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まほろばだより−健康コラム−

 今回から、日本人の〈あるべき食の姿を考える〉と題し、新たに連載を始めます。これは、私の45年間の自然食人生と、0−1テストによって到達した生命観、食養観の集大成と言うべきものになると思います。結果的には、<伝統的な食養観>に掉さす事もあり、<伝統的な日本型食生活にリターンしよう>と言う時代の潮流にも逆らう面もあります。長寿世界一の<日本型食生活を見習おう>という世界的な流れもあります。また、貿易自由化と減反政策で瀕死の米作農家に大反対に合うかもしれません。そのような事もあり、長く胸に秘めて迷っていました。しかし、いろんな考え方があっていいと思うし、今だからこそ出さなければいけないのだとも思います。 広範な方々からの反論・ご感想を戴けたらと願うしだいです。

 

 自然食は、穀菜食を推奨される方たちが多いのですが、その理論的根拠の一つに歯の形があります。
 主婦と生活社から出ている『古代食おもしろ辞典』と言う本があるのですが、その中に左のように書かれています。

 

「古代和食」は、人類の理想食
  
 日本人のおとなの歯は、ふつう上下あわせて、三十二本あります。三十二本の中の四本が「犬歯」で、これが肉食向きの歯です。「臼歯」は二十本で、「うす歯」ともいわれますように、この歯の本来の機能は穀物を噛みこなすためにあります。伝統的に肉食中心の欧米人の場合、歯は二十八本しか生えない場合が非常に多い。肉のようにやわらかいものを食べ続げた結果、第三大臼歯、つまり「親知らず」が退化してしまっているのです。  ところが、最近では、日本人でも親知らずが四本そろって出てくるのは、三分の一くらいになっているのです。
あまり噛む必要のない、やわらかなソフト・フードばかり増えてきたために、顎が小さく退化してしまい、親知らずが芽を出すスぺースがなくなってしまったのです。人間には、「犬歯」が四本しか生えないということに、注目すべきでしょう。つまり、食事の中の肉食比率は、三十二分の四でよいということなのです。  
 人間のからだの構造にマッチした正しい食事は、穀物を主力とし、これに野菜類を加えて八○パーセント以上とし肉は一〇パーセント強でよいということを、「歯の数」で暗示しているのです。  
 もともと人類は、穀物や野薬を中心とした、雑食性のきわめて高い哺乳類だったのですが、その本来の食体系をもっとも忠実に継承してきたのが、実は日本民族。  
 それが、「米」と「大豆」を中心にして発達した「古代和食」で、いま、世界中で美容効果の高い、ヘルシーな食事として注目されている「日本型食生活」の原型といってよいでしよう。  
 欧米人に親知らずが生えないのは、肉食中心に移行したためで、その結果、コレステ ロールのとりすぎにつながり肥満や心臓病といった、成人痛の増加に苦しむことになりました。  
 日本人も最近では、同じような傾向を強めているだけに風土に合った、米、大豆、野菜、魚という“先祖食”を見直す必要があるのではないでしょうか。 』(「古代食おもしろ事典)永山久夫 著 主婦と生活社 刊)



 ところが、0−1テストすると、肉も魚も卵も乳製品も野菜も海草も果物も、何でもバランスよく食べるのが良いと出るのです。 しかも、でんぷん質は極力減らし、野菜や海草や果物を増やしたほうが良いとでるのです。 つまり、動物性食品を増やした分だけでんぷん質を減らし、野菜や海草や果物を多くするわけです。実際にそうした方が、体調は良くなるし、不思議と病気も良くなって行くのですが、しかし、このように形態学的に歯の構造から説明されると、反論する余地もなく、理論的に行き詰まっていました。  



 その後、12年ほど前に、『原日本人』(朝日新聞社刊)と言う本を読んでびっくりしました。それによると、人類が農耕生活を始めたのは、一万年ほど前からと言われておりますが、それ以前の狩猟採集民で肉食も多かった縄文人と、農耕民である弥生人の歯の形を比較した資料や、写真が載っていました。
  驚いた事に、狩猟・漁労で肉食をしていた縄文人の方が、歯は全体に小さく、大臼歯は平らで、よくすり減っており、穀物を多く摂っていた農耕弥生民族の方がむしろ、前歯はシャベル状に鋭く、犬歯、小臼歯、第2大臼歯も大きく、噛み合わせの溝の深さは、縄文人より2,5倍以上も深くなっています。  


 これは、穀菜食=天食を主張する人たちの考えとは正反対でした。そればかりでなく、0−1テストの指し示す方向に従って、食生活を改善していくと、縄文食に近い形になってきたのです。しかもそれは現代の最先端のアンチエイジング(抗老化)医学が、食との関連分野で到達しかかっている方向性とも、はからずも一致しているものでした。


   
 

