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まほろばだより−トピックス−




 このモンゴルの旅を提案下さった木曽路物産の鹿野社長。
「今回は、シリンゴルの重曹が主な視察地です」  
この時、「塩の吉蘭泰(ジランタイ)や麦飯石の奈曼旗(ナーマンキ)へは行かないのですか」と問うた。


 それは、「七五三塩」の岩塩の湖や「エリクサー」セラミックの麦飯石の山を、この眼で何時か確かめたい、何億年の地球の記憶を辿りたい夢があったからだ。  
ある意味、重曹はどうでも良かった。
自分の眼中には重曹は入っていなかった。  

 モンゴル塩は内蒙古の南西のジランタイ、麦飯石は北東のナーマンキ、両端離れていて、今回は、ほぼ真中に当たるジランタイなので、全て回るには日程の都合がつかなかった。
 モンゴルは今日まで、毎年訪問のチャンスはあったが、不思議に行けなかった。

今回は、興安盟の視察団の御縁があって、漸くその機が熟したように自分には思えた。
如何なることでも、とにかく行ってみようと半ば無目的な決断だった。

 しかし、何かが待っているのかもしれないと、微かに思う希望があった



 実は、今回の旅の主なる一行は、岩尾明子代表が率いるCPPクリーンプラネットプロジェクトのNPOの皆さんだということであった。
初めて耳にするその名。それは「重曹」を愛用する「重曹生活者」の家族が参加されるという。  

 青島周りで先にクエン酸工場に来ていた私達は、北京空港で彼らを出迎えた。 時に、北京オリンピックで空港は世界の人々を出迎えるのに混雑を極めていたが、その中からマスクをした集団が出て来た。

その異様さは周囲の目を引いた。
その一行がCPPの皆さんだったのだ。
北京の空気の悪さは、飛行機から降り立ったその時に、すでに感じられたらしい。  

 実際、共に旅行して、内蒙古から中国吉林省の農村地帯に入ったと同時に、彼等は反応して咳き込み、すぐマスクをせざるを得なかった。それは、モンゴルは放牧主体で田畑が少なく、中国内陸部は漢族が畑を至る所に作る。
それに伴う何らかの散布が空気を汚すのだろう。

 それにすぐさまCPPの皆さんの体が警告を発するのだ。  
まさに、彼等は敏感な生体センサーなのだ。如何なる計測機械より、精密な生体機器である。しかし、日常的には大変な苦渋を強いられるのだ。  
ことに、石油系化学合成の樹脂や洗剤、また農薬や添加物だらけの食べ物などなど、現代生活を取り巻く人工の製品は彼らにとって命を蝕み、脅かす物以外の何物でもなかった。  
ことに日常に欠くことの出来ない洗剤などは、家にあることさえ反応の元になる。 化学洗剤で洗った衣服を着るだけで、激しい反応が出て苦しむと言う。  

 まほろばには、そういうアレルギー・アトピーや化学物質過敏症のお客様が多く、その苦悩を日頃見聞きしているので、彼らへの理解は早かった。そのような彼らにとって天然素材の「重曹」は福音であり、救世主であった。

 重曹をすでに扱っていたにも拘わらず、自分の勉強不足、認識不足を恥じた。  
何故にここまで来られたのか。
命がけとも言える一行の止むに止まれぬ想いが、ここまで彼らを引き寄せたものなのか。  

 彼らにとって「重曹のない生活は考えられない」という所まで、追い詰められていた。 これ無くしては、一刻も過ごせない体になってしまった。
それほど、生活になくてはならないものになった「重曹」とは何なのか。  
  この光景を目の当たりにして、私の見る眼が激変したというのは、言うまでもない。

 内蒙古の首都フフホトから錫林郭勒(シリンゴル)盟へと向った。  
何故に今回の旅があったかは、その壮大な平原の中に突如現れた重曹の露天掘りの鉱山に入って、初めて理解したのだ。  

 その、世界一の重曹の鉱床を見た時、一切が見えて来たように感じた。その鉱山は大いなる空と繋がって、すべての悪しきものを消し去るように思えたのだ。
 
「無垢の大地が現代を救う」 そんなイメージを描くのに、これほど相応しい場はないだろう。  
こんな情景も背景も、かつて見たことがない。
360度、体を回転させても、ただ地平線が天空と繋がっているだけだった。 そこには重曹の平原が、だだっ広く続くだけなのだ。  

