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まほろばだより−トピックス−
 
   



   
 まほろばの肉類の生産者である興農ファームでは、長年取引していた大型店の経営が悪化し、一ヶ月に1千万円の売り上げがあった牛肉の売り上げが10分の1に落ち込んでしまいました。

 また、三陸からの稲ワラに放射能が検出され、全国に流通したと言う風評被害で牛肉の売り上げが急激に落ちたこと、さらに、売れない牛の飼料代も嵩んだこと、等々、悪い事が次々に重なりました。



 
   

 

 

 

 本田さんは、ここ10年余り有機農業運動に全身全霊を捧げて来られ、「有機農業推進法」が制定までこぎつけられたのも、本田さんの力が絶大で、有機農業を取り巻く環境は大きく前進して来ました。

 反面、ファームは人任せが多く、飼育管理に杜撰な面も出て、今年の猛暑、残暑の影響で、豚が200頭も大量死してしまいました〈1千万円相当の損害〉。

 現在は本田さんはファームに落ち着いて仕事をされ、あらゆる面がどんどん改善されて来ています。



 

 

 

 

 

 

 当然、母豚も多く死んで、系統選抜された優秀な母豚が少なくなってしまいました。

 従って、豚の方は需要に供給が追いつかないと言う状況で、一日も早い母豚の導入が急がれます。

まほろばは、今の所優先的に回してもらっていますが、いつまで続くか分からない状況です。




 

 

 

 

 牛の方は、販路の確保と、生産の縮小、ホルスタインから1年中放牧で飼料も手間もかかりにくいアンガス牛への全面的移行〈今までは2種類〉という方向で、飼料代の抑制を図っているところです。



 

 


 
 

 

 

 興農ファームを倒産させてはいけないと言うことで、全国から人的にも金銭的にも支援が寄せられ、4千万円ほどの資金が集まりました。

競売にかかった土地を取り戻す為に、一人で2500万円もカンパして下さった本田さんのファンの方もありました。

これは本当に驚くべきことです。
債権者も農業委員会も大変驚いていました。




 

 


 

 

 興農ファーム再建の為の経営委員会が設立され、全国から委員が集まって、定期的に会を重ねて来ました。

 全国有機農業学会々長の中島先生(茨城)を始めとして、九州、大阪から2名、道内は当麻グリーンライフの瀬川代表と、まほろば自然農園代表の私の6名です。

 全国から全員手弁当で集まって、その会議のハードなこと、トイレタイムもティータイムも、食事タイムもなく、飲みながら食べながら、初日は午後から8時間、2日目、朝8時から1時までの連続会議が、帰りの飛行機の時間を見ながら、張り詰めた緊張感の中で続きます。


 
 

 


 

 


 

 

 現在では、集まったお金で、飼料会社や解体業者への支払い、その他急務の返済は、どうにか済ませることが出来ましたが、拡大再生産の為の系統選抜された母豚を導入する為の資金が500万円ほど不足しています。

 そこで、まほろばのお客様にもカンパをお願いできないものかと思い立ちました。

 まほろばにとっても、お客様にとっても興農ファームの豚肉は、健康な命を支えてくれるかけがえのない恵みです。
 まほろばも、物心両面で一生懸命支えて行きたいと思っていますが、今一つ力不足です。

 年の瀬も迫り、何かと物入りかと思いますが、日本の有機農業の発展と、私たちの家族や子孫の健康と繁栄の為に、決して興農ファームを倒産させるわけには行きません。
どうかよろしくお願い致します。


 

 

 

 


 

 

 興農ファームを応援する為に、各地で行っている宮下洋子主宰のインテグレートマクロビオティック講座を、まほろば本店(11/23)と、厚別(11/24)で開催することに致しました。

23日の本店では難波っ子、厚別店長のお好み焼きチャリティーも開店したいと思います。

収入はすべて興農ファームにカンパ致します。
詳細は別紙をご覧ください。

 以下は、従業員教育の為に作成されたテキストの抜粋ですが、興農ファームを理解して戴く為の資料として引用させて戴くことにしました。

 

 



 

 



 

 

 
 興農ファームは1976年(昭和51年)入植以来、毎月資金繰りに苦しみながらも、次々と新しいことに、果敢に取り組んできた。


 

 


 

 

 

 等を取組んできました。

これらの事は多くの農家では、したいと思っても、直ぐにお金を産まない。
もし失敗したら倒産するのでは不安が先に立ち入り口の所で尻込みしてしまい結局何もせず、今の現状から抜け出ようとはしないままである。

 そんな中で何故興農ファームは37年のも長きにわたり、挑戦し続けてきたのだろうか。
 それは命と向き合い命を育む本来の農業の在り方への追及である。


 

 


 

 

 『立体的有畜複合総合農法』とは「低投入」「内部循環」「自然共生」、この3つの鍵を基本とした寒冷地型畜産を軸とした輪作体系である。

 今まで寒冷地は温度が低く作物は作れないと言うのが通説であったが、『立体的有畜複合総合農法』は、逆にこの寒冷地の特性である、有機物が充分に分解されない事を利用して作物を栽培しようとする農業技術であり、単位当たり面積からの収入を高める技術でもあり、人間と家畜が共生できる技術でもある。

 基本的には畑は人間の食べものを生産することを目的にしている。
家畜飼料を目的化した畑の利用は間違いである。

 牧草地は家畜飼料畑と位置付けるのではなく、畑の利用プロセスにおいての休閑地として位置付け、畑の微生物を紫外線から守るため牧草を播種する。
結果牧草が茂るので草食動物である牛を飼うことになる。
牛を飼うから牧草地ではなく畑利用の一環としての休閑地に草が出来るから牛なのである。

牧草の根は温暖地では毎年更新され、古い根は毎年微生物により分解され、土の栄養に変わるが、寒冷地では低温の為根が完全に分解されず畑に残ってしまう。
これが草の根の分桔を阻害している。

 この残った牧草根を豚の特性である鼻で穴を掘る特性を利用し、豚を草地更新畑に放牧し牧草を根ごと土ごと食べさせ、微生物の塊となった糞土を畑に排泄させて、残根に生息する根圏微生物を活性化させる。
糞土に生息する大量の微生物で、残根を一気に分解し土の栄養に転換し、その畑に作物を栽培する。
その際作物の花から蜂を利用し受粉率を高めさせる。
その結果貴重な栄養源である蜜が恵まれる。

牧草を豚が食べることにより豚の自己免疫が高まる。
草のないところに放牧するのでは単なる運動場である。

栽培される作物は、残渣物が家畜飼料として利用できる作目を選択し、家畜と人間の畑での共生を図る。

この一連の流れをシステムとして確立することが当面の課題である。


 

 

 
 このシステムの確立の後に、家畜の糞尿を利用し、メタンガスを取出すバイオエネルギーの創出も考えている。
メタンを取った後の液体は速効性肥料として十分な効果を発揮する。


 興農ファームで働いてくださる皆さんの仕事は、とても大きな社会的意義を持っていることに誇りと自信を持って、それぞれの持ち場で、仕事に励んでください。



   
 


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