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まほろば自然農園
 
 
   
 
     
     雪虫が飛び、手稲山も冠雪、漬物野菜の季節になりました。大量に大根、白菜、キャベツなどを店先に並べたいところですが、期待に反して余り並べるものがありません。 

 
     白菜の種まき時期や、キャベツの定植時期に旱魃で、その上、傾斜なので、白菜は何度播いても発芽出来ず、3回目にやっと発芽しましたが、時期すでに遅く、まだ結球してくれません。

  キャベツは、定植後、水やり出来ず(溜池が涸れたので)6000本ほどが全部枯れてしまいました。
キャベツは、別の畑に遅れて植えたものが1000本ほどあり、これから少しずつ出荷できると思います。


     
       輪黒(わぐろ)大根の正式名称は、パーティシリウム黒点病というのだそうで、症状と発生の仕組みは次ページの通りです。
 
     名前のごとく、パーティシリウムという糸状菌の仕業なので、普通、農家は種まき前に殺菌剤を使います。
乾燥が続くと、この菌が増殖するようです。

 きゅうりやかぼちゃ、きぬさや等のうどん粉病も、どんどん葉っぱが白くなって、文字通りうどん粉(小麦粉)のようになるわけです。しかし、胡瓜は夏場高温で外気が乾燥している間も、いつも潅水チューブで優先的に潅水するようにしているので、露地でも、うどん粉病も褐班病も症状は出ているのですが、被害は少なく、次々と新しい葉っぱや枝が伸びて、生まれ変わって行き、10月頃まで収穫できるようになりました。

 
     
       
     慣行農法や現代医学の考え方は放っておくと、いくらでも菌やウィルスが増えるので抗生物質や抗ウィルス薬で殺さねばいけないと言う考え方です。

 一方、自然農法や有機農法、自然療法の考え方は菌やウィルスが居ても、それに負けないで、抵抗力や免疫力の強い、また罹患したとしても、自然治癒能力の強い野菜や体力を付けようと言うものです。


       
   

 毎年、大根を植える適期は8月15日〜20日頃ですが、その頃までは夏の乾燥で土が乾いてしまっているのですが、いつでも大根をまく頃には、しばらくぶりの雨があります。
雨の天気予報があると、この予報を頼りにして、一万本くらいの大根を一斉に種まきします。

 しかし、本当はその1ヶ月位前までに、草が生えている所は草を刈り、草をしばらく乾かして、水分を飛ばし、浅くロータリーで鋤きこんでおく必要があります。
しかし、間に合わなかったので、直前に深くうね込んでしまいました。

 堆肥も、春一番に入れておく必要があるのですが、なかなか秋植えの大根の所にまで手が回らず、今年は直前に入れてしまいました。 
(毎年、間に合わないので、堆肥を入れないで植えていたら、段々土がやせて来たので、やってはいけないことをやってしまいました。)
大根は雪が降って凍結する直前まで畑にあるので、前年の最後に堆肥を入れておくことが難しいのです。




 
     
     さらに追肥の時期に草とりに追われて、追肥が出来ず、菌に強い体力をつけてあげることが出来ませんでした。
(種まきする前に、アルカリのミネラルはたくさんあげ、追肥でチッ素肥料をあげるのですが、アルカリのままになってしまいました。) 
 
 輪黒大根の発生する条件を整えてあげたようなものなので、本当に深く反省しています。


   
 
     
   

 しかし、今年は雨が異常に多かったので追肥でチッ素肥料を上げたら、また別の悪い菌が発生していて、近在の人から(水はけの悪い平地に大根を作っている)のように、外葉が黄化して成育障害が起きたかも知れません。
実際0-1テストでは、それほど必要と出なかったようです。

それに堆肥を入れたので、水はけが良くなり、雨の多い今年の天候にも耐えられ、一応、味の良い大根が大きく育ったのかも知れません。
期せずして最善の選択だったかもしれません。
傾斜地であることが幸いしていると思います。

べての大根に輪黒が出ているわけではなく、出ていても軽いので、柔らかく美味しく食べられるものが殆どなので、御理解戴ければありがたいと思います。

 

   
     お買い求め下さったお客様の中で、輪黒大根のあった方は、現物を持って来られなくても、代わりの大根を差し上げたいと思います。
どうか、ご遠慮なくお申し出下さい。

 また、輪黒大根も余程ひどいものでない限り、勿体ないので捨てないで利用して戴ければ嬉しく思います。

 どうか、これに懲りず、来年はもっと良いものを作りたいと思いますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。

 そこで、主人の一句。
(こんな寂しく侘しい句を作ってくれました)

     
       