人類の苦悩の大きさが、この天空にすっぽり入るように感じられた。
天が、今日の時代を見据えて、この浄化の宝を原始の原に埋めておいたのだろう。  
これは、人類に贈られた天のプレゼントのように思えたのだった。

  そして、その山を求めてCPPの家族の方々が辿り着いたその巡礼の旅の終点には、実はこの家族だけではない、世界が求めている、人類が探していた宝の山があったような気がした。





          

 つい最近まで「重曹」と聞けば、「膨らまし粉」位しか思い浮かばなかった。

 3年ほど前になるだろうか。
木曽路さんから重曹が初めて入荷しても、それが「掃除洗濯に使われる!」という革命的な事件が起きている事にさえ鈍感だった。
実は、日本においても重曹が家庭の万能薬であることに気付き、普及したのは極々最近の事だったのだ。

 その気付きの扉を押し開いた一人が、今回同伴した岩尾さんだった。
彼女は、いわば日本における重曹普及のフロンティア、立役者でもあったのだ。NHKの「ためしてガッテン」や「まちかど情報室」などでしばしばTVに登場し、ご覧になった方も多いと思う。
『魔法の粉ベーキングソーダ(重曹)335の使い方』の翻訳、『魔法の液体ビネガー(お酢)278の使い方』の編著訳をはじめとして、『重曹生活のススメ』『重曹でお洗濯!』などなどの著書もある。  

 そもそも彼女が、重曹のすばらしさを知ったのは、7年前、米国のカレン・ローガンさんが書いた『天使は清しき家に舞い降りる』に出合い、出版に携わったことからだった。 そこには、主に「重曹」と「ビネガー」、「エッセンシャルオイル」を使い、安心で簡単、家の中をきれいに、気持ちよくするためのノウハウが書かれていた。 
その本の出版をきっかけに、インターネット・サイト「地球に優しいお掃除」と、それを運営するボランティア組織「クリーン・プラネット・プロジェクト(CPP)」が誕生することになった。  

 このサイトでは毎日、重曹愛用者が、情報交換し、より快適な安心生活を目ざしている。その日々積み重なった重曹の新しい使い方や発見が、世界を駆け巡り、さらに多くの重曹ファンを増やしている。
この7年間にネットでの参加者が、当初の100倍、9万人に膨れ上がった。そして今回参加した皆さんは、そのメンバーである。

  台所の油汚れ、風呂のカビ、トイレの黄ばみなど、掃除清掃の分野で遺憾なく威力を発揮する。さらに、入浴剤や歯みがき、消臭剤にも使える。
この計り知れない無限の可能性。
また、菓子や料理にも、昔から幅広く使われ、薬局では「胃薬」としても売られている。 このように、口に入れても安全で、環境にも優しい。

 現在、日本中の子供の30%はアレルギー体質で、毎月5sも使う家族もあり、重曹はもう必需品になってしまっている。こんな夢のような重曹(ベーキングソーダ)---その正体は、天が降りかける、まさに「魔法の粉」だった。  
 
 米国では、嫁ぐ娘に、「重曹」の使い方と知恵をしっかり躾けて次代に繋いでいる。日本にも、この輪が広がろうとしている。
いや、拡げなければならない。
今、その勢いは、誰も止める事が出来ないのだ。





 
  今、温暖化や環境問題で世界が、大揺れに揺れている今、その解決策、救い主として颯爽として登場した「重曹」とは何なのか。  

  その解説を静岡大学の熊野善介教授と内蒙古師範大学化学教授の王巴特尓(ワン・バートル)博士に解説して頂く。

静岡大学教育学部      熊野善介 教授

合成洗剤に含まれる酵素はアトピー性皮膚炎等の原因になる恐れが懸念される。しかし重曹は純度が高い場合膨らし粉として使用される食品添加物であり、人体に安全な物質である。
曹は、排水で問題とされるBOD・COD値が0og/L であり、さらに内分泌撹乱物質(環境ホルモン)も含まれていない。
水溶液の は約8・4であり、弱アルカリ性である。

一般的な嫌な臭いというのはほとんどが酸性である。
重曹は弱アルカリ性であるため酸と中和することができる。
この中和により、酸性の臭いを消すことができる。冷蔵庫、排水口、下駄箱等の消臭に強い効果を発揮する。
さらに、アルカリ性の臭いである煙草や生ゴミの臭いも消し去ることができる。

