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まほろばだより−トピックス−

 
 いつもまほろばにご来店いただき本当にありがとうございます。  

2年半まほろば厚別店の店長を務めさせていただきましたが、
誠に勝手ながら3月31日を持ちまして退職させていただくこととなりました。  

  まほろばを通して出逢った方々にはいくらお礼を言っても足りないくらいお世話になり、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
ありがとうございました。


 
 僕には大学生の妹と弟がいます。

兄弟の中でも人一倍、親に心配や迷惑をかけてきたという思いが強くいつか必ず親孝行したいと思いながらいました。  

まだまだ父親も、母親も必死に働かなければいけないという状況が続く中、祖父、祖母も高齢となり僕も自分の家のことを少しずつ考えるようになっていました。


 そして約1年ほど前に当時一人暮らしをしていたアパートを出て、実家の一階で店を始めるためにもう一度実家に引っ越しをすることを決意しました。  

実家の一階は祖父の代でお店をやっていたのでスペース自体はすでにある状態でした。このスペースを有効に使い、両親、祖父母に少しでも貢献できる仕事はないか。
あと数年で定年となる父親と一緒に働ける仕事は何か。
まほろばの経験を活かし、個人経営できることはないか。



 自分の実家で自分たちの生活できる最低限の収入が確保出来て、とにかくお客様に本当に心のこもった良いものを提供できないだろうか。

 お店自体大きくある必要はないなどいろいろなことをと考えていました。

さまざまな角度から検証し、考えに考え抜いた結果、ドーナツ屋を開くことに決めました。

 こだわりたいのは『食材』と『手作り』です。

『食材』は自分の目で見て自分で直接触れた物を極力使いたいという思いがあり、今年のために去年の7月から北広島に100坪の土地を借り、農園を始めました。
ここでできた野菜を生地に練りこんでドーナツを作りたいと思ってます。
他にも、まほろば農園の野菜や、オーガニックの小麦粉、オイルやナッツ類などはまほろばの食材を使用します。
   
 基準という言葉にもうすでにずれが生じている現代。
生まれてくる多くの赤ちゃんがアトピーや何らかのトラブルを抱えているのが当たり前のような世の中で、本当に食べられるものが限定されている人たちも増えてきているはずです。

そこで僕は基準というものをより小さなもの、弱いものに向けたモノづくりをしようと考えました。
『極小、極弱を基準としたモノづくり。少数派が認める広い世界、広い味』をテーマに誰が食べても安心で安全なもので「おいしい!」を実現させたいと思っています。



 店の名前は『DOKODA(ドコダ)』といいます。

この名前は昨年の5月に決まりました。
ドーナツ屋をやると決めてから4、5ケ月。
自分は一体何がしたいのか?
自分のやるべきことはなんなのか。
この先の未来。 自分の一番やりたいこと。
自分の居場所はどこなんだ?

自問自答の日々でした。 良いものを作りたい。
こだわったものを提供したい。 ドーナツ。こだわり。
こだわったドーナツはドコダ!?

「あっ!ドーナツの『ド』こだわりの『コダ』で『DOKODA(ドコダ)』にしよう!」こんな感じで決まりました。


 お店に並ぶドーナツはドーナツとは呼ばず『ドコダ』と呼びます。

プレーンドコダ、チョコドコダ、ホウレンソウドコダ、などなど夢は広がります。

そのほか種類の違う『ココダ』というドーナツ、インカインチオイルを使用したハード系のパン『イインカ』、無発酵パン『ナンダ』など少しずつ出来るところから始めようと思っています。 




 自家農園の方では、土、日、祝を利用してイベントを開催します。
農園の名前は『Dokoda Familia(ドコダファミリア)』といいます。

Familiaは家族(Family)、農場(Farm)の語源となった単語で、縁、つながり、畑を営む、など様々な意味を持つ言葉でまさしく僕がやりたいことにあっていると思いこの名前にしました。

 

  昨年は農作業と収穫をした後、その場で採れた野菜を料理して食べるというシンプルなイベントを7月から10月まで、開催しました。
「来年もお願いします!」という声が多く、今年は内容や特典も増やして本格的に計画を立てやって行こうと考えています。

 
 僕の中学時代からの友人が千歳の支笏で『かのあ』というカヌーのガイドハウスをやっていてその友人と共に坪数を270坪に拡大し野菜の販売、カヌーツアーと農園のイベントを合わせてツアーを企画している最中です。
2人ではできないことは、昨年イベントに参加してくれた方々や友人、大学の後輩、路上ライブのお客さんなどのつながりを借りてお互いに貢献し合えたり助け合える関係を築きたいなと思っています。
 
 


 その中でも、僕は特に学生たちの力を大いに借りたいと感じていて、いずれはツアー企画も考えさせてあげたいなと思っています。

それは学生時代にほとんど就職活動もせず、フラフラしていた自分よりもはるかに今の学生たちの方がこれからのこと、社会のことを考えているなとイベントを通して感じたからです。
 