       第3ハウスに作ったミニトマトは、それなりに味も良く、何時までも収穫出来ていたのですが、ミニトマトとミニトマトの間に作ったレタスが日当たりが悪くなりました。
     それに、ミニトマトは、今では夜やお天気の悪い時は、ハウスを閉めて暖かくしなければいけないのですが、レタスは寒くしてもっと風通しも良くしなければいけないのです。
しかし、ミニトマトのためにそれが出来ません。
ミニトマトに挟まれて、太陽も余り当たりません。

 それで、軟弱レタスになってしまいました。
間引きしたものをリーフレタスで販売しているのですが、味が薄くてまほろば農園のレタスのようではありません。

 春一番にツルなしインゲンや、ツルなしモロッコを植えていた後に、開けておくのはもったいないので、レタスを植えました。
何故レタスを植えたかというと、潅水設備の無い第3ハウスには余り頻繁に水遣りする事が出来ないので、それほど水が無くても育つレタスを植えたのです。
(恐らく何を植えても良いものは育たなかったと思うのですが)

   
 
     それでもうそろそろミニトマトも終わりと思い、ミニトマトの方を解体してしまいました。
放っておいても寒さが来て、収穫は落ちるし、その内凍結してしまうので、レタスの方を生かそうと考えたわけです。

 お蔭で、リーフレタスはハウスの窓を何時でも開けて、日当たりも良くなり、急に味が変わって美味しくなり、葉っぱもしっかりして来ました。
ところが例年のように、なかなか寒さが来ず、第1ハウス、第2ハウスのトマトは健在なので、ミニトマトももう少し残しておけば良かったのかもしれません。
なかなか上手くいかないものです。
       
     秋の記録的な集中豪雨を伴った台風で、第2ハウスのトマトが水浸しになってしまいました。
傾斜した第2農場から鉄砲水が、水はけを良くする為に設けたU字溝を通り抜けて入った為です。台風でハウスが風を孕み、とんでしまうといけないので入口も横も上も開けられる所は全部開けて風通しを良くしていたためです。


     中でも第2ハウスが一番ひどくてなかなか水が引きませんでした。夏ならスグ乾くのですが、寒くなるとなかなか乾かず、トマトのあじが水っぽくなってしまいました。
 第3のミニトマトや、第2のトマトは、2週間ほどで味が回復して来たのですが、一番被害がひどかった第2のトマトの中玉トマトは、なかなか回復せず、最近になってやっと少しずつ味が出て来たようです。

 ハウストマトは、第1・第2の区別はつけず、只ハウストマトというだけの表示で販売していますので、全部が混ざって美味しい時も、そうでない時も、あったと思います。
その上、第2ハウスのトマトが、量的に倍位多いので今年は申し訳なかったと思います。
       
       
     台風や大雨の影響ばかりでなく、今年は露地に比べ美味しいはずのハウストマトも、最初から今一つの味でした。今年と去年の違う所は、いままで不耕起で草マルチだったのですが、豆ガラや枯れ草を集めるのが大変なのと、草取りも大変なので、今年はビニールマルチにしてみました。ビニールマルチにする為には、耕さないといけないので、不耕起に出来ませんでした。トマトは冷涼な気候が好きなので、露地もハウスもビニールマルチは暑すぎて、味が落ちたのかもしれません。

 最初出来るだけビニールマルチは使いたくないと思い、使わないでどうにか上手に出来ないかといろいろ試してみましたが、やはりトマト以外の果菜類は、ビニールマルチが一番のようです。
あるいは、春寒い時には、ビニールマルチをして保温保湿して成長を促し、夏暑い時には、その上に刈り草をかけてあげて根元の直射日光を防ぎ、秋には刈り草をとって通路に移動すれば、夏それほど頻繁に水遣りしなくても、根っ子が焼けないかもしれません。
本当はそれが一番理想的だと思うのですが、それがなかなか難しいのです。家庭菜園の規模ならそれが出来るのですが、草はいくら刈っても乾くとカサが減ってしまうので、周り中の草を刈っても足りないし、莫大な労働力もかかります。今の所、根元はビニールマルチで通路に敷き草をする位です。

 お米も一緒に作っている農家なら労せずして稲藁を使うことが出来るのですが、・・・・・・無農薬の稲藁しか使いたくないし、有機農家は全量自家消費してしまうし、・・・・籾殻は苗作りの為に少しだけ無理を言って、川本さん(まほろばの有機米の契約農家さん)に分けてもらっていますが、・・・・・・
 不耕起にすると根が深く広く張って、殆どが水遣りしなくても良くなるので、味も良くなるのですが、ビニールマルチにすると熱くて、根が焼ける(痛む)のを防止するため、水遣りの回数が多くなり、それだけトマトも水っぽくなり、味が落ちるのかもしれません。
その代わり尻腐れ病は殆どありませんでした。
これは乾燥すると出やすいからです。
来年からは、トマトはまた元に戻して、不耕起、草マルチにしようかなと考えています。