重曹の粒子は非常に小さい粒子であり、硬度が新モース硬度で2・5程度である。
そのためモース硬度の高いステンレスや鉄といった材料などを傷つけることなく、汚れを落とすことができる。
しかし、アルミや銅などの柔らかい金属は傷がついてしまう。


重曹は加熱することで炭酸ナトリウム、二酸化炭素、水に分解する。分解温度は水溶液では約 ℃である。この発砲効果により、汚れを浮き上がらせ、より汚れを落とすことができる。
化学反応式 2NaHC03→Na2C03+C02+H20 (下図参照↓)

度成分の代表としてカルシウムイオンとマグネシウムイオンがある。
水の中にはこのカルシウム、マグネシウムが含まれている。
そして、このような高度成分をたくさん含んだものが硬水と呼ばれるものである。
重曹は水に溶けると高度成分を包みこみ、水を洗浄に理想的な超軟水の状態に近づける。


重曹は弱アルカリ性である。それに対して、身の回りの汚れや油は弱酸性である。そのため、アルカリ性の重曹は酸性の汚れと中和して、汚れを落とす効果を発揮する。





●化学的酸素要求量、COD

(Chemical Oxygen Demand)とは、水中の被酸化性物質量を酸化するために必要とする酸素量で示したものである。代表的な水質の指標の一つであり、酸素消費量とも呼ばれる。 生物化学的酸素要求量、BOD(Biochemical oxygen demand)は、生物化学的酸素消費量とも呼ばれる最も一般的な水質指標のひとつである。水中の有機物などの量を、その酸化分解のために微生物が必要とする酸素の量で表したもので、特定の物質を示すものではない。単位は O mg/L または mg-O2/L だが、通常 mg/L と略される。一般に、BODの値が大きいほど、その水質は悪いと言える。

● 新モース硬度
ダイヤモンドは旧モース硬度では10で一番固いことになります。モース硬度というのは、材料同士(実際は鉱物同士ですが)で勝負して勝ち負けをつけて(擦り傷がついた方が負け)10段階に決めたものです。なお、新モース硬度は15段階です。


●超軟水
硬水の原因となるカノレシウム・マグネシウムイオンなどの高度成分が極めて少ない水のこと。





 
 以上のいい事尽くめの効果効能を聞くと、にわかに目が開かれる思いがする。 今日まで、「重曹」がなかったわけではない。しかし、今ほど、その重要性が叫ばれる時はなかった。では、その化学的構造はどうなっているのだろうか。

シリンゴルでお会いした木曽路物産さんのお抱え学者ワン・バートル博士に伺ってみる。
(*難しいと思われる方は、この章を飛ばしてお読み下さい)

内蒙古師範大学化学教授 王巴特尓(ワン・バートル)博士の講義より

(2008年7月 日)

 重曹」は「炭酸水素ナトリウム(組成式NaHCO3)」の俗称で、略称で「重炭酸ソーダ」と呼ばれている。

医薬品、粉石鹸、洗濯用、二酸化炭素発生剤、ベーキングパウダー、消化剤、工業的にはソーダ灰製造の中間原料等、用途は極めて広い。


 自然界において、かんすい(炭酸ナトリウム)資源として化学組成がかんすい自体、生成分になっている「サーモナトライト」と言う鉱物が知られている(イタリアVesuvius火山)。
しかし、単なる重曹鉱物はまだ聞かれておらず、主に乾燥地帯の「かんすい湖」または「トロナ(trona)鉱物」中にかんすいの副産物として含まれて存在する。  

 上述から分かるように、膨大な使用量に応じて、大量の重曹製品を合成手段で造らねばならない。
このため私達が現在使っている重曹は「合成品」と「天然品」の違いがある。


 重曹を合成する際、「ソーダ灰」即ち「炭酸ナトリウム」を主成分とする。  しかし、「炭酸ナトリウム」鉱物資源も地球上に限られているので、更に炭酸ナトリウムも合成されるようになった。

  1780年前後フランスの化学者ルブラウンLEBLANCが食塩から炭酸ナトリウムを造る方法を発明し、ルブラン・ソーダ法と呼ばれた。
この方法は1828年ドイツに移植され、1892年(明治25年)大阪で操業される。  

 1861年頃ベルギーのソルベーSOLVAYが食塩水に二酸化炭素とアンモニアを通じて最後に炭酸ナトリウムを得る最も経済的な方法を発明し、1866年工業化され、後「アンモニアソーダ法(ソルベ法)」と呼ばれた。
日本はルブラン法を捨てて「アンモニアソーダ法」を導入し、炭酸ナトリウムを合成し始めたのは1916年(大正5年)、旭硝子だった。  