 その後、いろいろと関心を持って過ごして来ましたが、最近、『ケンブリッジ世界の食物史大百科事典』(朝倉書店刊)の中にも同じことが書かれているのを見つけました。
 これはもはや、一、二の研究者の考え方ではなく、人類の祖先の食に関する考察として、世界中の考古学者や、人類学者が認めたアカデミックな知見であると言うことです。

 その中の〈歯と食性〉と言う所に次のように書かれてあります。

 
 『農民は地域の差異にかかわらず、狩猟採集民と比較して、臼歯の咬合面の凸凹がはっきりしている。 狩猟採集民は、どれも均等に歯が平らにすり減る傾向がある』  

 また

 『西欧人は食物に混入した異物をすべて取り除いて食べているので、歯のすり減りはとても遅い』

とも言っています。つまり、西欧人は肉を食べるから歯が鋭いのではなく、消化の良いものを食べてきたから歯がすり減ってないだけだと言うことなのです。

 しかも、

  『肉食中心の欧米人の場合、歯は28本しか生えない場合が多い』


 と書かれている事についても、現代人のように消化の良いものばかり食べている為の退化現象だと考えた方が正しいように思います。実際にも現代人は親知らずが生えなかったり、生えても正しく生えない人が増えているわけですから。

  さらに、

  『32本中の4本が犬歯で、これが肉食向きの歯です』

 と言っています。しかし、32本中の4本と言うのは、12.5パーセントにあたります。歯の構造どおりに食べたとしても、一日3回、一食について12.5パーセントも肉を食べている人のことを誰も穀菜食とは言わないと思います。犬歯4本だけでも、人類は本来十分雑食動物ではないでしょうか。それに、犬歯がなくても食べられる柔らかい卵や魚、乳製品もあります。

 


 
  また、

〈肉食動物と人を比較して、その歯の形状の違いから、人は穀菜食をするよう に出来ている〉

 と言う論もあります。一度は“なるほど”とは思ったものの、私は素朴にありのままに考えたものです。

 なぜ狼やライオンの歯は鋭いのでしょうか?それは道具を持たない動物が食を得る為に、獲物を噛み殺したり、肉や皮を引き裂いたりする為です。そして、実際に食べる時には、動物は人のようにゆっくり噛む事はなく、まるで呑み込むように食べています。生存競争の厳しいジャングルでは、いつ横取りされるか分からないからです。また、生肉は引き裂くのがやっとで、噛み砕くことはできません。だから、鋭い歯以外は必要でないし、すり減って臼状にもならないのです。  



 ところが、知能の発達した人類は、道具を使って獲物を仕留め、道具を使って細かく切り分け、火を使って柔らかく料理したので、肉食はしても、鋭い牙はそれほど必要ではなかったのです。それでも、弥生時代のように、農耕技術や加工技術、料理法の発達していない縄文時代には、まだまだ硬いものを、犬歯で噛み切ったり、臼歯で噛み砕いたりして食べなければいけなかったので、歯はすり減ったのだと思います。  

 また、火を使うようになった人類は、あわてて呑み込まなくても、外敵に邪魔されることなく(動物は火を怖がるので)ゆっくり噛んで食べることが出来、歯はすり減ったけれど、一方ではさらなる大脳の発達にもつながったと思われます。 したがって、野生の肉食動物と、火や道具を使い、知能の発達した人類と、歯の形だけで比較したりするのはどうかと思うわけです。また、歯の形だけから比較したとしても犬歯4本は十分雑食性だと言えるでしょう。  

 


 
 生態系の頂点に立つ人類は、あらゆるものをバランスよく食べるように作られているのではないでしょうか?
 
 バランスよくと言う観点から大雑把に言えば、欧米人は肉を食べすぎ、アジア系の人々はでんぷん質を取りすぎているようです。  



 現代人は運動不足なのに、でんぷん質を取りすぎているところへ、肉を始めとした動物性食品や、大量の質の悪い油や砂糖や間食、アルコール、タバコ、農薬、添加物などがどっと入って来ているのが今の日本人です。多すぎたものを減らすことなく、不足したものをどんどん入れているのです。

 
 その結果、メタボリックシンドローム→成人病と言う恐怖に怯える事になってしまいました。もしかすると、世界最悪の体質に邁進しているのかも知れません。

 では具体的にどのようにしたらよいのでしょうか?

 それを納得しながら実行して戴くために、今回からシリーズでいろんな角度から<日本人のあるべき食の姿>に迫ってみたいと思います。
 
 次回は、同じく世界大百科の中の一文、

  〈さらに重要なのは、すでに人類学者が認識しつつあるように、狩猟採集から農耕への移行は、一般的に質の高い食料から、質の低い食料へ移行する事によって特徴づけられる点にある。〉

  と言うさらに衝撃的な内容について、人類学的な史実や栄養学的観点と私見を交えながら、論を展開してみたいと思います。  

 

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