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まほろばだより−トピックス−

・・・・26周年を迎えて・・・

まほろば主人 宮下 周平




 昨年が四半世紀だった記念祭が、瞬く間に一年が過ぎ、 また「まほろば」は50年半世紀先に向おうとしている。

夢のように迎え、
夢のように往く歳月の流れ、
人々の去来。

片時も留まる事無き無常の河は、物も人も招き入れ、また外に押し遣(や)る。

 そこは常に古きが如く新しく、 新しきが如くして古く、 生々流転して止まず、一つとして同じ物、同じ事がない。

これを、ギリシア哲人ヘラクレイトスはパンタレイと言った。
まほろばとて、この定めより逃れようも無くも、時には流れに棹差し、処として流れに任せ、往くとして自然の命に従い来たるのみ。






 その為して来た事は、「決して大きくしない事」、「日々その業を全うする事」に尽きる。

信条は『薄紙を剥がすが如く、重ねるべし』であった。

「俄(にわか)に盛んなることは、また俄に寂(さび)れるべし」と、心に刻んでいた。

この仕事も流行(はや)って浮き足立つことなく、それこそチリ紙を毎日毎日一枚一枚重ねるように積む事が、最も肝要なりと、皆と共にその道を歩んで来た。

上がりもせねば、下がりもせぬ、少しずつ少しずつ、蝸牛(かたつむり)の歩みの如く、よし鈍くとも、と。


事業は引く時も、打って出る処もあろう。
しかし、身の丈を知るというか、器を見定めるというか、引くことが多かったように思う。

出店の大きな話、事業拡大の旨味ある誘い、海外との取引の打診などなど様々にあったが、悉く背を向けて、小さい日常業務に励んだ。


 皆の苦労は、水鳥の平静にして足は寸分も休むことなき如く、並大抵の働きではなかった。
孜々として拳々として働き積める。
何が自慢となれば、従業員の無私の働きを第一に挙げたい。

故に、まほろばが今日あると言っても過言ではない。
これは会社にとっても誉れであり、宝である。





 そして、それを支持して下さるお客様の多い事、筆に尽くせぬものがある。

思い起こせば、26年前アパートで開業した時からのお客様のほとんど、あの行商の背に食い込む荷、雪道を自転車で一軒一軒豆腐を届け歩いた家の方々が皆そっくり今日お客様で居て下さる事、常連さんで居て下さる事、こんな幸いなる事はなく、これほど果報なる事はない。

ありがたい、ただ有難い。

 当時、経済的なこともあり、比較的ご高齢な方々に支えられたように思う。

あれから26年、年々若年層の方々が急激に増え、店を圧倒するようになって来た。

これも環境問題、子供さんなどご家族の健康問題が、安全安心な食への関心度を否応なしに押し広げていっているのであろう。

今では、見知らぬお客様が、ほとんどというほどに激増しているように思われる。

これも、本当にありがたいことである。

そんな層の厚いお客様に、まほろばは守られ支えられて今日まで来られた。



 オリジナル浄活水器・エリクサーも10年の節目を迎え、尚も多くの人々に支持され、一昨年来「森下自然医学」にも認められて、また新たなるご縁で全国販路も開かれそうにある。

 また、専務、宮下洋子が50年かけて探求した食の道が、この度「インテグレード〔統合的〕マクロビオテック」と銘打って、志ある方に認知され、東京を中心にこの実践思想が、次代の指標として注目され普及されそうな気運にある。

 また、まほろば自然農園も、年々営農技術が確立され、安定した農産物が産出されるようになったことは、独自な0−1テスト農法として報らされるだろう。






 これからも「小國寡民」の夢を一枚一枚積み重ね、長いバトンタッチのリレーを手渡しで未来に続けることが出来たら、と願うばかりである。

  最後に、「まほろば」を応援して下さる数知れぬお客様、数多ある生産者やメーカーの方々、多くの従業員に、万感の思いを込めて、感謝の意をお伝えしたいと思います。

これまでありがとうございました。

これからもありがとうございます。                                    合掌

 


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