冷夏と言う言葉があるのですが、冷春という言葉はありません。
でもまさに今年は冷春で、ハウスも露地の作物も中々大きくなりません。
その上寒暖の差が激しいので、対応に苦慮しています。営農計画や、作付けスケジュールは、変更、変更です。
露地の種まきや、苗の植え付けが20日間ほど遅れています。
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3日ほど前(4月25日)に、やっと露地の土が乾いてきて、不耕起ならどうにか植えられそうと、絹さやとグリンピースの苗を植えたら、今日は、朝から突風と雪で歩けないくらいです。
今年新しく作った第3ハウスのビニールが、また破れてしまい、修理におおわらわで、収穫が遅れてしまいました。
手伝いに行った私も、発泡スチロールの箱にチンゲン菜を収穫し、ハウスを出た途端に風雪にあおられてフタが飛びそうになり、慌てて箱ごとひっくり返してしまいました。
役に立たない私!!
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ところが、あっという間にフロントガラスに1センチも積もった雪を払いながら、本店のある西野の方に帰って来ると、雨が降っているだけでした。
山すその畑は景色も空気もよいけれど、人にも作物にも厳しいものがあります。
ところが、またこの厳しい気候が、作物の生命力を高め、味も濃く力強いものにしてくれるのですから、自然の采配に感謝しないわけには行きません。
例によって新しいものを集めるのが大好きな主人が、
沖縄の知人から「雲南百薬」というウコギ科の薬草をもらってきました。
せっかくなので、記念に主人に植えてもらいました。
こういう時は、仕事が忙しくても、万難を排して生き生きと駆けつけてくれます。
なんでも田七人参のような薬効があるとか、
収穫できるようになったら、また詳しくご紹介いたします。
木村さんは無肥料でリンゴを作っている人で、自然栽培で有名な人です。
木村さんの講演は、同じ農業者として深い共鳴と関心があり、
大変感動的でした。
一つには、
農業者として、リンゴに向かう深い祈りのような愛に対してでした。
二つには、
まほろば農園では、無農薬、無化学肥料、不耕起、半耕起、自家採取と、
いろいろやっていますが、無肥料というのは出来ていないからです。
無肥料が実現できればどんなに良い事でしょうか。
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まほろば農園も、0−1テストがなければ、もっと、無肥料の道をめざしていたと思います。もともと、福岡正信氏の自然農法から出発したわけですから…。
しかし、0−1テストは、まほろば農園には堆肥も肥料も必要と判断してきました。特にミネラルの必要性は高く、13年間、毎年毎年入れ続けてきました。長年、化学肥料だけに偏ってきた慣行農法の畑には、多量で多種類のミネラルや堆肥が必要でした。
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健康な土壌微生物が育ってくれば、いつまでも多量の堆肥やミネラルが必要だとは思いませんし、年々必要量が減ってはいるのですが、最終的に無肥料で出来るかどうかということについては、私自身、疑問符の方が大きいと思っています。
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豆科の植物は、空気中の窒素を固定し、植物はそのチッソを使ってタンパク質を作ることが出来ますし、すべての緑色植物は、空気中の炭酸ガスと、水と、太陽の光エネルギーをもらって光合成し、活動エネルギーやでんぷん質を作り出すことが出来ます。 |
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木村さんに限らず、自然農法では、マメ科の植物を重宝して、チッソを固定することの出来ない他の植物と共に植え、チッソ肥料を節約しています。
この方法は、古代エジプトや、中東の方でも古くから行われていたようで、大変合理的な良い考えだと思います。
以前にもまほろば農園で、マメ科のクローバーとトマトを共生させてみようと0−1テストしてみたことがあるのですが、なぜか合わないと出たので、その後あまり試してなかったのです。
大豆との共生などもっと色々試してみたいと思うようになりました。
しかし、ミネラルだけは植物は自給自足する事は出来ません。
土中にあるミネラルを使い切ってしまえば、自分で作る事は出来ません。
しかしです、もしもです・・・植物がミネラルを自給できる可能性があるとすれば、原子転換によって、自然界に豊富にある水や空気から、植物自らが必要なミネラルを作り出すことです。
その為には特異的に働いてくれる微生物の働きが不可欠ですが、自然はもともとそのような力を備えていないとも言い切れません。
常温核融合というのも科学者の間で何度も追試されているからです。
(しかし、いまだに科学的客観性が認められるところには至っていないようですが、)
しかしながら常識的には、普通生命体が行っている化学変化は動植物共に、分子レベルの変換であって、原子レベルの転換ではありません。
分りやすく言えば、分子レベルの変換というのは、子供がするブロック遊びのように、現存するブロックの組み合わせを変えて、色んなものを作ったり壊したりすることですが、原子転換というのは、基本になるブロックそのものの形質を変えることですから、そんなに簡単ではありません。
今のところ、原子転換は、何千度という高温の原子炉か、太陽や、地球内部のマグマの所でもなければ出来ないことになっています。