 

 現在、欧米諸国を初めほとんどの国はアンモニアソーダ法によって炭酸ナトリウムを製造し今日に至っている。
またこのプロセスを使った時に、中間物として生成した粗重曹を取り出して精製し製品化した重曹製品は、その製造量から見て主流を占める。  

 原材料、出発物質の違う点に注目し、天然炭酸ナトリウムを使用せずに「アンモニアソーダ法」によって入手した重曹を「合成重曹」と私(王博士)は定義している。
アンモニアソーダ法によらず、天然炭酸ナトリウムを出発物質にして得られた重曹を「天然重曹」と定義している。

 





 天然重曹はアンモニアソーダ法(ソルベ法)の様に食塩水やアンモニア等を使わず、天然かんすい鉱物を直接掘り出して得られた炭酸ナトリウム原料を水に溶かし、濃厚なかんすいを造って二酸化炭素CO2を通じるだけで得られる重曹である。

 簡単に言うと天然かんすい、水、CO2から造られる重曹を私は天然重曹と言っている。
 
  合成品・天然品いずれにしても100%に近い高純度を実現すれば皆同じ炭酸水素ナトリウム分子であるので、両者は違いがない。

 しかし、問題は純度であり、前者は食塩とアンモニア(NH3)等を使ったのだから、最終製品に微少量の塩化アンモニウム(NH4CL)やアンモニア臭等が残る可能性があり、また不純物として塩化物イオンCL-濃度が比較的高い場合があったりするので、医薬品や食品添加物業者はあまり好まない。


  これに対し、「天然重曹」はこのような残留の危険性が全くないため、消費者に賞賛愛用される。
 
 天然かんすい資源を用い、天然重曹製品を造っている優秀なプラントを持つ工場は、中国はシリンゴルの「チャガンノールかんすい湖」における内蒙古蒙西`化工有限公司宸尼特分公司と河南省桐柏県安棚アx礦と二ヶ所ある。



 内モンゴルのシリンゴル盟宸尼特境内に13km2 面積を持つ盆地があり、中央部にチャンガンノールというかんすい湖が形成された。

 およそ1000〜200,000年間の新生代・第四紀に、湖面が地層より深さ6mぐらい埋められ、その下は第四紀・湖項の化学沈積層となり、面積が7・9km2 もある。沈積層の化学組成は次の通りである。

(炭酸ナトリウムNa2CO3 25%、重曹NaHCo3 3%、食塩Nacl 3%、 亡硝Na2SO4 12%、残りは水分その他)  
この様な化学組成を持つかんすい鉱物を露天掘りし、石灰石を熱して得られる二酸化炭素、水を組み合わせて天然重曹を造っている。

 
製造工程は、・・・
 
  @鉱物採取 
  A水に溶かしてかんすい溶液を造る。 
  B自然沈降させる。
  C濾過精製する。 
  
D二酸化炭素ガスを通じて炭酸化させ重曹が生成
   (本来3%位あった重曹と一緒になる) 
  E濃縮し重曹結晶が析出。  
  F遠心分離し重曹を取る
  (原料に混在した少量の食塩、
    亡硝等その量と溶解度差で母液中残る) 
  G120℃の熱風で乾燥する。
  H除鉄工程。 
  I製品タンク 
  J包装(製品の粒度 ミクロン以下)


 モンゴル・シリンゴルの新しい鉱床から発掘された天然重曹が、如何に恵まれた大地の恩恵であり、自然に負荷をかけない化学的構造を持っているか頷ける。
やはり、天然に産出したものでなければ、人類社会を浄化出来ないと考えるのだ。  

原料は内モンゴル自治区政府との合弁事業として、露天掘で採掘されている。産地のシリンゴル高原は国境地帯のため、最近まで民間人は立ち入ることができない秘境で、恐竜の化石調査に訪れた学者たちにより、偶然そこに巨大な鉱脈が発見されたのだ。

  リンゴル重曹を含んだ鉱脈は地球上でもきわめて少なく、内モンゴルの大自然の恵みそのものだった。
原料は内モンゴル自治区政府との合弁事業として、露天掘で採掘されている。