 その思いをどの方向に、どんな形で発信すればいいのか、それがわからない。そんな社会が現代の就職率の低さを象徴していたりするのではないでしょうか。

小さなことかもしれないけど農作業を通して日の光を浴びることの中で自然を感じ、今抱えている不安や焦りなどをはらい大いに輝けるフィールドを見つけてほしい。
学生たちに限らず自分が本当に輝けるフィールドが今の日本には少なすぎるのではないかと思います。

※ かのあホームページ  http://gh-canoa.com/  

※ Dokoda Familia    http://familia.gh-canoa.com/ 
 


 『手作り』に関してはドーナツ自体手作りなのは当たり前で、店内の装飾やお客様へ配るチラシ、広告よりも口コミなどという、本当にシンプルな形でやりたいと思っていて、それらもすべて含めて『手作りの味(個性的な味)』になっていくのではないかと思っています。  
 店内の装飾は、僕が学生時代からやっているバンドのCDジャケットなどを作ってくれている方に手伝ってもらって絵を書いたり看板を作ったり、建築士の方に建築士になるために勉強中の学生さんを紹介してもらってアイディアを借りたりしながら、自分の手で進めています。
いろいろな方の助けを借りてここまで来たんだなと思います。



 
 まほろばに入社して3年、厚別店に来てから2年半、本当にいろいろなことがありました。  
厚別に来た当時はまだ22歳のただの若者でした。

しかし、自分で自分を見て思うことは本当に素晴らしいお客様、素晴らしい環境、素晴らしいスタッフ、素晴らしいお店で働かせていただいたお陰で1から店を始めよう!と思える人間になれたんだとつくづく思います。  

 

 僕は本当に幸せ者です。
いつも笑ってお声をかけていただけるお客様がいる。
躓いて転びそうになった時に手を差し伸べてくれるスタッフがいる。
ありのままの自分を表現させてもらえるフィールドがある。
こんなにも素晴らしい場所を自分から離れるのは非常に辛いし、不安です。

 ただ今後僕らの世代が日本を動かす世代となるときに、どれだけの経験を積んできたのか、ということがとても大切で、さらに下の世代に引き継いでいきたいなと思うのです。


 僕は今年で26歳になります。
現実的すぎるかもしれませんが今なら失敗しても起き上れる。
今しか失敗できない。だからこそ思いっきり、「本当にできるのだろうか?!」の不安の中に飛び込んでやろうと思います。  

 先日まほろばに講演会で来られた、イタリアンレストラン「アル・ケッチャーノ」の奥田政行シェフもおっしゃってましたが、
「プレッシャーを楽しめるようになったら強い」。本当にそう思います。  

 

  自分自身もこれからやることに対しても根元からたくましくなれるようにこれからもがんばっていきたいなと思っておりますのでどうか応援よろしくお願い致します。



 

 最後に本当に最近感じたことなのですが、僕が憧れているミュージシャンの「ゆず」が2月に最新のアルバムを発表しました。
中学時代から10年以上ファンクラブに入り応援し続けています。 

 このグループがアルバムを出すと、必ずと言っていいほど感じるものがあり、即戦力になる考え方につながることが多いです。  

アルバムの中心曲である『HAMO』の歌詞の中で「1+1=2じゃなくて無限に広がり空へ放つ」この言葉を聞いて僕が思ったことは「1+1=1だ!」でした。なぜ?
 ゆずが発信しているメッセージは1+1は2にも3にも4にも・・・無限の可能性を秘めている(推測ですが・・・笑)ということ。   

僕はそれに対して実感したことも1つあり1+1=1だと感じました。
それは中学時代のバドミントン部の顧問の先生に「ダブルスは1+1=1にならなければならない。
心が2つでプレーしてもお互いの我が出てしまう。
「1つになることなんだよ!」という言葉でした。

今まではバドミントンのダブルスに関しては心にはとめていた言葉でしたが、日常的に感じながら生活はしていませんでした。  


 「1つになる」というのはこの先、僕が独立をしてお店を経営していくうえでもとても重要なことです。
可能性は2にも3にも広げられますが、実は、伝えたいこと、大切なことは、本当に1つで、商品や対面してお話をしたりすることを通して「ありがとう!」って言えること。 そんなことなのかもしれません。

 
   まほろばの理念である「小国寡民」の 「大きくなる事は、果たして良かったのでしょうか。」
「多い事は、本当に豊かな事だったのでしょうか。」という言葉が今やっと自分なりに実感できた気がします。
小さく密度濃く、信じた道を追求したいと思います。



 
今まで本当にありがとうございました!

まほろばで過ごした3年間。
振り返っても辛いことなど思い出せないほど楽しいことに溢れていました。

本当に『感謝』この一言に尽きます!

 

 
 
「1+1=1」、 僕とお客様、 僕と自分のお店、
これからの僕とこれからのまほろば、全ては繋がっていてこれからもずっとひとつに近づける関係になれたらなと僕は思います。

 今後ともまほろばをよろしくお願いいたします。

 

 

 





 
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