旧石器時代の人々は、主として狩猟によって食糧を得ていました。野牛、原牛、ナウマンゾウなどの大型哺乳動物の骨、ニホンシカ、イノシシ、ノウサギなどの中小哺乳動物の骨や、大型哺乳動物を解体する作業場(キル・サイト)が発見されています。また、道具も、植物資源の加工・処理に有利な頑丈なタイプの石器(削器や石斧)よりも狩猟具に使いそうな先のとがった石器や、壊れやすい鋭い刃(石刃・細石刃)のある石器が発達しており、食糧の獲得手段は、狩猟が主体であったことを証拠づけています。
また、いくつかの間接的な証拠から、漁労も行われていたであろうと考えられています。
縄文時代といわれる日本の新石器時代の始まりは、氷河期が終わり、大陸と地続きになっていた氷がとけ、切り離されて日本列島が形成された頃にはじまります。それは、今から1万2000年前に始まり、紀元前200年前頃まで続きました。
この気候変化により、ナウマン象などの大型獣が絶滅し、イノシシ、ニホンジカなど動きの早い中型の動物が主流になり、植物では針葉樹林に変わり落葉広葉樹林が広がるなど自然環境が大きく変化しました。自然環境の変化にともなって、狩猟・採集の中身も変わってきました。大型獣の絶滅で、動物資源が減少し、それに変わって、広葉樹の木の実(ドングリ、クリなど)が採集され、海産の食糧資源にも依存した、複雑で豊かな食生活が展開されていました。
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