  産地のシリンゴル高原は国境地帯のため、最近まで民間人は立ち入ることができない秘境で、恐竜の化石調査に訪れた学者たちにより、偶然そこに巨大な鉱脈が発見されたのだ。
シリンゴル重曹を含んだ鉱脈は地球上でもきわめて少なく、内モンゴルの大自然の恵みそのものだった。



 まほろばの「ビオ・ソフテリア」では、料理・惣菜は無論のこと、パンや菓子作りをしている。
 
  パンは、既製の天然酵母から脱して、自家酵母を醸成し、オーガニック小麦粉を使って焼いている。
しかし、お菓子となると、良い膨らし粉が今までなかった。
 従来のベーキングパウダーはアルミが入っているので、当然使えなかった。一部アメリカからノンアルミのベーキングパウダーが販売され使っているが、0―1テストでは今一反応が良くない。  

  そこで、登場したのが、天然重曹だ。
それまで普及していた合成重曹は論外で、これを使い出してからは、色々な菓子が作れるようになって実に具合が良い。
 一般の重曹は、工業用や洗剤関係が多いため、食用の許可がない。

  しかし、木曽路物産が輸入しているモンゴル・シリンゴル重曹は食品添加物としても認可されている。ために、洗剤でも食用でも、一つの「重曹」で用をなすのだ。  
  重曹は英語では「Baking Soda ベーキングソーダ」、炭酸水素ナトリウムが主成分だ。  
一方、「ベーキングパウダー」には重曹だけでなく、二種類以上の成分が混合されている。

 ベーキングパウダーの膨張作用は酸性機能によって高まるので、さまざまな酸性物質と、コーンスターチや小麦粉などが加えられている。

 助剤には酸性物質として、酒石酸、クエン酸、リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、グルコノデルタラクトン(これは豆腐の増量剤に使われる)などが添加され、中には石油系化学合成物質で造られたものや、アルミニウム化合物の焼きミョウバンもあり、有害性が懸念されている。
そのため、まほろばでは使えなかったし、販売することもなかった。  

  天然重曹には、以上の助剤・添加物が加えられていないため、多少機能性が低くとも、安心には変え難いものがある。



 ベーキングパウダーは常温では、小麦粉と反応して膨らむため混ぜたらすぐに焼かなければならない。
しかし、ベーキングソーダなら加熱しなければ反応しない。

  ために、混ぜてから生地を寝かせて熟成させることが出来るのだ。
ベーキングパウダーの2倍の膨張力で速醸のお菓子を作るより、2倍の時間をかけてゆっくりと同じ膨張率まで待って造る方が、小麦粉の醗酵や糖化で、菓子の内容が向上するのだ。
(モンゴルのさつまいもやトウキビから作った「クエン酸」を混ぜると一層良くなる)  

  効率より安全性を重視すること、それは化学物質による食品の安全性を日常において見極める主婦の責任でもある。
大切な子供の命を化学物質で侵してはならないはずだ。



アメリカの生んだ驚くべき家庭万能品、それがベーキングソーダ「重曹」であった。その箱の側面には食品成分表と薬品成分表と洗剤の使用説明法が印刷されている。
これが、全米95%の家庭で愛用されている「アーム&ハーマー」という著名な「重曹」である。  

  この産地を、さらに凌駕するのが、モンゴル・シリンゴル・チャンガンノールの重曹地帯。 重曹とかん水では世界一の採掘量なのだ。
(A&H社は重曹の製造・販売のみで採掘事業がない)
ここの重曹は15 :1の割合で工業用と食品に分けられる。
年間かん水が 30万t、重曹が13 万t出荷される。  

 ここの露天掘りの現場は、恐竜が無数に発掘される遺跡でもあり、全体像が出た貴重な現場だった。
そこは元、大海であり、その淵となる海岸線がはっきり見えるのだ。
約5000万年前後、太古にあった大きな湖が乾燥し、干上がった湖底に堆積した有機物から発生する炭酸ガスとまわりの大地から流れ込むナトリウム塩が反応し、400万年の時を経てトロナ鉱石が作りあげられた。
(昭和35年には、日本人の調査団も入っていたという。)

 今回の視察は、実は世界初の公開でもあったのだ。
 この大財宝を日本に手渡ししたのが、木曽路物産の鹿野正春社長、その人だった。  

  設立者は同自治区政府との合弁会社「内蒙古伊克昭盟化学工業集団総公司」伊化(イカ)集団の李武(リ・タケシ)会長であった。
傘下に 社、現在、全ての鉱床から年間、かん水150万t、重曹30万t、来年は200万tを目論む。

