食物の味

パオパオがけして青菜作りをしていると、作物の味を決める要素が分って来ました。肥料のバランスが大事だということは誰でも思うことですが、それだけではけっして美味しい野菜を作ることはできません。夏場になると、露地では、まず日照りが続いて日差しが強い時は、水気がなくなり味が濃くなりすぎて、野草や山菜のようにアクが強くなり、渋みや苦味、えぐ味のような味が出てきて硬く食べにくくなります。
ハウス野菜に慣れている方には、ちょっと敬遠されてしまいます。その上、前回も書きましたように、栄養分は、水分と一緒に吸収されるので、雨が降らないと土に栄養分があっても吸収することができなくなり、抵抗力が弱って虫に食べられてしまいます。そこで、パオパオ(不繊布)がけして乾燥を防ぎ、時々潅水する必要があるのです。
しばらく雨がなく、潅水する暇もないので、四六時中パオパオをかけっぱなしにしてありました。カブがおいしそうにできたので食べてみると、ただ甘いだけで、気が抜けたような味で今一つ複雑な旨みがありません。あまり強すぎると嫌われる苦味や辛味、しぶみ、えぐ味などの味も、適度に必要な隠し味であり、ミネラルの味でもあるのです。

自然は美味しい

パオパオの長さが足りなくて、パオパオからはみ出したところは虫に喰われ、葉も傷んでいたので自家用に食べてみると、単純でない甘味と適度な辛味がありおいしいのです。でも、見た目が悪いので、店に出してもきっと売れ残ってしまうでしょう。虫食い野菜が余りに嫌われるので、きれいに作ろうとすると味が悪くなるのです。

第3の道

そこで、パオパオをかけっぱなしにしていると、パオパオの中は夜温が下がらないので、昼夜の寒暖の差が小さくなり、朝露もうけにくいということに気づきました。見た目もきれいで生命力も強く、味も複雑でおいしいものを作るには、夜はパオパオを外し、陽射しの強くなる10時頃にパオパオをかけ、夕方にはまた外す、この繰り返しが必要なことに気づきました。 春菊で試してみると、本当に適度に柔らかく、適度に春菊らしい苦みがあり、春菊らしい香りがあるのです。あとは、この面倒な作業をどれだけ実行できるか―これが一番難しいけれど―だけです。このお便りが出る頃には、さて、どんな野菜がまほろばの店頭に並んでいることでしょうか。作物の味を決めるのは、適度な太陽と、適度な水分、メリハリのある温度、気ままな風、生きた土(複雑な栄養バランス)それらをぬかりなく統括するのは、作り手の愛情。

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