気がつきました)。
愛情込めて手で混ぜ合わせたのに、です。
もしかしたら、愛情を込めるところの、軽重を間違えているのではないか?

 ミニトマトに対する愛情の一義は、ミニトマトが本当に喜んですくすく育ってくれるようなぴったりのオーダーメードソイルを間違えなく作り、好みの温度と水分をタイミングよく与えてあげること。
それが作物にとっては一番の「愛」であること、そこが間違えていれば、どんなに深い愛情を注いでも、作物は期待に応えてくれないこと。
愛は主観的ではなく、いかに作物や、自然の摂理に沿ったクールな対応が出来るか、それが基本にあって初めて熱い愛情も生きてくること。
作物はクールな愛情とホットな愛情と両方が必要だけれど、クールな愛情が前提条件であること。  

去年のように、土づくりにこだわり過ぎると、苗の移植や、定植の時期が遅れてしまったりして、作物は順調に育たないこと、などなど・・・・・・


 今年は、せめて左官屋さんのやっているように、スコップで混ぜ、間に合わない時や、大量に作るときは、コンクリート・ミキサーを使うことになりました。  

 ミキサーは、主人が15年くらい前に、自然農法の福岡先生の所に、粘土団子づくりの講習に行って来て、まほろば農園でも実践する為に買ったのがあるのですが、1〜2回使っただけで、ずっと使ってないのです。

  あの老荘思想で、『無』の哲学で、農業をする福岡先生でさえ、ミキサーを使っているのに〜〜〜!!!!!です。  
お客様はどんな苗が欲しいですか?

 

粘土団子
(野菜の種をミキサーの中に入れ
て、
粘土の粉と水を交互に噴きかけながら
キサーで回転させると、
種が中に入った粘
土団子が
出来るのです。
にがりやふのり、
消石灰、薬草等も
吹き付けます。
畑作には
適さないと分って止めました)

 


 2月の27日には、苗づくりで残ったハウスの半分の面積に青菜類を直まきしました。
4月の初旬には収穫できると思います。
そしてそれが終わる頃には、お待ちかねの露地で寒い冬を越冬した菜花や、レタス類が出荷になります。


 去年の研修生の山下君が辞めた後、代わりに、札幌在住の大林君が入りました。
31歳でこれまでコンピューター畑を歩いて来たのですが、30才を機に農業を目指したくなったのだそうです。頑張ってください。  

農園は毎年『行く人、来る人』ですが、それもまた人生の機微、仲良くやりましょう。






 冬場の農園の様子が、とてもよく分かります。  
それでは皆さま今年もよろしくお願い致します。







 今年も農園が始まりました。
1月下旬から第1ハウスと第2ハウスの周りと中で雪はねを始め、2月1日に第2ハウスの天井ビニールを張るので、それまでに第1ハウスと第2ハウスの下側のビニールを張らなくてはいけません。

 幸い天気に恵まれ、予定通り準備が出来、2月1日、第2ハウスの天井ビニール張りです。

 この天井ビニールは50m×10mと大きいので、他の農園スタッフにもお願いして、朝6時から始めました。

なぜそんなに早いのかと言うと、ビニール張りは風が吹くと大変だから、風のない朝早くに行います。
それでも突然の風で飛ばされながら、なんとか午前中に張り終わりました。

 毎年のことなのですが、朝早くからはさすがに寒いです。
張り終わってすぐにハウスの中に入ってみると、すでに温かくなっていました。さすがビニールハウス。

 今年からは第3ハウスも登場します。
これは去年第2ハウスの奥側に骨組みを立てた30mくらいのハウスです。
今(2月18日)はこの第3ハウスにビニールを張るため、周りの中の雪はねをしています。
2月1日に張った第1、第2ハウスはと言うと、あれから結構、雪が降りまして、その度に周りを雪はね(これは雪が解けるまで続きます)、中は早くも土が顔を出しています。

 ビニールハウスに入ると土のいい香りがしてきます。
中の雪が全部解けると、いよいよ苗立て用の温床作りが始まります。
これはもう少し今月下旬くらいから始まる予定です。
農園はまだまだ雪の中ですが、少しずつ春が近づいてきています。
そんな農園は小別沢の山裾にあり、自然の四季折々を間近に感じることが出来ます。

 ちょっと私なりの自然の楽しみを紹介します。

 

 

 雪解けとともに白樺の樹液採りが始まります。(3月中旬〜4月下旬) 白樺の根元に穴をあけ、笹の茎を差し込みペットボトルをセットするだけです。
だいたい一晩でペットボトル1本くらい採れます。 ほのかに甘い柔らかい口当たりの樹液です。山ぶどうのつるからは天然の化粧水が採れます。

 そして何といっても山菜です。
雪をよけると、フキノトウが収穫でき、雪が解けてからヨモギ、ワラビ、フキ、ウド、タラノ芽などが採れます。

小鳥のさえずりも聞こえてきます。

 まさにセミの大合唱です。
とてもいい音色を聞きながら仕事ができます。

生物も活発になってきて、トノサマバッタ、オニヤンマ、蝶々などが飛び交い、クワガタが道を横切ったり、トカゲやヘビが日向ぼっこをし、沢の石をめくるとサンショウウオが隠れています。
初夏には桑の実が食べられます。
いろいろな生命にあふれています。

 畑から見る紅葉していく山の様子は心癒されます。
大空を見上げると、無数の赤トンボが飛び交ってます。
どんぐりや松ぼっくり、クルミ、栗、落葉などクリスマスリースの材料もこの時期に拾います。
目を凝らして木の枝を見ていくと、空き家になった蜂の巣や鳥の巣も採ることが出来ます。
たくさんの登山者が落葉キノコを取りに訪れます。
コクワの実や山ブドウの実もたくさん採れます。

 

 幻想の世界です。

白銀の世界は本当に美しいです。 無風の中、シンシンと降る雪の中、山を見ると言葉では表現できない景色を楽しめます。キタキツネに会うことも出来ます。

 冬山をカンジキを履いて歩くのも楽しいです。
このような感じで日々畑をしながら、昼休憩などを利用して自然を満喫しています。

 今も雪を除けると雪の下から、ほら春が顔を出してますよ。

春はすぐそこですね。



      2010月03月号
   

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