 14年前、東勝(トウショウ)で伊化集団の 歳になる李会長と初めて鹿野社長は、出会われた。
 その時、小さい重曹とかん水のトロナ鉱石の小塊を貰い、鹿野社長は閃いたと言う。この小さい物との出会いが未来の奇跡を開くことを。  
省みれば、塩も岩塩の一塊を手にした時から始まった。

 麦飯石も一個の石を貰った時に、そのドラマが始まった。
全て偉大なることは、たった小さき一つの物の導きによるものだった。  

  昔から、モンゴルの民は、重曹を採掘しては洗い粉として使っていた、とパオの中でお年寄りが語られた。
7、8年前から始まった中共の開放政策で自治区になってから民間が小規模で掘り続けていた。 16年前に当時、伊化集団が企業として入り大工場を設立して採掘から精製まで、年間何十tだった規模が急速な成長を遂げ、世界市場に躍り出たのだった。

 日本における大企業が、将来性に目を付け、この重曹を手に入れるべく伊化集団に交渉しても成立せず、皆、鹿野氏を通さねばならなかった。

  それほど、強固な信頼と地盤を、鹿野氏はモンゴルの地に築き上げたのだった。  

 6年前の日本への輸入量は 20tであったが、その後40t、ブームが起きて1600t、さらに2006年には3800tもの輸入に跳ね上がった。
将来は1万tを目指す。

 内モンゴル政府との合作の工場と貿易会社を作り、それによる利益分配と雇用増大で、モンゴル政府はこの合作事業に、大変満足していると言う。
さらに、シリンゴル「重曹」をカーボン基準作り(カーボンフットプリント)にまで押し広げようとしている。

環境問題解決の一策として、社会的注目が集まるに違いない。  
 韓国に、重曹が2万 も輸出されているという。これは、焼却炉で使っているためだ。生ゴミを焼却するとダイオキシンが出る。
焼却炉に重曹を入れると黒い煙が白くなって無害となる。

 今後、重曹は、単なる台所の小さなグッズに終らず、国策にも影響を及ぼすだろう。  

  それは、家庭を変え、河川を変え、大地を変え、天地を変え、世界を変えて行くものだ。  
未来は、この一握りの重曹の粉が握っている。


●カーボンフットプリントとは、

一つの商品における原料の採掘や栽培、製造、加工、包装、輸送、および、購買・消費されたあとの廃棄に至るまでの、それぞれの段階で排出された温暖化ガスである二酸化炭素 (CO2) の総合計を重量で表したものである。そのCO2の総合計重量を商品の包装の外側に書き表し、その商品の原料を作る段階から商品の廃棄に至るまでに関係する事業者と、その商品の消費者の双方にCO2排出量の自覚や認識をさせて排出量の削減を促すことを目的としている。


 この重曹の洗浄力を元に、ニュータイプの洗剤が誕生する。

 静岡大学の熊野善介教授の研究室において「重曹を用いた自動食器洗い機における船上最適条件に関する研究  ― 環境負荷の少ない洗剤としての位置づけを目指して―」との地道で根気の要する研究結果、最も高い洗浄力の配合割合を突き止めたのだ。

 それを配合割合として作り出したのが、この『重曹 きれい』である。  
一切の界面活性剤を用いない画期的なものだ。表示義務として、原材料が3%以下の場合、表示しなくても良いという制度がある。
 
  さらに、界面活性剤の検出は、困難を極め、費用と時間を多く要する。
更にメーカー以外の人や会社が、日本食品分析センターなどの分析室に持ち込んでも分析してくれない仕組みになっている。
ために、これらを隠れ蓑にして、界面活性剤を使用している自然・安全イメージの洗剤メーカーが居るのもまた事実である。  

  その点、天然の重曹を主原料とするこの洗剤は、画期的な洗剤の革命児ともなろう。これを使うことは、環境回復運動の第一歩ともなる。

 まほろばでは、さらに工夫を重ねて、まほろば酵素を用いて、オリジナル重曹洗剤を作れないかと今、検討中である。  
大地から生まれたものは、再びと大地に。
 海から生まれたものは、再びと海へ。  

重曹の洗剤は、衣服の汚れを取り、そして自らも共に河川に流れて、海に注ぎ、そして海底に堆積して幾億年の後の人類の汚れを除くのであろう。



 



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