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先生のお父様はこの地の村長をされていたが、63歳で逝かれた。息子(福岡先生)が自分のいうことを中々聞かなくて困られたという。その反骨精神が代々引き継がれて、今の雅人さん(64歳)、孫・大樹さん(34歳)も、親の生き方とは違った方法で歩んだ。しかし、農業から離れることは無かった。 |
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今年正月に家に戻られてから、食欲も出て急速に回復されたという。生来の生命力の強さが頭をもたげたのだ。
言葉もご不自由で、記憶も失われたが、風貌はしっかりした往年の翁のそれであった。
会話は、専ら息子嫁の李枝子さんとであった。
先生の奥様が亡くなられてから、一家のお嫁さんとして、ご主人の雅人さんを助け、先生をお世話し、畑やみかん山を切り盛りし、研修生の面倒や指導をして、八面六臂の活躍をなさっている。あの難しい福岡先生のお嫁さんとして仕え、これまでやって来られたのは、並の賢婦人ではない。
李枝子さんが「北海道で自然食をされているまほろばさんですよ。お義父さんに言われて、自然食の店を始めて、もう二十五年にもなるのよ」と、伝えると、「世界の自然食を考えなくてはならない……」
とつぶやかれた。
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