玉杵尊の 教ゑの帯は
身々の衣に 品弁(わきま)えて
国治む 帯は岩身の
固めなり
男は下合わせ
女は上ぞ 孕みの帯は
葛城山の 世嗣社に
御胤祈る ときに天より
丹鳳の 一羽落つれば
天つ宣 これ息吹山の
なる紅葉 化けて葛城
鳳山 羽裂き見れば
二十四筋 数備われど
常あらず 諸鳥見れば
十五に裂け
日高見に鶴
奉る 羽裂き見れば
二十四なり 故諸羽を
撚り直し 雄鶴を経に
雌を緯に 羽毛(けふ)の細布
織り以つて 四十八備わる
御腹帯 母御 伊奘冉尊(いざなみ)
長孕み 九十六月して
産み給ふ 天照神ぞ
ハタレ魔の 障れど帯に
整ひて 四十八備わる
その例し 照れば姫君
障らねど 息吸(いきす)日立と
なる帯ぞ
(十六紋三十一頁)
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