   

 

   

 反対になすや胡瓜、ピーマン、ししとう、なんばん、ズッキーニ、ゴーヤなどいろいろやってみましたが、ビニールマルチしないものよりは、はるかに良い結果になります。
やはり、高温性の作物なので、いくら熱くしても水さえ上げていれば、どんどん実を付けてくれます。

 ノーマルチだと、保温や保湿性が良くないので、特に乾くと品質が劣化して実も小さく堅くなってしまいますし、定植後の成長がよくありません(寒いので)。

   


 

 
       
     今、静岡県の三島という所に出張中でホテルで書いているので、手書きで書いて、まだもっと書きたいことは、一杯あるのですが、書いたものをホテルから主人の所にファックスし、主人がワープロしてくれるので、余り多いと申し訳ないので、12月号に沢山書くことにしました。
申し訳ありません。
留守中にヒョウが降ったとの事、青菜類の葉っぱに穴が開かないか心配です。
 
     


 
     
       
       
       
     

 阿蘇の麓、阿蘇五岳や周りの山々からの養分が溶け出たふくよかな水が流れる菊池渓谷から、山の方へ舗装ままならない道を川沿いに上流へ向かうと、アンナプルナ農園があります。そこは、熊本のまさに火の国を思わせるダイナミックな猛々しさと、それに讃えられた自然の豊かさのど真ん中に位置するように存在していました。

 そんな阿蘇でも周りの木々を見ると、杉だらけでどこか鬱蒼として、陰湿なイメージを感じさせました。今回伺ったアンナプルナ農園さんでは「木を植えましょう」という活動をされてます。文明の発展により、数多の生命の棲み処である森が減り、命が棲めない無機的なビルや砂漠が増え、地球は姿を変えてきています。それに輪を掛けての原発問題、時代はグローバルに発展していき、関税を排するTPPなど時代が大きく動いています。

       その文明の流れを危惧し、自分達で出来る事をしようと、アンナプルナ農園の裏山に楢やクヌキ、ケヤキ、ミズキ、桜、ヤマグリなどの落葉広葉樹を5000本ほど植えました。その目の前の杉林と比較してみると、陰湿なそれとは対象的に明るく、生命の声が反響するように、活発に蠢きあっているようです。
     生きている森と死んでいる森、というと大袈裟かもしれませんが、一口に自然といっても、様々な生態系が競い合い、共生しあい、多様性をもたらせている本当の自然というのは、今そこら中の山をみれば分

かる通り、本当に少ないです。

 アンナプルナ農園は無農薬、無化学肥料で、一番茶しか取らないこだわりのお茶を、このまほろばにも卸して貰っています。その農家としての一方で、旦那さんの正木高志さんは本を多数出版されていたり、ご夫婦で歌を歌い、CDを出されていたり、木を植えましょうの植林運動、反原発など沢山の啓蒙活動をされています。生きる事、衣食住、生活の全てがアートでありたい、創造的に平和に、人間中心ではない、自然の循環に沿った生き方をしたいと願っているそうです。

   
 
     

それは僕が好きな宮澤賢治にちょっと似ています。賢治は厳しい現実である生活、労働と、自身の内面生活や理想を矛盾させることなく、同一視しているように私には思えます。農業と芸術、現実と理想、それらを全く反対に位置付けるのではなく、同じ所から発生したもの、そう捉えているように感じます。

 正木さんは若い頃、世界を旅し、特にインドを遍歴して様々な哲学、文化に触れて、色んな体験をしてきたそうです。その中で築き上げられてきた、自然に対する感謝と、それによってもたらされた価値観に共感し、集まってくる人が大勢いるそうです。あの歌手のUAさんもその一人です。
奥さんのチコさんも、娘さんのラビさんも、皆さんすごく感受性が豊かです(僕が訪ねた時はチコさんしか居ませんでしたが)。

 僕が帰る時、チコさんが歌を歌ってくれました。
アンナプルナのお茶を飲みながら、木の椅子に深く腰掛け、リラックスしながら僕だけの為のコンサートに耳を傾けました。優しく、角の無いチコさんの声と、そのとてもシンプルな歌詞とメロディを聴いていると、その空間がまどろみ、そこに安らかな時間が現われ、すごく癒されました。
というか寝そうになりました。

アンナプルナはサンスクリット語で「豊饒の女神」という意味です。
その大きな母性に抱かれたような安心感を、このシンプルな歌は孕んでいました。母性は自然そのものであり、万物を内包するそれの、愛を歌っているように感じました。

       アンナプルナさんのお茶、CD、本はまほろばに置いてありますので、是非手に取って見て下さい!
ありがとうございました。 
       

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