ツクシは土壌中にカルシウムが少なくても、ツクシ自身はカルシウムが豊富なので、原子転換しているのではないかと言われたりもしています。
あるいは、原子転換ではなく、地下茎で根が遠くまで複雑に伸びるので吸肥力が強いのか、カルシウムを濃縮する能力があるのか、もっと詳しく調査してみなければ、結論を出す事は出来ないようです。
無肥料で作物が作れるという人たちの論拠に、森の木や雑草は無肥料で立派に生きているではないかという主張があります。
本当にその通りだと思いますが、森の木や雑草と、野菜の違いは、野菜のようにどんどん収穫して食べてしまわないので、木の葉や自分の体を次の世代の肥料にして循環することが出来ます。
ところが野菜は、次世代の肥料分もほとんど残さないで、人が収奪してしまうので(特に青菜類)、やはり人の手で肥料を上げなければいけないのではないでしょうか。
果菜類は茎や木まで収穫する事はありませんが、シーズン中毎日収穫しますし、キュウリ等は一日に2回も収穫します。
アイヌの人たちは、
人の取り分をわきまえ、永続可能な自然を保つことによって、
人と自然が共生して生きてきました (広大な自然が豊かに備わっている時にはそれは可能なことでした)。
しかし、そのタブーを破ったのが農業や牧畜でした。
原始的な農業である焼畑農業では、3年も経つと肥料分が無くなり、土がやせるので(原子転換は起きていませんでした)、一定期間おきに移動しながら農業をしていました。
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しかし、収奪するだけで補わない農業は、次第に土を荒廃させ、今日の砂漠化の引き金にもなって来ました。
また開発途上国の子供たちは、亜鉛や鉄、カルシウム・・などのミネラル不足に苦しんでいますが、それは土壌にそのようなミネラルがないので、そこから採れた野菜にもミネラルが含まれていないからです。
もともと、ミネラル豊かな土壌であった為に、無肥料でいくらでも作物が出来た為、何千年という長い間、収奪を続けて来た結果なのだと言われています。
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何十年、何百年というスパンではなく、歴史という大きな流れの中で無肥料栽培を検証してみた時には、決して成功していないように見受けられます。
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自然から戴いたものは、別の形で肥料としてお返しする――――
このことによって、永続可能な現代の農法が形成され、定住生活も可能になり、人口も増えてきました。
近年になって、化学肥料でお返ししたのがいけなかっただけで、また、欲ばって自然が作ってくれる物以上にたくさん採ろうとして、どんどん肥料をあげたのも間違いでした。
その結果、農薬がなければ作れないようなメタボ野菜を作ってしまったのも間違いでした。
でも戴いたものはお返しする、これは自然の掟のような気がします。
それも、必要な物を戴いて、要らないものでお返しする。
お返しは、決して多過ぎも少な過ぎもしないこと。
これが自然に対する礼儀というものではないでしょうか?
昨年の春、我が家で大きくなり過ぎたプラムの木2本と、小さいリンゴの木1本を農園の山の一番高い所へ移しました。
プラムの木は10年ほど前に、小さな苗木を買ってきて植えたのですが、何一つ手入れもせず、肥料もあげず、予防もしないで、いつも虫に食べられていました。
そこで畑に持って行って0−1テストしてあげてちゃんと管理してあげようと思ったのでした。
ところが、去年から今年にかけて何度も0−1テストしているのですが、プラムもリンゴもどんな肥料も要らないとでるのです。
移植する為に思い切って剪定した為か、本来果樹というのは、もともと大して肥料の要らないものなのか、新しい土地に移って、果樹に必要なミネラルがまだまだ豊富にあるためか、はたまた、もともと無肥料で育ててきたので、吸肥力が強いためか、
まさか、原子転換能力が目覚めたのでは?
などなど・・・。
とにかく理由は分らないけれど、わが農園の果樹たちも、今の所、無肥料宣言しています。
今後も注目して行きたいと思います。
人類の農業の未来がかかっているからです。
きっとこんなこと言われていると思ったら、山のプラムとリンゴがびっくりするでしょうね。
時々経過報告致しますので、皆さまも関心を持って見守ってやって下さいね。
以上、私はリンゴの木村さんを批判しているのでも、無肥料農法を批判しているのでもありません。
但し、色んな考え方があって良いと思うし、まほろばが無肥料でやってないことに対して、何故なんだろう?と思う方たちに対して、こんな理由で、こんな考え方でやっていないのです。
ということを説明する必要があると思ったからです。
それは木村さんが、無肥料栽培について、こんな理由で、こんな考え方でやっています。
と、講演会や著作物を通して発表されるのと同じ事なのです。
それぞれの考え方を、お互い尊重することが出来れば、色んな考え方があった方が良いのだと思っています。
私自身、やはり無肥料の方が良かったと、いつか思うことがないとも言えません。
まだまだ未知数の要素がたくさんあるからです。
先月号でボランティアさんの募集をした所、大体10人ほどの登録がありました。(男性3名、女性7名)
有難うございました。
登録人数が多くても実際に出て戴ける方は少ないので、ひき続き募集して行きたいと思います。
ボランティアさんが入ることによって、今までと違う雰囲気もあり、皆で楽しく仕事しているようです。
今日、朝のミーテイングの時、誰も分からなかった私の質問に、ボランティアさんがしっかりと答えてくれました。お見事!!
農園スタッフの良い刺激にもなっています。みんな頑張れ!!
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まほろば農園だよりを何時でも楽しみにして読んで下さっているボランティアさんから、一ヶ月に一回ではなく、一週間に一回くらい発行して欲しいという要望がありました。
私は他にも一杯仕事があるので、これ以上は難しいなと思っていると、農園スタッフ全員で順番に書こうと言ってくれました。
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それで、写真もついた方が良いのではないかと言うことになって、デジカメも買いました。
何て頼もしい人たちなのでしょう!!
これもボランティアさん効果です。有難うございます。 |
切ってみたら未熟なカボチャだったのに、撮影する4月の25日頃まで全然傷む様子もなく、我が家のリビングの出窓の所にずっと転がされていました。
どの位まで持つのか置いてみたかったのですが、食べてみたい気持ちの方が強かったので、記録は終わりになりました。
でも、切ってみたら未熟でおいしくなかったので、そのまま置いておけばよかったと後悔しています。
ハウス野菜もそろそろ終盤となり、チンゲンサイと水菜くらいになりました。
本来ならハウス野菜が切れる頃には、露地野菜が並ぶのですが、今年は寒いので、露地は中々育ちません。
今日(5/2日)から急にお天気になり、暖かくなってきたので、売り出し頃にはもっと収穫出来ているかも知れません。 |
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こんにちは。
今年も農園が始まって3ヶ月ちょっとが経ちました。
すっかり雪も解けて、春らしい日になってきました。
今年もさっそく白樺水とふきのとうと春の味を楽しみながら農園を進めております。
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今の農園はと言うと、まずハウス内ではハウス野菜の出荷が続いていて、
お店でお客様に会うと
「今年もおいしい野菜ありがとう」「農園の野菜は本当においしいよ」
とやさしく声を掛けてくださいます。
本当になによりの力になります。ありがとうございます。
まだハウス野菜は続きますよ。
それと苗作りが畑にとって、もっとも大切で農園の一年を左右するくらい大切なことなのですが、肥料のバランスが悪かったらしくトマトが弱ってしまいました。
今は少しずつ回復してきていますが
「トマト君、ごめんね、早く元気になってね」
という気持ちで一杯です。
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今年で私は6年目になりますが、苗作りは本当難しいです。
水やりの量、温度管理、野菜ごとに一番合う土の肥料設計等など、なにか一つ間違うだけで苗の生育や発芽に大きなダメージを与えてしまいます。
今年こそは今年こそはと言いながら、今年も上手くいきませんでした。
本当にすいません。
露地においても雪が解けて、白菜なばなや小松なばなに肥料とヌカ堆肥をあげておいしい菜ばなが取れるようにしてあげます。
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ちなみに菜ばなは、昨年の秋に種まきして芽が出た白菜と小松菜を収穫しないで、雪の中で一冬越させます。
すると回りの葉は少し枯れてしまいますが、新芽はちゃんと生きていて春になると子孫を残すために全エネルギーをつかって新芽を育てます。
それを花が咲く前に収穫しているので、その味は格別においしいと私は思います。
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他にもニンニクも元気に芽を出しています。
雨が多く、まだ寒いですが、トンネルをしてきぬさや、スナック、グリンピースはもう露地に定植しました。雑菜も露地1回目は種蒔きしました。
いよいよ忙しい本番がスタートします。
今年はボランティアの方々に来てくださってとても助かっております。
本当にありがとうございます。
畑仕事は毎日忙しく過ぎるし、体力も頭も使う本当に大変な仕事です。
でも毎年、毎年、一年365日同じ日がありません。
いい日もあれば悪い日もある。
今まだ元気だった野菜が一日で元気なくなることもある。
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でも何年やっても何十年やっても同じ日は一日たりともないんです。
毎日変わります。それを大変と思うか、新鮮と思うか…。 私にとっては毎日が新鮮です。
常に変化する天候と作物の顔、それを今もてる自分の全てでぶつかって行くのはとても楽しいです。
だから私は農園の仕事は本当に大好きなんです。 |
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